お兄ちゃん🍣🐤

目が覚めてすぐにドアップで映る兄の顔

2歳年上で“普段は”りうらに甘く優しい兄だ

静かに目を閉じ、期待する表情をする兄にキスをする

“おはようのキス”

これは兄が決めたルール

これをしないと最低でも今日1日はりうらの側を離れないだろう。

ベッドに押し倒され、兄の好きなように身体中にキスされる。

兄が満足するとようやく解放された

りうらたちの親はいない

りうらの高校入学と共に帰ってこなくなった

りうらたちが嫌になって出て行ったのか、お兄ちゃんに追い出されたか殺されたか…

今っとなってはもうわからないしどうでもいい。

親がいないからこそ、兄は好き勝手できるのだ

お兄ちゃんはりうらを外に出さない

前までは、兄同伴なら外に出ることができていたのだが1回脱走を試みてから同伴でもダメと言われるようになった

外に出してもらえなくなった時に退学届でも出したのだろうか、

担任から連絡が来るなんてことはなかった。

逃げ出さないのか、と思うかもしれない

今許されてるのは家の中を自由に歩き回ることのみ。

脱走計画がまたバレたら、今度はどこかの部屋に閉じ込められそこから出してもらえなくなるかもしれない。

せめて家の中での自由だけでも死守すべく、この現状を軽んじて受け入れるしかないのだ。

とうとう夜が来てしまった

普段は優しい兄は夜になると豹変する

縛られるのは好きじゃない

兄とのキスも行為も苦痛でしかない

けど反抗しても意味がないから諦めた

諦めてしまうのが1番楽だから

兄の目はまるで狂犬のよう

今日も今日とて兄の狂った愛を受け止める

きっと何十年先の未来でもそれは変わらない

end