ななは(主)
ななは(主)
ななは(主)
〜転校初日〜
先生
先生に続いて教室に入る。
教壇に立つ先生と、その横に立つ私。騒がしい教室が静まり返って一気に注目が集まる。
先生
〇〇
緊張の中思い思いの自己紹介をする。頷いてくれる子が多い所を見ると、悪いクラスでは無さそうだ。
先生
りほ
ちょっと怖いな。ああいう派手で騒がしい人はあまり好きじゃない。
席に着いて、周囲の数人によろしくねと声を掛けると、みんな笑顔で応えてくれた。ただ1人を除いては。
〇〇
りほ
素っ気ない。多分こういう性格なんだろう、悪気はなくともちょっと傷ついた。
授業が始まって、私はノートを取り始めた。何気なく横を見ると、机の下で携帯に夢中なお隣さん。
私は黒板に向き直る。
先生
先生
先生の言葉の後、間が空いたので再び隣を見るとどうやら居眠りしてるっぽい。ちょっと気が引けるけど起こす他無さそうだ。
〇〇
トントンと肩を叩くと、気だるそうな目と目が合った。
りほ
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
りほ
りほ
先生
りほ
りほ
〇〇
さっきの顔からは想像も出来ない可愛らしい笑顔に、少しドキッとした。
午前の授業が終わってチャイムが鳴る。特に一緒にお昼を食べる人もいなくて、そのまま席から立たずに朝買ってきたパンを取り出す。
りほ
急に声を掛けられてびっくりしてしまう。
〇〇
りほ
りほ
〇〇
突然腕を捕まれたかと思えば廊下に連れ出された。 なにこの子。一緒に居ると調子狂う。
立ち尽くして居ると前方から元気な声が聞こえてきた。
にこ
りほ
りほ
なってあげた、って、、。 ツッコミどころ満載だけど、とりあえず隣のお友達に笑ってみせた。
〇〇
にこ
にこ
りほ
そんなこんなで一日中振り回されて、下校の時間。
〇〇
りほ
教室のドアの方へ歩きながら続ける。
〇〇
りほ
寂しそうな顔に負けてもう一度りほちゃんの席に戻る。
りほ
言葉と一緒にりほちゃんの手が私の頭へ伸びる。そのままぽんぽんと優しく撫でられて、悔しいけど少しキュンとした。
前触れもなくこういう事する人、苦手。
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
にこ
りほ
そう言うとそそくさと教室を出ていってしまった。 勝手なやつ、、。
一緒にいると疲れるけど、なんか、 離れて欲しくないな。
〇〇
思わず出た独り言を誰にも聞かれていないのを確認して、はやる胸を抑えながら教室を後にした。
〜転校1週間後〜
りほ
先生
りほ
先生
教室が笑いに包まれて、楽しそうに笑いながら挨拶をしてくる彼女におはようと返して、今日も一日が始まった。
先生
〇〇
化学の授業中。急に寒気がして頭痛に襲われた。先生に声を掛ける勇気なんてある訳もなく時間だけが過ぎていく。
体が熱いのに震えが止まらなくて、いよいよやばい。どうしようかと思っていると、りほちゃんが隣から背中をさすってくれた。
りほ
〇〇
りほ
〇〇
りほ
ポンポンと頭を撫でて席を立った。普段はどちらかというと冷たいけど、こういうたまに出る優しさに惚れ直してしまう。
どうやら先生に伝えて来てくれたようで、再び席に戻ってくると、保健室いこうか、と声をかけてくれた。
りほ
〇〇
りほ
わかった、って何? 理解するより先に、体がふわっと浮く感覚。数秒考えて状況を理解する。
これは俗に言う、お姫様抱っこ、、、?
普段だったら羞恥心で死んでしまいそうになるだろうけど、具合が悪くてそれどころではなかった。
りほ
〇〇
保健室に着くと、先生不在の札がかかっていたのでそのまま入って、ベッドに下ろしてくれた。
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
ふわふわした頭で喋っていると、りほちゃんの手が顔の方に伸びて来て、おでこに触れた。
りほ
りほ
そう言われて、途端に寂しくなってしまった。具合が悪い時ってどうしてこんなに心細くなるんだろう。
〇〇
りほ
〇〇
りほ
りほ
安心させるように握ってくれた手に緊張が解ける。
〇〇
話すつもりはなかったのに、彼女の包容力に心を開いて、気づけば言葉が出ていた。
りほ
〇〇
りほ
〇〇
〇〇
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
〇〇
りほ
〇〇
りほ
それで初めて、自分が泣いていることに気が付いた。気が付いてしまえばもう止められなくて、子供のように泣きじゃくる。
靴を脱いでベッドに上がり、そんな私の体を起こして、抱きしめてくれた。 この子の事が好きなんだと、そこではっきり自覚する。
〇〇
りほ
りほ
りほ
これ以上ないほど涙が溢れて、呼吸が乱れる。ぐずぐずになった顔で見上げると、優しく微笑み返してくれる。
止められなくなった気持ちと、この人なら自分を否定しないだろうという安心感。そんな思いを乗せて口を開く。大きな覚悟を決めて。
〇〇
りほ
〇〇
りほ
〇〇
〇〇
りほ
〇〇
りほ
りほ
〇〇
りほ
りほ
すぐには信じられなくて、何度も瞬きをする私をりほちゃんが笑った。
りほ
りほ
〇〇
嘘みたいなほんとの出来事にクラっとして、具合が悪かった事を思い出す。
りほ
りほ
体を起こしていた私を優しく寝かせて、布団を掛ける。
りほ
トントンと叩いてくれる優しいリズムに身を任せて、久しぶりに眠気を感じる。
りほ
遠のく意識の中、彼女が言った言葉を、私はちゃんと聞いていた。
コメント
7件
ごめんなさい、最高すぎます♡♡♡
んふふふ、見るのめちゃくちゃ遅くなって、後悔でしかない!!天才です!