マチコ
アキカ
マチコ
今年の年末は、帰ってくるの?
アキカ
仕事が忙しくて、帰ってる暇なんてないよ
マチコ
忙しい、って、アキカ
マチコ
あのねぇ…
マチコ
少しは実家に帰ってきなさい
マチコ
今年は、おばあちゃんとおじいちゃんも、帰って来てくれるんだから
マチコ
挨拶くらいしてよね
アキカ
年賀状は送るよ
アキカ
でも、本当に仕事が忙しくて、そんな暇ないの
マチコ
また、そんなこと言って…
マチコ
本当は、帰ってくるのがめんどくさいだけなんじゃないの?
アキカ
は?
アキカ
勝手に決めつけないでよ
アキカ
年末は、特に忙しくなるの
アキカ
だから、そんな実家に帰ってゆっくりしてる暇なんてないんだって
マチコ
そんな無理しすぎたら、良いことないでしょ
マチコ
体調管理も、自分の責任なのよ
マチコ
それくらい、しっかりできないとだめでしょ
アキカ
あのさ、私もう今年で26なんだけど?
アキカ
あんまり子供扱いしないでくれる?
マチコ
何言ってんの
マチコ
アキカはまだ子供でしょ
マチコ
この前だって、酔いつぶれて私に電話してきたじゃない
アキカ
大丈夫だって
アキカ
結局、あのあと職場の人にタクシー呼んでもらって、
アキカ
家まで帰ったもん
マチコ
結局、人に迷惑かけてるじゃないの
マチコ
そんなことになるから、一人暮らしには反対だったの
アキカ
私が何かしたら、自分の評価が下がってるから、そんなこと言ってんの?
アキカ
そうだね、私なんてどうせ、何やっても上手くいかないし
アキカ
出来損ないの娘だもんね
マチコ
何も、そこまで言ってないでしょ
マチコ
勝手にすねて、勝手に解釈するのやめなさい
マチコ
昔からの悪い癖よ
アキカ
だって、そういうことでしょ?
アキカ
どうせ、お母さんは私のことそうやって今まで見下しながら、
アキカ
育ててきたんでしょ?
アキカ
いつも、1人で生きていけるような力はつけておきなさい、
アキカ
ってうるさかったもんね
マチコ
男の人なんてね、頼っても良いことないのよ
アキカ
そんなこと、ないもん
アキカ
少なくとも、私が付き合ってる人はね
マチコ
え?今なんて?
マチコ
そんなの、母さん初めて聞いたんだけど
アキカ
だって、今初めて言ったもん
アキカ
お母さんには、あんまり言いたくなかった
マチコ
なんで?
マチコ
そういうのは、親に1番に言うものでしょ?
アキカ
だって、付き合うことにうるさかったじゃん
アキカ
私が高校の時に付き合った人紹介した時も、そっけない態度でさ…
アキカ
結局、上手くいかなくて別れたら、
アキカ
そうなの、の一言だけでさ
アキカ
何にも慰めの言葉なんて、かけてくれなかったじゃん
マチコ
アキカのことだから、どこかで羽目を外して、
マチコ
呆れられると思ってたもん
アキカ
あの時に、私は決めたんだよ!
アキカ
これから合う人は、絶対にお母さんには紹介しない、って
マチコ
勝手にしなさい
マチコ
もう、付き合うのもアキカの好きにしていいから
アキカ
何それ…叱ったと思ったら、次は放任?
アキカ
私に関心ない、ってこと?
マチコ
母さんが口出ししても、言う事聞かないでしょ?
マチコ
もう、何言っても意味ない、って思ったの
アキカ
あっそう
アキカ
もういい、分かった
アキカ
じゃあ、私の好きにさせてもらう
アキカ
私今付き合ってる人と結婚するかもしれないから
マチコ
そうなのね
アキカ
また、その返事?
アキカ
私、絶対にその人と結婚して見せて、
アキカ
お母さんのこと、見返してやるんだからね
マチコ
そんな、変な闘争心燃やさなくていいでしょ
マチコ
本当に、頑固なところも昔から直らないんだから