テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
橙さん…そんな過去があったんだね… 緑さんの存在に救われてるだろうな
その日の猫カフェは、いつもより静かだった。
猫たちはのんびりと丸くなり、店内のBGMも、なぜか心に染みるような音ばかり。
橙は、注文したチョコレートタルトにフォークを差しながらぽつりと呟いた。
橙 。
緑 。
橙 。
橙 。
彼女の目は真剣だった。
普段見せる強がりも、照れもなく、真っ直ぐに俺を見ていた。
緑 。
その答えに、橙は小さくうなずいた。
橙 。
彼女の声は少し震えていたけれど、言葉ははっきりしていた。
橙 。
橙 。
話の始まりは、穏やかだった。
でもすぐに、その"穏やか"は崩れ始める。
橙 。
橙 。
緑 。
橙 。
橙 。
橙 。
橙の指が、タルトの皿の端をいじる。
橙 。
橙 。
俺は言葉を飲み込んだ。
ただ彼女の話を、最後までちゃんと聞きたかった。
橙 。
橙 。
緑 。
俺はそう言って、そっとテーブルの下で彼女の手に触れた。
緑 。
緑 。
緑 。
一瞬、彼女の肩が小さく震えた。
橙 。
緑 。
緑 。
その言葉に、橙はほんの少しだけ目を伏せた。
涙は流れなかった。
でも、その静かな瞳に宿ったものは_たぶん、心の奥にずっと閉じ込めていた"孤独"だった。
それを俺が少しでも受け止められたなら。
そう願いながら、俺は彼女の手をそっと握り続けた。