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そう言ってツムは

ぽつり、ぽつりと

俯いて話し始めた

宮侑

俺な

宮侑

知ってたんや

宮侑

ずっと前から

宮侑

何が苦しくて

宮侑

何に悩んでて

宮侑

サムがあの日のことにどれだけ傷ついてて

宮侑

自分が生まれてきたことに後悔してて

宮侑

あの日から始めた作り笑いも

宮侑

全部

宮侑

全部!

宮侑

知ってたんや…

宮侑

けどサムなら大丈夫、って勝手に思っとった

宮侑

俺ならこのくらいでバレーを辞めたりなんか

宮侑

自分の存在を否定したりなんかしないって

宮侑

思っとったから…

なんや

こいつは俺に説教するためにわざわざここまで来たんか

まあ、こんなダメな弟やもんな

怒りたくもなるよな

こんなことで傷ついて逃げ出す俺に

軽蔑したんかな

嫌われたんかな

そんなん嫌やな

辛いな

ツムに嫌われるなんて

途端に怖くなり

ぽつりと、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた

宮治

ごめんな

その途端

ツムが声を荒げて言い放つ

宮侑

なんでお前が謝るんや!

宮侑

俺がサムなら大丈夫って勝手に思っとったせいでこうなったんやろ!

宮侑

俺、サムが階段から落ちて入院して

宮侑

そこでやっとわかったんや

宮侑

いくら生まれた時から一緒にいても

宮侑

双子でも

宮侑

似てても

宮侑

耐え切れる容量は違うって

宮侑

やっとわかったんや…

宮侑

ほんまに、

宮侑

ホンマにごめんなぁ!

ずっと俯いていたツムが

顔を上げた。

その瞳は涙で滲んでいて

とても弱々しくて

けど

その弱々しい瞳は

真っ直ぐに俺の瞳を

見つめていた

宮侑

なぁ、

宮侑

サム

宮侑

俺、バカやねん

知っとる。

宮侑

サムが限界になった時にやっと

宮侑

俺とサムは違うんやってわかった

宮侑

………

ツムは数秒口を閉じ、

また口を開いた

宮侑

俺、バレーが大好きやねん

何当たり前のこと言っとるん

知っとるわ。

宮侑

サムも同じくらいバレーが大好きだと思ってた

宮侑

そして、サムも俺と同じバレーボール選手を目指してると思ってた。

宮侑

けど違ったんや

宮侑

だってサムと俺は双子でも

宮侑

違う人間やから

宮侑

もうわかったんや

宮侑

この前より少し、ほんの少しだけ賢くなったんやで

宮侑

やから

宮侑

サムがバレーとは関係ない職に就いても怒ったりしないで

宮侑

良かったねって、頑張ってって、応援するから…

宮侑

俺にも俺がバレー選手になったら応援して欲しい

宮侑

やけどな

宮侑

俺、まだ高校生だし

宮侑

バレー選手にはまだなれないから

宮侑

俺がバレー選手になって

宮侑

有名になって引退するまで

宮侑

ずっとずっと俺の兄弟で、ファン第一号として、応援し続けて欲しい

いつ俺がツムのファンになったんや

宮侑

やから

宮侑

サムが俺を応援するには

宮侑

サムは生きていかなきゃならない

宮侑

文章もぐちゃぐちゃでこんな長くなったけど、

宮侑

まとめると俺は

宮侑

サムには死んで欲しくないんやっ

ツムの言葉を聞いて俺は目を見開いた

そんなこと言われたらもう

完全に

死にたく無くなるやん

生きていきたいって

思ってしもたやん

宮治

…なんで

宮治

なんで

宮治

そんなこと言うん…

宮治

そんなこと言われたら

宮治

おれ

宮治

死にたく無くなるやん…

宮侑

宮侑

死ななくていい!

宮侑

死ななくていいんや!

宮侑

お願いやから、死なないで…

きっと

このツムが言う''お願い''は、

俺がおじいちゃんになるまで

ずっとずっと背負い続ける

重荷になるんや

ツムからの重荷

この重荷はとてもとても重い。

なのに

俺の兄弟からの重荷は

少し前の重荷とは違って

とてもとても軽いんや

宮治

……

ツムからの重荷を背負うことになって

俺は

なぜだか笑顔になって

宮治

まったく、

宮治

しょうがないなぁツムは!

宮治

そのお願い、ずーっとずっと

宮治

守ったるで!

宮治

やって、

宮治

俺の大好きな兄弟やもん!

俺がそういうと

ツムは面白おかしく

笑ってくれた

数ヶ月後──

稲荷崎高校のある一つの体育館。

その体育館では、

シューズと床が擦れる音

ボールと腕がぶつかる音

ボールが床に叩きつけられる音が響いている。

そして__

宮治

ツムっ!

宮侑

サム!

稲荷崎高校名物の宮兄弟が

お互いの名前を呼び合い

今日もまた

バレーをしていた。

「宮治の重荷」の物語はこれで終わります! 最後らへん早く終わらせようとして展開が強引になっちゃいましたけど、 更新がめちゃくちゃ遅い中、最後まで見てくださった方々ありがとうございました! こんな短い物語を約一年かけて完結させるというね 次の物語はちゃんと定期的に投稿していきたいですね!

それでは改めて、 最後まで見てくださった方々本当にありがとうございました! また、会えることを願っています。

すみません! 内容的にセンシティブ設定になりました!

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コメント

1

ユーザー

最高です! こんな最高な作品を投稿して頂きありがとうございました!!

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