食堂
アンナ
誰かを生贄にしなければならない。
アンナ
皮肉な話ね。
サンドラ
もし、選ばなかったら?
それは、ランダムで襲われるよ。
エマ
わぁ?!
サンドラ
なるほどね。
フェイ
ランダムだと、理不尽な結果になる可能性もあるね。
ジェシカ
でも、仲間内で殺し合いって…。嫌です。
サンドラ
でも、甘えたこと言ってたら時間が…。
ロディ
精神も、時間も削られていくな。
アンナ
でも…。誰かを殺すなんて。
エマ
嫌だよ…。
フェイ
人狼っぽい動きをした人…っと言っても誰もそんな行動…。
サンドラ
不可能に近いわね。
ロディ
もぉ、どうすれば…ん
ゴーンゴーン
3時デス。3時デス。
エマ
時計だね…。
フェイ
びっくりした。
サンドラ
残り6時間…。
アンナ
ラチが明かない。
ジェシカ
……。
サンドラ
?どうしたのジェシカ。
ジェシカ
私、嫌だよ。皆で皆で一緒に生きて帰ろうよ…。私、嫌だよぉ。人、殺したくない。
アンナ
そおは、言っても…。
タッタッタッ
エマ
ジェシカちゃん、危ないよ!あっ!
サンドラ
ジェシカ!?
ロディ
行っちゃったっ…。
アンナ
私、ジェシカ探してくる。
エマ
アンナちゃん、危ないよ。私も一緒に行くよ!
アンナ
エマ、ありがとう。
ロディ
僕は、ここでジェシカを待つよ。
ロディ
すれ違いになったら大変だし。
サンドラ
私は、ジェシカの部屋に行ってみるわ。
フェイ
僕は、一つ一つ部屋を見て回るよ。
フェイ
6時には、1回帰ってくる。
サンドラ
皆さん、ジェシカの為に。
サンドラ
ありがとうございます。
エマ
お互い様だよ!
ロディ
そうだよ。皆で最後まで話そう。
アンナ
そうよ。早く行くわよ!
フェイ
一刻を争うからね。じゃあ!
タッタッタッ
ロディ
さて…。ジェシカは、どこに行ったのだろう。
ロディ
ジェシカが冷えたら大変だから、毛布を…。
何でこうなったんだろ?
皆とお別れしたくない。
皆いい人だもん。
殺し合うなんて、嫌だよ。
室内テラス
ジェシカ
あれ、私寝ちゃってた…?
ジェシカ
『冷えますね…。』
ジェシカ
どうしましょう…。
ジェシカ
今更帰っても…。
ジェシカ
ははは。私、何してるんでしょう。
ジェシカの部屋
サンドラ
ジェシカ!?
サンドラ
居ないようね…。
サンドラ
『どこに行ったの?』
産まれてこの方、ずっと一緒だったわね。
気持ちごと、初めてバラバラになったわ…。
サンドラ
『私一人だと、何も出来ないのよ。』
サンドラ
ジェシカが居て私は、私でいられるの…。
応接室
アンナ
ジェシカ!?
エマ
ジェシカちゃん!
アンナ
居ない…わね。
エマ
これで5室め。
アンナ
まだ、これからよ。
エマ
えっと、図書室とキッチンとダンスホールと、教会と、ここ…。空振りだね。
アンナ
この館が大体大きすぎるのよ。
エマ
食堂に帰ったりして無いかな?
アンナ
そう言えばそうね。
アンナ
電話があったはず…。
エマ
私持ってるよ!
アンナ
え?
アンナ
持ってる?
エマ
じゃーーん!はい、アンナちゃんこっち持って!
アンナ
エマ、これ…
エマ
もしもし、アンナちゃん!
エマ、貴方天然なのかバカなのか…。
アンナ
これは、糸電話でしょ!?
エマ
わぁぁぁぁ!?
エマ
アンナちゃん、大きい声出さないでよ!
アンナ
私が、探してるのは糸電話じゃなくて固定電話。
エマ
あー!それなら、ここにあるよ?
アンナ
『なんで先にそっちを出さないか…』
アンナ
使うわ。
エマ
使えるの?
アンナ
一応ね。
呼び出し中…
呼び出し中…
アンナ
あっ、もしもし?
ロディ
アンナ、どうした?
アンナ
そっちにジェシカ居ない?
ロディ
居ないね。
ロディ
サンドラから、部屋に居ないから倉庫とテラスに行ってみるって連絡来てるよ。
アンナ
そう、私達は図書室とキッチン、ダンスホール、教会、そして、応接室に行ったわ。全て空振りだけどね。
ロディ
了解。フェイからはモブ爺さんの部屋、演奏ホールには、いなかったって連絡来たよ。
アンナ
分かったわ。残りの部屋を回ってみるわ。
ロディ
気をつけてね。
アンナ
ありがとう。
ツーツーツーツー…
エマ
どうだった?
アンナ
そうね、残りの調達室辺りに行ってみましょう。
エマ
りよーかい!
室内テラス
サンドラ
ジェシカ!?
サンドラ
『倉庫も居なかったし、ここになら?』
ジェシカ
お…姉さま…?
サンドラ
ジェシカ!?
サンドラ
こんなに冷たくなって!
ジェシカ
ははは。私の心配ばかりだといけませんよ?
ジェシカ
お姉さまだってこんなにボロボロに。
サンドラ
バカ!私の身なりよりジェシカの方が大切に決まってるでしょ?!
ジェシカ
でも…。
サンドラ
世話が焼ける妹ね。
サンドラ
この歳にもなって自分で帰れないなんて。
ジェシカ
お姉さま…。
サンドラ
帰るわよ。
サンドラ
皆、心配してくれてるわ。
ジェシカ
『私のお姉さまは、世界一だ。』
ジェシカ
はい!
私達は、手を繋いで歩いた。
この歳にもなってこんな事するのは、普通は恥ずかしくて出来ないけど。
今は、この幸せをかみ締めたい。