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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

酷く蒸し暑い夏、

天使は死んだ。

とある少女にお願いをして

彼女は醜く朽ちていった

これは、天使に託された少女が、幸せを届ける物語。

第一話 『 誰かの天使が堕ちた日。 』

バサッ

…………………ああ、最悪だ

白髪青目の謎の少女。

彼女の名は來(らい)。

とある天使に創られた、要らない少女である。

さて、突然だが………

さっき、彼女は何故「最悪だ」と言葉を溢したのだろうか。

答えは簡単。

“天使の罪を背負わされたから”だ

彼女、來を創り出した天使………“朱想(しゅそ)”とは

それはもうお人好しで、馬鹿な天使であった。

困っている人は無視出来ず、どうしても救ってしまう…………

そのせいで自分の魂を削っていることに気付かずに、朱想はずっとそんな生活を続けていたのだ。

だから、朱想は堕ちた。

自分の本当にやりたい事に気付かずに、人生を終えた。

………本当に馬鹿な天使だ

最期まで、朱想はお人好しのままで

來を創り出し、紙切れを渡して

「ごめんなさい、頼んだよ」

そう言い残して、堕ちてしまった。

そこからはもう大忙し。

朱想のこれまでの記憶が、全て來の物となる。

妖精、AI、悪魔、人間………

名前が、性別が、年齢が

趣味が、特技が、好物が

家族構成が、頭脳が、人間関係が

細かい情報も全て、來の脳に送り込まれて行く。

勿論、激しい痛みと共に。

割れるような頭痛に5分ほど耐えても、記憶はずっと送り込まれてくるし、頭痛は止まらない。

………遂に気絶した來が、次に目を覚ましたのは三日後だった。

目を覚ますと、たくさんの記憶が頭の中でぐるぐると廻っている気がしたが…

気持ち悪く感じながらも、机に置かれた紙切れを手に取る。

………『天使ちゃんのやり残したことリスト』?

………ああ、馬鹿馬鹿しい

こんな事をして、何の良いことがあるのか。

内心そう思っていたが、創ってくれた朱想には逆らいたくない。

…………仕方ない。これは運命なんだ。

どうせ、いつかはこうなる運命だったのだろう?

なあ、朱想よ

そう、語りかけるように來は呟いた

もう二度と会えないことは分かっているのに。

……まあどうでも良いか

この日から、來の、“やり残したリスト”を埋める旅が始まった__

続く

蜘蛛の呪いはまだ解けない

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