秋斗
夏羽(なつは)ー
秋斗
俺さ、LIVE始めたんだよね
夏羽
LIVE!?
私と話しているのは 広瀬秋斗(ひろせあきと)。 私の恋人だ。
夏羽
えっどんな!?
秋斗
ははー?さては気になるなー?
夏羽
当たり前じゃん!
秋斗
んー特に決めてるって訳じゃねぇけど
秋斗
まぁゲームとかかなー
夏羽
顔出しとかしてんの!?
夏羽
声とかさ!
秋斗
顔出しはしてねぇよ
秋斗
ネットって危ないんだろ?知らねぇけど。
秋斗
だから今のところ声だけにしてるぜ?
夏羽
名前は!?
秋斗
秋くん、だよ
夏羽
なるほど?
夏羽
フォローされてる人数だっけ?
夏羽
何人なの?
秋斗
まだ始めたばっかだし、
秋斗
結構少ねぇよ
夏羽
何人か聞いてんの!
秋斗
確かー、8人だっけな…
夏羽
ちょ、今見てよ!
秋斗
いまぁ!?なんでよー?
夏羽
気になるからよ!
秋斗
学校だから携帯触るのは無理
秋斗
先生バレたら怒られるやろ?
秋斗
だから後でな
夏羽
はぁあっ、わかったよー…
その時自分はとてつもない不安感に襲われていた。 なぜ不安になるのか自分でも理由はわからなかった。
でもただ1つ思うことがあって、 それは"秋斗に負けたくない" だった。
強い思いに諦めるという言葉は聞かなかった。"何としてでも秋斗に勝ちたい" その思いだけが私にあった。
先生
宮本!宮本!
夏羽
(絶対私は負けない…)
夏羽
(秋斗に…勝ちたい…)
先生
宮本!
先生
宮本夏羽(みやもとなつは)!
夏羽
(私が負けるなんて私のプライドが許されない…)
夏羽
(私が負けるなんてことは…)
夏羽
(絶対にない!)
秋斗
おい、夏羽
秋斗
夏羽ってば!先生呼んでるぞ!
夏羽
…!!
夏羽
あっ、す、すみません…
先生
どうした?体調でも悪いのか?
夏羽
(んー…そうだ…!)
夏羽
はい、ちょっと頭が痛くて…
先生
そうか、保健室行くか?
夏羽
行きます…
先生
1人で行けるか?
夏羽
行けます、ありがとうございます
秋斗
夏羽…?
実際は体調も悪くなく、 保健室に行く予定などもない。
行く所はもちろん決まっている。 それは遠く遠く離れた県外の人気遊園地だ。
行くのにはかなり時間がかかり、 昼から行っても間に合わないくらいだ。
夏羽は思いっきり走り、 電車に乗り込んだ。
夏羽
(なーんてな)
夏羽
(保健室に行く訳ないだろ)
夏羽
(怒られちゃうかなぁ)
夏羽
(まぁなんとかなるか)
おじさん
あれぇ君は学生さんだよなぁ?
おじさんは床に座り込んで私の顔をまじまじと眺める。
夏羽
っ!なんですか!
おじさん
何もそんな顔しなくてもいいじゃないかぁ
おじさん
な??
夏羽
何のご用ですか。
おじさん
学生さんだよなぁと思ってなぁ
夏羽
学生ですけど何か?
おじさん
やっぱりなぁ!制服着てるしなぁ!
夏羽
早く答えてくれます?
夏羽
私も暇ではないので
おじさん
そんな急ぐなって
夏羽
あぁっうるさいなぁ!?
夏羽
なんだよ!用事あるなら言えよ!
おじさん
…!!
おじさん
が、学生さんは今の時間学校じゃないか?
夏羽
ですけど何か?
おじさん
なんでこんな所に居るんだ?
夏羽
どこに居たっていいじゃないですか
おじさん
ダメだよォ、危ないよォ?
夏羽
あの、その喋り方嫌いなんで
夏羽
辞めてもらえます?
おじさん
あぁ、ごめんな
おじさん
とりあえずどこ行くんだ?
夏羽
遠く離れた県外の遊園地です
おじさん
まさかあの人気急上昇中の遊園地か!?
夏羽
そうですけど
おじさん
1人でか!?
夏羽
1人ですけどいけませんか?
おじさん
危ないから着いて行くよ
夏羽
は?来なくて結構でっ…んっん"ん…
夏羽
(役に立ちそう…ふふ…)
夏羽
それはありがたいでぇす!
夏羽
ぜひお供しましょう!!
続く・・・