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part3 いつも、図書館で
あれから、彼女に声をかけられてから、もう何度ここで顔を合わせただろう。 午後になると、図書室の窓際にそっと現れる彼女。
そして、僕の隣の席に何も言わず座るようになった。
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ある日、彼女が一冊の文庫を差し出した。
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そう言って彼女は、いたずらっぽく笑った。
それからは、いつもどちらかが本を選び、お互いにすすめ合うようになった。 同じ本を読んで、感想を言い合ったり、ときには全く違うジャンルを
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と押しつけたりして
笑う彼女の横顔を見るたび
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と、心のどこかで思っていた。
ある日、2人で呼んでいた絵の中に、ひとつだけ挿し絵がなかったページがあった。
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彼女はそう言って、ノートの切れ端に2人でその場面の絵を描いた。 それがふたりだけの宝物のように思えた。
帰り際、彼女が言った。
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その約束が、どんな薬よりも僕の心を元気にしてくれた。