「今から会えない?」
いつものように、彼から連絡があった。
いつもこのくらいの時間に来るから、メイクもそのままで連絡を待っていた。
彼を待たせないように、がっかりさせないように、できるだけ早く駅に向かう
たまには一日中私と過ごしてくれたらいいのに。
たぶん、昼間にはまた別の女の子と会ってるんだろうな、
半分浮気かもしれない、危険な毒りんごのような恋
でも不思議に甘い味がするのは、相手が君だからかな
すれ違う人々は、みんな家に帰る途中みたい。
大勢の人とは真逆の方へ、光に吸い寄せられる虫のように駅の光を目指す。
「こんな時間に呼び出すなんて、いつも急だよ」
「君から会いに来てよ」
なんて口では言うけど、本当は会いたくてしょうがなかった。
今日もまた彼に会うために、足を早めた。
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