あいして

あの泣き顔は、俺にとって凄く慣れていないことだった。

翔陽の泣き顔はいつも悲しくて、守ってあげたいと思うほど。

でも、今は信じれなかった。

翔陽が人を殺そうとした。

頭の中でそう訴えるように響いてくる。

でも、正直ちょっと可笑しくて、複雑な気持ち。

翔陽は昔から虐待にあって、俺たちにバレないように過ごしてきた。

トラウマにもなるぐらいだ。

そんな翔陽が人を突飛ばすはずがない。

なにか事情があったんだ。

翔陽に何かあったんだ。

早く翔陽に謝りに行かなきゃ。

ごめん、翔陽。

本当にごめん。