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LINE１４１１

第1話 - あ

2023年12月15日

#スカッと

タナカトシキ

アキラ

タマキー

アキラ

今度ある夏祭り、今年も一緒に行くよな？

タマキ

う～ん、まだ分かんないかも

アキラ

え？そうなの？

アキラ

俺は、タマキと一緒に行けたら嬉しいんだけどな

タマキ

私も、一緒に行けたら嬉しいけど、

タマキ

塾行け、ってお母さんから言われてるからさ

アキラ

そっか、

アキラ

タマキ、勉強苦手だもんな

タマキ

まあ、それは否定しない...

アキラ

でも、俺もそろそろ受験とか考えないとやばいな～

アキラ

さすがに、苦手教科の数学だけは何か手を打たないと

タマキ

数学だけなんでしょ？

タマキ

苦手なのは

タマキ

あとは余裕、ってこと？

アキラ

余裕でもないけど、

アキラ

でも、行く大学のレベル考えたら、まだ足りねーなーって

アキラ

アキラ、行く大学決めたの？

アキラ

まあ、一応ね

タマキ

教えてよ！私も教えたんだから

アキラ

いや、今はまだ言えねーよ

アキラ

もしもダメだったら、すげー恥ずかしいじゃん

タマキ

そんなことないって、

タマキ

ねえ、教えてよ

アキラ

無理だって

タマキ

は～？

タマキ

私は教えたのに、そっちは隠すんだ？

タマキ

なんか、不公平な気がするんですけど～

アキラ

良いだろ、別に

アキラ

かっこつかなかったらイヤじゃん

タマキ

別に、かっこつけなくたっていいじゃん

アキラ

俺は、カッコつけたいの

タマキ

なんで？

タマキ

そんな必要、なくない？

アキラ

あ～もう...

アキラ

とにかく！

アキラ

教えれないから！

タマキ

そういうことで！

タマキ

あっ！勝手に話を終わらせないで～

アキラ

夏祭り、ギリギリでもいいから行けるか教えて

タマキ

分かった、連絡するよ

～翌日の夕方～

アイ

ねえ、タマキ

タマキ

何？アイ

アイ

あのさ、今年の夏祭り、良かったら一緒に行かない？

タマキ

あ～

タマキ

多分、今年は塾が入りそうだから、行けそうにないんだよね

タマキ

お母さんにもっと勉強に力入れなさい、

タマキ

ってこの前怒られてさ

アイ

そっか...

アイ

今年2年生で、来年は行けないかもしれないのにね

アイ

残念だったね

タマキ

まあ、まだ完全に行けない、って決まったわけではないんだけどね

タマキ

たぶん、行けない方向にはなると思うよ

アイ

そうなんだ

アイ

そしたらさ、

アイ

私、アキラ君さそってもいいよね？

タマキ

え？アキラ？

タマキ

なんで私に聞くの？

アイ

え？だっていつも仲いいからさ

タマキ

仲がいいって、幼馴染だからいいだけで、

タマキ

別に、それ以外は何にもないよ

タマキ

私のことなんか、気にせず誘ってきなよ

アイ

ありがとう

アイ

じゃあ、誘ってみようかな～

アイ

ありがと、教えてくれて

～翌日～

アイ

アキラ君、

アイ

今年の夏祭り、良かったら一緒に行かない？

アキラ

あ～ごめん

アキラ

たぶん、今年は友達と一緒に行くことになると思う

アイ

友達？

アイ

部活の友達とか？

アキラ

まあ、そんな感じ？

アキラ

毎年、幼馴染のタマキと行くのが恒例なんだけど、

アキラ

アイツ、夏から塾に行くかも、とか言い出してさ

アキラ

だから、一緒に行けないんだよ

アイ

そうなんだ

アイ

そしたら、私は友達と浴衣着て行こうかな

アイ

当日、会場で会えるといいね

アキラ

そうだね、

~夏祭り当日の夜～

アイ

タマキ、どういうこと？

タマキ

え？何が？

アイ

今日、タマキ夏祭り来てたよね？

アイ

アキラ君と一緒に

タマキ

あ～うん

アイ

なんで？

アイ

私には、塾に行くから行かない、って言ったじゃん

アイ

なんで？ウソついたわけ！？

タマキ

違うよ！

タマキ

昨日になって、お母さんが急に、

タマキ

勉強頑張ってるから夏まつりぐらいは行ってきていいよ、って...

タマキ

許してくれたの

タマキ

毎年、アキラくんと行くのが恒例だし、楽しんで来たら？って

タマキ

でも、アキラは部活の友達と行くって聞いてたから

タマキ

ダメもとで友達に行くか聞いてみたら、行く、っていうから会場で待ってたの

アイ

それで、なんでアキラくんと一緒にいたわけ？

タマキ

家出たら、ちょうどアキラと遭遇して...

タマキ

部活の奴らと約束してるけど、行けるなら一緒に行こうぜ、って...

タマキ

半ば強引に誘われたの

アイ

それなら、友達との約束があるから、って言えばよかったじゃん

タマキ

だって、そんな言いづらいじゃん

タマキ

友達も、数人いるグループで行くから、私1人いなくてもいいかな、って

アイ

そうやって言えば、私が納得すると思ってる？

タマキ

そんなわけないじゃん！

タマキ

アイに言ったとおりにならなかったのは謝るけど、

タマキ

別にそんな怒るほどのことじゃないでしょ？！

タマキ

それに、私だってアキラに行けるかどうか、連絡できないままだったし、

タマキ

申し訳なさはあったんだもん

アイ

ただの幼馴染なんだから、そんなの放っておけばいいじゃん

タマキ

あのさ、さっきから、なんでそんなにアキラのことになると怒るの？

アイ

好きだからだよ

タマキ

え？

タマキ

アキラのこと、好きなの？

アイ

そうだよ、悪い！？

アイ

いや、そういうわけじゃないけど...

タマキ

そんなこと、初めて聞いたからびっくりして...

アイ

そうだね、

アイ

私、あんまり好きな人は本当に親しい人にしか言わないもん

アイ

でも、タマキに対しては違う

タマキ

は？

タマキ

どういう意味？

アイ

タマキに言えば、私に譲ってくれるかな、って思ったの

タマキ

譲るとか、

タマキ

別に私のものじゃないし...

アイ

じゃあ、アキラくんと話すの、やめれくれる？

タマキ

は？

タマキ

なんでそんな極端なことしないといけないの？

タマキ

アキラは幼馴染で、大親友なの

タマキ

そんな無視するようなこと、できるわけないし、したくないよ

アイ

あのさ、私のこと裏切ったくせに、よくそんなこと言えるよね

アイ

意味わかんない

アイ

どうなるか、分かってんの？

タマキ

どうでもいい、

アイ

ふ～ん、そうなんだ

アイ

じゃあ、覚悟しといて

～翌日の昼～

タマキ

ちょっと！

タマキ

アイ！

タマキ

私の体操服、中庭の池に放り投げたの、アイだよね？

アイ

は？そんなことするわけないじゃん

タマキ

嘘つかないでよ！

タマキ

私、遠目で見たの

タマキ

渡り廊下から、中庭の池めがけて体操袋投げるアイのこと

アイ

遠目でしょ？

アイ

何で絶対に私だ、って言えるの？

アイ

見間違いとか、似てる人、って言う可能性もあるよね？

タマキ

その可能性は...

タマキ

ないとは言えないかもしれないけど、

タマキ

でも、あれは絶対にアイだったよ！

アイ

根拠は何？

タマキ

根拠？

タマキ

そんなの、ないけど

アイ

証拠も、何もないのに、自分が見たから、

アイ

っている理由だけで、私だって決めつけるんだ

タマキ

それ、どうなの？

アイ

私への嫌がらせ？

タマキ

嫌がらせしてるのは、アイの方でしょ？

アイ

そんな、嫌がらせなんて言わないでよ

アイ

ただの、私を裏切ったことに対する報復

タマキ

変わんないじゃん

アイ

全然違うじゃん

アイ

まあ、とにかく...嫌なら好きでもないアキラくんとイチャイチャするのやめて

アイ

いいね？

~3日後～

アキラ

アキラくん、

アイ

あのさ、ちょっと、今日相談したいことがあって...

アキラ

え？何？

アイ

最近さ、アキラ君の幼馴染のタマキが、

アイ

私の筆箱の中身とか、ちょっとずつとって言ってる気がするんだよね

アイ

アキラ君から、私のもの持ってないか、見てくれないかな？

アキラ

別に、良いけど...

アキラ

もし、持ってたとしてもそれは、

アキラ

何かのアクシデントで入れ違っちゃった、とかじゃない？

アイ

え？

アイ

どういうこと？

アキラ

タマキは、そんなことするやつじゃないから

アキラ

そんな、勝手に人のもの盗むようなやつじゃないよ

アキラ

だから、もしタマキがなんかアイちゃんのもの持ってても、

アキラ

入れ違いとかって思ってやって

アイ

うん...

アイ

そういうことも、あるもんね

アイ

ありがとう、聞いてくれて

アキラ

うん、全然いいよ

アキラ

それで、俺からも聞きたいことがあってさ

アイ

うん、どうしたの？

アキラ

タマキが、最近体操服を意図的に池に誰かに投げられた、って相談してきたんだよ

アキラ

なんか、目撃情報とか知ってる？

アイ

いや～知らないな...

アキラ

そっか、

アイ

ごめんね、力になれなくて

アキラ

いや、全然大丈夫！

アキラ

あっ！じゃあさ、もう一個聞いていい？

アイ

うん、もちろん

アキラ

昨日、タマキが弁当箱開けたら、中身が落とした薬袋にぐちゃぐちゃだったらしくてさ

アイ

え？何それ、

アキラ

タマキ、登校する時も落とすなんてことしなかったから、

アキラ

誰かが意図的に振ったり、落とした、ってことだと思うんだよ

アキラ

ひどすぎるよな

アイ

そうだね～

アイ

最低だと思う

アキラ

やっぱり、そう思うよね！

アキラ

だから、俺幼馴染として、どうしてもこの犯人見つけたいんだ

アイ

そう、なんだ...

アキラ

そんで...見つけるのに、協力してくんない？

アイ

え？私が？

アイ

う～ん...でも、その犯人ももう、飽きてやめるんじゃないかな？

アイ

だって、タマキ全然辛そうな感じ見せないから、私そんな目に遭ってるなんて、

アイ

知らなかったもん

アイ

しぶとい、と思ってもうじきやめると思うよ

アキラ

いや、だとしてもだよ

アキラ

タマキは大事な親友だし、いつも強がって弱みとか見せないけど、本当は辛いと思うんだ

アキラ

だから、お願い！

アイ

いや、そんな犯人探しなんてしなくていいと思うよ

アイ

アキラ君も、勉強に集中した方がいいと思うし、

アイ

そんな最低なやつ、相手にするだけ時間の無駄だよ

アキラ

そっか...そうだよね

アキラ

じゃあさ、ずっと探し続けるのは時間の無駄だから、

アキラ

SNSに投稿して、目撃者を集める、って言うのはどう！？

アイ

え？

アイ

そうすればさ、俺が時間かけて聞き込みするなんてこともなくなるし、

アキラ

拡散してもらえれば、目撃者が少しは引っかかると思うんだよ

アイ

本当に！！

アイ

そんなこと、しなくてもいいと思うよ！

アキラ

しなくていい、じゃなくて、してほしくないんだよね？

アイ

え？

アイ

どういうこと？

アイ

何が言いたいの？

アキラ

あんな人目につくような渡り廊下で堂々と体操服投げてさ、

アキラ

誰も気づかないとでも思った？

アイ

それってもしかして...

アキラ

うん、そのもしかして、だよ

アキラ

俺、バッチリ見てたんだよね～

アキラ

アイちゃんがタマキの体操服、池にぼっちゃんしてるところ

アイ

えっと...あの、このことは！

アキラ

誰にも言わないで、って言いたいの？

アキラ

安心して

アキラ

多分、あの時、授業中だったし、誰も中庭の方なんて見てなかったから

アキラ

っていうか、アイちゃん、タマキのこと困らせるのに必死だよね

アキラ

授業中に、トイレ行きたい、って抜け出してまで嫌がらせするなんて...

アキラ

あの時、偶然窓の外見たらその光景目にしちゃってさ、

アキラ

奇跡だよね～俺、

アキラ

超グッドタイミング

アイ

あの、このこと、これから誰にも...

アキラ

だから、言わないって

アキラ

その代わり、今すぐタマキに謝ってくれるよね？

アキラ

あと、もう一生こんなことしない、って誓ってくれるよね？

アイ

もちろん！

アイ

誓う！絶対に、こんなこともう一生！しない！

アキラ

よし、じゃあ、これからタマキに言ってきてね

アキラ

俺は、何もしてない、ってことで

アイ

あのさ、1個聞いてもいい？

アキラ

何？

アイ

アキラくんは、タマキのこと好きなの？

アキラ

うん、ずっと前から好きだよ

アキラ

強くて、頑張りやなところが

アキラ

だから、タマキについていきたい、って思って、

アキラ

同じ大学を目指すことにしたんだ

アイ

同じ大学なの！？

アキラ

うん、まあ

アキラ

タマキには、まだ言ってないけどね

アキラ

合格したら、言うつもりだよ

アキラ

じゃ、そういうことで

アキラ

仲直りしてね

～後日談～

タマキ

その後、私はアイから今まで嫌がらせしてきたことを謝られました

タマキ

そして、アキラにも同じ大学に行く、と言われて告白もされ、驚きが隠せませんでした

タマキ

来年の春から県外へ出て、同棲をしながら同じ大学に通う予定です

タマキ

今まで幼馴染だった存在のアキラが彼氏なんて、今でも信じられませんが、

タマキ

すごくにぎやかで、毎日楽しくなりそうでワクワクしています

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タナカトシキ

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