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君は私の苦手なタイプ

君は私の苦手なタイプ

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1

君は私の苦手なタイプ

♥

630

2022年03月13日

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ななは(主)

綿菓子小雪 さんからのリクエスト

ななは(主)

皆さんが主人公、転校した先でりんりんと出会うお話です💭

ななは(主)

すたーと❕🐰

〜転校初日〜

先生

じゃあ、入ろうか

先生に続いて教室に入る。

教壇に立つ先生と、その横に立つ私。騒がしい教室が静まり返って一気に注目が集まる。

先生

新しいクラスメイトです、じゃあ、自己紹介お願い

〇〇

はい

緊張の中思い思いの自己紹介をする。頷いてくれる子が多い所を見ると、悪いクラスでは無さそうだ。

先生

じゃあ、あそこの席、あのギャルの隣に座って

りほ

うわー先生最低

ちょっと怖いな。ああいう派手で騒がしい人はあまり好きじゃない。

席に着いて、周囲の数人によろしくねと声を掛けると、みんな笑顔で応えてくれた。ただ1人を除いては。

〇〇

あの、よろしくね、!

りほ

あ、うーん、よろしく

素っ気ない。多分こういう性格なんだろう、悪気はなくともちょっと傷ついた。

授業が始まって、私はノートを取り始めた。何気なく横を見ると、机の下で携帯に夢中なお隣さん。

私は黒板に向き直る。

先生

じゃあ、この問題は、、

先生

りほ、こたえてくれ

先生の言葉の後、間が空いたので再び隣を見るとどうやら居眠りしてるっぽい。ちょっと気が引けるけど起こす他無さそうだ。

〇〇

ねぇ、りほちゃん、おーい

トントンと肩を叩くと、気だるそうな目と目が合った。

りほ

ん、、ふぁ〜、、なに

〇〇

当てられてるよ、

りほ

えぇ、やば

〇〇

12、

りほ

え?

〇〇

12!答え、

りほ

あ、っとー

りほ

12です

先生

お、正解。じゃあ次問5なんだけど....

りほ

あっぶね〜

りほ

ね、ありがと

〇〇

う、うん

さっきの顔からは想像も出来ない可愛らしい笑顔に、少しドキッとした。

午前の授業が終わってチャイムが鳴る。特に一緒にお昼を食べる人もいなくて、そのまま席から立たずに朝買ってきたパンを取り出す。

りほ

ねぇ、ひとり?

急に声を掛けられてびっくりしてしまう。

〇〇

あ、うん

りほ

一緒に食べよ

りほ

こっち来て

〇〇

え?、わっ、!

突然腕を捕まれたかと思えば廊下に連れ出された。 なにこの子。一緒に居ると調子狂う。

立ち尽くして居ると前方から元気な声が聞こえてきた。

にこ

りほ〜!

りほ

お、西、ちょーど良かった

りほ

この子転校生、席隣になったから友達になってあげた

なってあげた、って、、。 ツッコミどころ満載だけど、とりあえず隣のお友達に笑ってみせた。

〇〇

はじめまして!

にこ

えぇー、可愛いじゃん

にこ

にこって呼んでね、よろしく!

りほ

お昼食べに行くぞー

そんなこんなで一日中振り回されて、下校の時間。

〇〇

じゃあね、りほちゃん

りほ

ん、もう帰っちゃうのー?

教室のドアの方へ歩きながら続ける。

〇〇

引越したばっかりだからちょっと忙しいんだよね

りほ

そっかぁー、じゃあこっち来て

寂しそうな顔に負けてもう一度りほちゃんの席に戻る。

りほ

またあしたね

言葉と一緒にりほちゃんの手が私の頭へ伸びる。そのままぽんぽんと優しく撫でられて、悔しいけど少しキュンとした。

前触れもなくこういう事する人、苦手。

〇〇

な、なにしてんの

りほ

撫でてんの、可愛いから

〇〇

〜///

りほ

照れてる、w

〇〇

いや、ちが

にこ

りほー、部活いくぞ〜!

りほ

あ、今日部活だった、じゃあね

そう言うとそそくさと教室を出ていってしまった。 勝手なやつ、、。

一緒にいると疲れるけど、なんか、 離れて欲しくないな。

〇〇

え、これ恋?

思わず出た独り言を誰にも聞かれていないのを確認して、はやる胸を抑えながら教室を後にした。

〜転校1週間後〜

りほ

ふぅー、間に合った

先生

間に合ってないぞ、遅刻

りほ

先生そんなんだから彼女できないんだよ!

先生

関係ないだろ!さっさと席つけ!

教室が笑いに包まれて、楽しそうに笑いながら挨拶をしてくる彼女におはようと返して、今日も一日が始まった。

先生

ここでの酸化数の変化は....

〇〇

ふぅー、

化学の授業中。急に寒気がして頭痛に襲われた。先生に声を掛ける勇気なんてある訳もなく時間だけが過ぎていく。

体が熱いのに震えが止まらなくて、いよいよやばい。どうしようかと思っていると、りほちゃんが隣から背中をさすってくれた。

りほ

どうした?

〇〇

ぐあい、わるい

りほ

まだ30分もあるけど、しんどかったら保健室行く?

〇〇

ん、むり、あるけない

りほ

ちょっと待っててね。

ポンポンと頭を撫でて席を立った。普段はどちらかというと冷たいけど、こういうたまに出る優しさに惚れ直してしまう。

どうやら先生に伝えて来てくれたようで、再び席に戻ってくると、保健室いこうか、と声をかけてくれた。

りほ

立てない?

〇〇

むり、

りほ

わかった

わかった、って何? 理解するより先に、体がふわっと浮く感覚。数秒考えて状況を理解する。

これは俗に言う、お姫様抱っこ、、、?

普段だったら羞恥心で死んでしまいそうになるだろうけど、具合が悪くてそれどころではなかった。

りほ

体あっつ、しんどいなら次から早く言ってよ?

〇〇

うん、

保健室に着くと、先生不在の札がかかっていたのでそのまま入って、ベッドに下ろしてくれた。

〇〇

りほちゃん、

りほ

ん、

〇〇

ありがとう

りほ

いいよ

〇〇

重くなかった?

りほ

ご飯食べてんのかってぐらい軽かったよ

〇〇

ふふ、笑

ふわふわした頭で喋っていると、りほちゃんの手が顔の方に伸びて来て、おでこに触れた。

りほ

熱あるね、でも先生いないから体温計どこにあるか分かんないや

りほ

先生よんでこようかな

そう言われて、途端に寂しくなってしまった。具合が悪い時ってどうしてこんなに心細くなるんだろう。

〇〇

いかないで、

りほ

ん?

〇〇

せんせーよばなくていいから、ここにいて

りほ

うん、わかったよ

りほ

ここに居るから寝ていいよ

安心させるように握ってくれた手に緊張が解ける。

〇〇

あのね、

話すつもりはなかったのに、彼女の包容力に心を開いて、気づけば言葉が出ていた。

りほ

うん

〇〇

実は私さ、こっちに1人で引っ越して来たんだよ、

りほ

うん

〇〇

両親とは色々あって、一人暮らしすることになったんだけど、毎日不安で寝れないの

〇〇

将来どうしようとか、来月お金足りるかなとか、

〇〇

結局昨日も寝れなかった

りほ

それで体調崩しちゃったのかな?

〇〇

たぶんね

りほ

そっかそっか、話してくれてありがとうね

〇〇

別にこの話は気にしないでね

〇〇

なんとなく、話しちゃっただけ

りほ

苦しそうだから気にしないなんて無理

〇〇

大丈夫だよ

りほ

大丈夫だったらそんなに泣かないでしょ

それで初めて、自分が泣いていることに気が付いた。気が付いてしまえばもう止められなくて、子供のように泣きじゃくる。

靴を脱いでベッドに上がり、そんな私の体を起こして、抱きしめてくれた。 この子の事が好きなんだと、そこではっきり自覚する。

〇〇

ぅ、うぅ、ぐす、

りほ

よしよし、苦しかったね、

りほ

悲しかったら泣いていいんだよ、もし誰かに否定されても

りほ

うちがずっと味方でいてあげる

これ以上ないほど涙が溢れて、呼吸が乱れる。ぐずぐずになった顔で見上げると、優しく微笑み返してくれる。

止められなくなった気持ちと、この人なら自分を否定しないだろうという安心感。そんな思いを乗せて口を開く。大きな覚悟を決めて。

〇〇

りほちゃん

りほ

はぁい?

〇〇

あのね、あの

りほ

ゆっくりでいいよ

〇〇

、、、

〇〇

っ、すき、すきだよ

りほ

それは、どういう

〇〇

友達としてじゃなくて、なんていうか、その、どう説明したらいいか分からないけど

りほ

分かるよ

りほ

うちもおんなじ気持ちだから

〇〇

へ、?

りほ

転校して教室入ってきた時から、好きだよ

りほ

一目惚れってやつかな

すぐには信じられなくて、何度も瞬きをする私をりほちゃんが笑った。

りほ

私が守りたい、だから

りほ

私の恋人になって、

〇〇

は、はい、

嘘みたいなほんとの出来事にクラっとして、具合が悪かった事を思い出す。

りほ

今日から私のものだね

りほ

とりあえず、寝な、

体を起こしていた私を優しく寝かせて、布団を掛ける。

りほ

おやすみ

トントンと叩いてくれる優しいリズムに身を任せて、久しぶりに眠気を感じる。

りほ

あいしてる、

遠のく意識の中、彼女が言った言葉を、私はちゃんと聞いていた。

この作品はいかがでしたか?

630

コメント

7

ユーザー

ごめんなさい、最高すぎます♡♡♡

ユーザー

んふふふ、見るのめちゃくちゃ遅くなって、後悔でしかない!!天才です!

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