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ロペ
コメント
1件
あ、読み終わりました…!1話目からすごく重くて、胸がぎゅってなった🥀 最初の教室のシーンではまだ平和で、丸居くんとの軽口とか朱春くんの照れ方が可愛かったのに、東くんの家に踏み入れた瞬間から空気が変わった感じがして…。血と肉塊、そして「くちゃくちゃ」っていう咀嚼音の描写が生々しくて、読んでるこっちまで息ができなくなった。逃げようとした朱春くんが泣きじゃくって、逆に東くんが「泣かないで」って抱きしめてるのが、もう、怖いのに切なくて…。 続きがすごく気になります。朱春くんはこれからどうなるんだろう…?
⚠ この作品内には、BL、一部グロ表現が含まれます ⚠ 人物アイコン→「ヒトラシイ」アイコンメーカー使用 それでもいい人はGO↓↓
あの出来事があったのは、まだ肌寒い1月の事だった。
佐原 朱春
俺の名前は佐原 朱春 (さはら すばる) 。田舎の高校に通う、平凡な17歳の一人だ。
今日も、いつも通り…とは言えないが、平和な学校生活を送っていた。 長くて退屈な授業も今日は終わり、今は放課後となっている。
男子生徒
男子生徒
男子生徒
クラスメイト達はそれぞれ友人達と会話を交わしながらも、ぞくぞくと教室から出ていく。
女子生徒
女子生徒
飛び交う沢山の会話や噂話を聞きながらも、黙々と帰り支度を済ませる。
佐原 朱春
人の話を聞くのは好きだが、俺はそんなに人付き合いが上手い方でもない。 話せる相手もいないのに、この教室に居残るのはあまりにも寂しいから、早く帰ろうとして…
丸居 夏目
佐原 朱春
後ろの扉から飛び込んできた別クラスの友人、丸居 夏目(まるい なつめ)に妨害された。
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
背後から襲いかかってきておいて今更何を言い出すのだろう、この男は。
思わず『は?』と声に出すと、丸居は頬を膨らませた。どうやらご不満のご様子。 彼は俺の両肩を両手で掴むと、ぶーぶーと文句を垂れ始めた。
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居が『赤葉くん』と呼ぶのは、俺と大の仲良しである幼馴染の赤葉 東(あかば あずま)だ。 彼と俺は小学生からの仲であり、今年はクラスが同じだったため毎日隣で過ごしてきた。
そんな彼は、今週一度も学校に来ていないのだ。
一番仲のよい幼馴染がずっと休んでいるため、俺はクラスでここ数日間ずっと孤独だった。 正直、彼がいないとなんだか学校生活がつまらない。…もちろん、丸居がウザいのもあるが。
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
確かに彼のいない学校生活はつまらなくて、その、寂しかったが。
流石に羞恥心が勝ってきた。丸居に指摘されるほどに寂しさが顔に出ていたのか。 しかも、仲のよい幼馴染が学校に居ないだけで落ち込んでいるのがバレバレだったとか……
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
そんな風に丸居と軽口を叩きあっていると、ある一人の女子生徒が俺に声をかけてきた。
小林 芽衣
佐原 朱春
滅多に会話しない女子に話しかけられて、思わず変な返事をしてしまった。 恥ずかしいと思いながらも声のした方に振り返る。
小林 芽衣
彼女は確か…クラスメイトである、小林 芽衣(こばやし めい)さんだ。
小林さんとはあまり話した事がない。特に繋がりがある訳でも無いので当然だろう。 そんな事は露知らず『告白?告白?』と騒ぐ丸居がうるさいので、腹パンした。
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
小林 芽衣
丸居 夏目
理不尽を訴える丸居の声がうるさくて話が聞こえにくいので、デコピンしたら黙り込んだ。
小林 芽衣
佐原 朱春
大人しくなった丸居を他所に、小林さんはプリントをこちらに手渡した。 貰ったプリントは今日先生から配られたものだ。もちろん、俺も既に持っている。
なぜ彼女はこれを俺に渡したのだろう? 目を白黒させていると、小林さんが困ったように笑った。
小林 芽衣
小林 芽衣
小林 芽衣
佐原 朱春
やっと手渡されたプリントの意味を理解した。 休んだ幼馴染へのプリントの配達なんて小学生の頃から慣れっこである。
小林 芽衣
小林 芽衣
小林さんは律儀に謝ってくれて、こちらの気遣いまでしてくれた。 なんて優しい人だろう。久しぶりに触れる女子からの温かい言葉に心まで温まり…
小林 芽衣
前言撤回、なんて事を言ってくる人だろうか。
佐原 朱春
丸居 夏目
まさか、丸居以外の…しかも同じクラスの人にまで寂しかったのがバレバレだとは。 大人しかった丸居がまた騒いでいるが、恥ずかしくて最早何もできなかった。
小林 芽衣
佐原 朱春
小林 芽衣
佐原 朱春
丸居 夏目
小林 芽衣
佐原 朱春
小林 芽衣
佐原 朱春
彼女の声の温度が少し下がったのに驚いて、思わず目を見開いた。 そんな俺の姿を見て、小林さんは慌てたように言葉を紡ぐ。
小林 芽衣
小林 芽衣
佐原 朱春
彼女は逃げる様に教室から飛び出して行った。 その後ろ姿を眺めながら、さながら嵐のような人だったなぁという感想を抱いた。
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
丸居 夏目
佐原 朱春
さっきまであんなにも大人しかったのが嘘みたいに騒ぎ始めた丸居。 そんな丸居の頬を、俺は遠慮せず思いっきりビンタした。
丸居 夏目
一人でギャアギャアと騒いでいた丸居を置いて、俺は東の住んでいるアパートに来ていた。
佐原 朱春
『ピンポーン』
小学生の頃からすっかりと聞き慣れてしまった赤葉家のインターホンを鳴らす。 持ってきたプリントを手に持ちながら、東かその家族が出るのを待つ。
佐原 朱春
佐原 朱春
インターホンからの声も、玄関に向かって来る足音すらもしなかった。
佐原 朱春
佐原 朱春
顔も見れない、声も聞けないのは、少しばかり寂しかった。 でも、きっと玄関から出てこれない程に体調を崩しているのだろう。無理はさせたくない。
とりあえず、持ってきたプリントだけでも渡さなければいけない。 ポストに入れておいて、後からスマホからメッセージを送っておこうとして…
佐原 朱春
その行動に、特に特別な意味があった訳じゃない。 多分、ただの好奇心だった。
鍵の閉まっているはずの玄関のドアノブに触れて、ひねってみた。
佐原 朱春
玄関の扉は、ドアノブをひねって引いてみると簡単に開いてしまった。
玄関の鍵が、開いていたのだ。
佐原 朱春
『ね、聞いた?春ちゃんのご近所さん、強盗入られたんだって〜…』
『なんていうか…ほら!最近行方不明とか、強盗とか、色々増えてるしさ!』
なぜだか、嫌な予感が頭を過った。
佐原 朱春
自分に言い聞かせるようにそう呟いたが、酷く胸騒ぎがする。 怖くて、不安で、どうしようもなくて、気付いたら彼の名前を呼んで部屋に飛び込んでいた。
佐原 朱春
あか、アカ、赤、とにかく赤がべったりと廊下に垂れていた。
佐原 朱春
佐原 朱春
酸っぱい鼻を突く臭いが辺りに充満していて、気持ちが悪くて吐きそうだ。
普段の日常の中では、これほどまでに嗅ぐ程のない気持ち悪い悪臭。 この臭いの正体は、嫌になるほど目に映る赤色のせいで十分に理解してしまっていた。
佐原 朱春
慣れ親しんだ幼馴染の家は、おびただしい量の血でむせ返っていた。
佐原 朱春
本当は今すぐにでも逃げ出してしまいたい。でも、逃げ出したい。だって… ここには、休んでいるはずの幼馴染の東がいるはずだから。
俺は血に染まった廊下を踏みしめて、リビングへと入り込んだ。
くちゃくちゃと、何か柔らかいモノを噛み締める音がしている。
リビングには血のついた包丁と、真っ赤に染まった複数の肉塊が転がっていた。 そして、リビングの中央にはこちらに背を向けてしゃがみ込む東の姿が。
佐原 朱春
くちゃくちゃと、何かを咀嚼する音は東のいる所からしていたようだ。 そして、彼の足元には大きな血溜まりが。
佐原 朱春
俺の頭は、都合の悪い時だけまともに働くらしい。
でも、ちがう。そんなわけがない。そんな事を彼がするはずがない。 だって、だってだってだってだってだってだってそうだろう、そんな、そんなことを。彼が
ちがう。
ちがう?ちがうってなにが?何がどう違うというのだ?
だってこの血溜まりが、肉塊が、包丁が、東が表すことは
ちがう。
赤い、あかいアカイあかいアカイアカイあかいアカイアカイアカイ、血が、血が血が!!! 垂れてる、どこから?あずまから?あずまの足元?なに?わかんない?どこ?
くちゃくちゃっていう音は何なんだ?気持ち悪い、吐き気がする!
ちがう。
???
佐原 朱春
うめき声がしました。幼馴染の足元に誰かが倒れている事に気づきました。
ちがう?
その人は、身体が所々食べられてしまったかのように穴が空いていました。
皮膚がめくれて、赤い血肉が丸見えになっていました。
それはもう、人の形をしていません。
赤葉 東
俺の存在に気づいて振り返った東の顔には、口元に血がべったりと付いていた。
佐原 朱春
赤葉 東
恐ろしい現実を目の前に、気付いたら俺は玄関へと走り出していた。
リビングを出て、一目散に玄関に駆け出していく。 なんだかもう、全部がどうでもよくなった気分だった。とにかく逃げたくて仕方なかった。
赤葉 東
血でベタベタの廊下を走って、玄関のドアノブに手を伸ばす。
早く開けなければ。だって、後ろから彼の足音がするから。 追いつかれたら終わる。食われる、消される、あの人みたく肉塊になる。
佐原 朱春
赤葉 東
彼の小さな呟きが聞こえた、その時だった。
佐原 朱春
俺のちょうど真横を何かがすごい速さで横切って、玄関の壁に突き刺さる。
よく見てみると、それは先程リビングに落ちていた血のついた包丁だった。
佐原 朱春
壁に突き刺さった包丁を見て、驚いた思わずバランスを崩してしまった。 玄関の手前、廊下に尻餅をつくような形で座り込む。
佐原 朱春
赤葉 東
佐原 朱春
上の方から声が落ちてきて、思わず上を向くとこちらの顔を覗き込む東がいた。
その顔は未だ血のついたまま、薄っすら彼は微笑んでいる。 その表情を見て、俺は…
赤葉 東
佐原 朱春
赤葉 東
怖くて怖くて仕方なくて、追いつかれてしまった恐怖と絶望に押し潰されて。 まるで小さな子供みたいに、盛大に泣きじゃくった。
赤葉 東
佐原 朱春
さっきまで血まみれで笑いながら追ってきていた幼馴染は泣き出す俺を見て固まった。 それから焦ったように声を出して、泣く俺を何故か慰めようとする。
赤葉 東
赤葉 東
佐原 朱春
赤葉 東
全く持って説得力というものが無い。
バッチリ人を食べる所を見られているし、何なら口元だって未だ血まみれだ。 どっからどう見ても人を食うタイプの見た目をしている。
赤葉 東
泣き止まない俺の姿を見て、痺れを切らした東は俺をぎゅうっと抱きしめた。 俺はそれを何もできずに受け入れる。
赤葉 東
佐原 朱春
意味がわからない。何故に俺は抱きしめられているのか、なんで食べられていないのか。 疑問は沢山あるけれど、今の俺はただ人を食っていたはずの幼馴染に縋って泣いている。
しかも、ご丁寧に何回も名前を呼びながら。
赤葉 東
佐原 朱春
そんな風に泣く俺の顔を見つめていた東が、不意に顔を近づけてきた。
べろり、と生温かい舌が俺の頬に伝う涙を舐め取った。
佐原 朱春
赤葉 東
そんな事をされても、俺はもう抵抗する気すら起きなかった。
俺の背中を東が優しく撫でる。その手の感覚はやっぱり昔から何も変わっていない。 やっぱり、目の前の血まみれの少年は自分の幼馴染なのだと分かった。
人を食べたのも、今俺を抱きしめているのも、本物の東なのだ。
佐原 朱春
赤葉 東
沢山聞かなきゃいけないこともある。ある、けれど。
今はもう怖くて悲しくて、何もかもわからなくって、ただ泣いていた。