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序章

私が生きてきた年月の中で私は 誰にも愛されてこなかった

誰かに愛されたくて愛して欲しくて 私は誰かを愛してきた。

愛を与えれば愛してくれると、 そう信じていた。

でも、愛を返してくれる人は 一人もいなかった。

父も母も兄も、私が好きだった人も

私のことを見てくれなかった。

凪(幼少期)

うわぁーん

夜遅くに泣きながら外を歩くなんて 日常茶飯事で

凪(幼少期)

痛いよぉ、助けてよぉ...

どれだけ叫んでも誰も助けてくれなかった

辛い、苦しい

そう思っても、もう言葉にはならなかった

??(幼少期)

なんで、そんなに泣いてんだよ

凪(幼少期)

え...?

言い方は強いけど優しさが滲み出ているその人は私に声をかけた

当時小6だった兄と同じぐらいの背丈の人

??(幼少期)

ほら、行くぞ

その人は私の手を引っ張って道を折り返した

普通だったら「どこから来たのか」とか 「なんでこんな時間に歩いているのか」とか聞くだろうけど

その人は黙って私の手を握って歩くだけだった

よく考えればなんで彼もこんな時間に外を歩いていたのだろうか...。

凪(幼少期)

...ありがとう

でも当時の私にはそんな事考えられる余裕なんてなくて

ただ、その暖かい手を握り返すことしか出来なかった。

この愛は返信不要です!

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