序章
私が生きてきた年月の中で私は 誰にも愛されてこなかった
誰かに愛されたくて愛して欲しくて 私は誰かを愛してきた。
愛を与えれば愛してくれると、 そう信じていた。
でも、愛を返してくれる人は 一人もいなかった。
父も母も兄も、私が好きだった人も
私のことを見てくれなかった。
凪(幼少期)
夜遅くに泣きながら外を歩くなんて 日常茶飯事で
凪(幼少期)
どれだけ叫んでも誰も助けてくれなかった
辛い、苦しい
そう思っても、もう言葉にはならなかった
??(幼少期)
凪(幼少期)
言い方は強いけど優しさが滲み出ているその人は私に声をかけた
当時小6だった兄と同じぐらいの背丈の人
??(幼少期)
その人は私の手を引っ張って道を折り返した
普通だったら「どこから来たのか」とか 「なんでこんな時間に歩いているのか」とか聞くだろうけど
その人は黙って私の手を握って歩くだけだった
よく考えればなんで彼もこんな時間に外を歩いていたのだろうか...。
凪(幼少期)
でも当時の私にはそんな事考えられる余裕なんてなくて
ただ、その暖かい手を握り返すことしか出来なかった。