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夜空に咲いた花

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夜空に咲いた花

2 - 夜空に咲いた花 #1

♥

29

2020年12月13日

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今日も1人席につき

ぼんやりと空を眺める

月城陽奈

花奈ちゃん!

白石 花奈

あ、陽奈!おはよ~

挨拶をしてきたのは月城陽奈

(「黎明に愛を教えてくれた貴方」を 参照)

彼女はクラス替え当初は根暗で地味だった

だが、何がきっかけとなったのか

退院した直後から

明るく、人懐っこい性格へと変わっていった

月城陽奈

おはよう!

挨拶をすませると、陽奈は席に座った

(ちなみに席は前後です)

白石 花奈

なんか元気だね~

月城陽奈

うん、ちょっとニュースがあって!

白石 花奈

なになに?

月城陽奈

今日転校生が来るんだって!

陽奈の綺麗な黒髪が太陽の光に照らされ

キラキラと光を含んだ

白石 花奈

高校って転校できるもんなの?

月城陽奈

ん~、その辺は分かんない…

月城陽奈

けど、裏口入学って噂されてるよ

ぐっと声を落とし囁く

白石 花奈

え~、なにそれ

白石 花奈

絶対まともな奴じゃないでしょ!

月城陽奈

かもね

月城陽奈

ちなみに男の子なんだって

白石 花奈

へぇ、イケメン来ないかな~

月城陽奈

またそれ…(笑)

白石 花奈

だってイケメンで悪いことないでしょ~?

月城陽奈

そうだけど…

先生

はい、チャイムなるよ!

先生

みんな席に座って!

月城陽奈

あ、来たみたいだね!

白石 花奈

楽しみ!

先生

今日は転校生がいます

先生

一ノ瀬くん!

白石 花奈

(一ノ瀬…?)

一ノ瀬 悠夜

どうも、一ノ瀬悠夜です

白石 花奈

(なんか聞いたことある…?)

一ノ瀬 悠夜

東京から越してきました

白石 花奈

(私も前は東京に住んでたな~)

一ノ瀬 悠夜

仲良くしてください

クラスの女子からは黄色い歓声が上がった

白石 花奈

(確かにかっこいいかも)

女子「先生~!席はどうするんですか?」

先生

一応そこの席よ

先生が一つだけぽつんと置かれた席を指さす

白石 花奈

(あ~、そのための席だったんだ)

白石 花奈

(疑問解消…)

女子「それじゃあ悠夜くんが可哀想ですよ!」

女子「これを機に席替えしましょ!」

先生

ん~、それもそうね

先生

それじゃあ、こうしましょう

先生

通常は2つの席を隣にしますが

先生

その席だけ3人を隣にしましょう

白石 花奈

(つまり、男子を女子で挟むってことね…)

白石 花奈

(その席にはなりたくないかも)

先生

それじゃあ、くじを持ってきますね

…………

先生

はい、皆引いて行ってね~

白石 花奈

(私は…)

白石 花奈

(6番の席かぁ)

白石 花奈

(って!3人の席じゃん…)

白石 花奈

(隣誰だろ…)

月城陽奈

花奈ちゃん!何番だった?

白石 花奈

6番~

月城陽奈

あ、私8番だよ!

白石 花奈

って事は男子を挟んで隣だね

白石 花奈

男子、誰だろ…

月城陽奈

楽しみだね!

先生

はい、席移動して~!

白石 花奈

(6番はここだよね…)

一ノ瀬 悠夜

あ、よろしく

白石 花奈

一ノ瀬くんが隣?

一ノ瀬 悠夜

うん、そう

白石 花奈

よっか、よろしくね~

月城陽奈

〘良かったね、花奈ちゃん 〙

陽奈がこちらに向かって口パクをした

私は何も言わず微笑み返した

一ノ瀬 悠夜

お前、名前は?

白石 花奈

白石花奈

一ノ瀬 悠夜

……?

白石 花奈

え、なに?

一ノ瀬 悠夜

いや、別に…

一ノ瀬 悠夜

まぁいいや、よろしく

一ノ瀬くんは手差し出した

白石 花奈

あ、うん

私は手を握り返した

その手から温もりが伝わってきた

一ノ瀬 悠夜

月城もよろしくな

月城陽奈

うん!よろしくね

…………

放課後

私は誰もいない教室で

部屋の片付けをしていた

白石 花奈

(掃除当番ってめんどくさい…)

白石 花奈

(今日は黒板を消すだけだから楽だけど…)

白石 花奈

(普通、掃除当番って1人でやる仕事じゃないでしょ…)

白石 花奈

(うちの担任ちょっと変わってる…)

心の中で愚痴をこぼしながらも

黒板を消していく

白石 花奈

(あとは、上の方を消すだけ…)

白石 花奈

く…

白石 花奈

(と、届かない…)

私は背伸びをしたが

あと5センチほど足りない

一ノ瀬 悠夜

俺やるよ

その時、突然背後から手が伸びてきて

私の黒板消しを手から抜き取った

白石 花奈

……!

私は何故か嫌悪感を感じ

一ノ瀬くんを押しのけていた

一ノ瀬 悠夜

白石…?

白石 花奈

あ…れ…

白石 花奈

ごめん、なんか私…

一ノ瀬 悠夜

いや別に気にしないで

一ノ瀬 悠夜

白石こそ、大丈夫?

一ノ瀬 悠夜

手震えてるけど

白石 花奈

だ、大丈夫…!

一ノ瀬 悠夜

でも、顔もなんか青いぞ?

一ノ瀬くんが私の顔に手を伸ばした

白石 花奈

いやっ…!

私は無意識にその手を振り払っていた

一ノ瀬 悠夜

……!

一ノ瀬 悠夜

どうしたんだ?

白石 花奈

な、何でもない…

白石 花奈

(思い出した…)

白石 花奈

(一ノ瀬くん…いや、橘くん)

一ノ瀬 悠夜

そうか?

「一ノ瀬くん~?」

どこからか先生が一ノ瀬くんを呼んだ

一ノ瀬 悠夜

あ、ごめん俺行くわ

一ノ瀬 悠夜

じゃ!

一ノ瀬くんが教室からいなくなった

白石 花奈

はぁ…

私は緊張がとけ床にへなへなと座り込んだ

普段は汚いからと絶対に座らないが

今だけはそんな事も気にならなかった

白石 花奈

何で…

白石 花奈

橘くんがここに…

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