もう１人の弟

らんらんを寝かせた後、持ってきた荷物を漁っていた

らんらんってのは先程思いついたのだが…

ぼろぼろな小さいリュックに隙間ができる程少ない荷物

本当に最低限の物しか入っていなかった

着替えが一着と絆創膏が少し

他に目立つものは大して入っていなかった

リュックの小さいポケットに何やら封筒が入っている

そこには学校関連の書類、保護者証、家の鍵等が入っていた

鍵はらんくんの家のものだろうか

ますます怪しくなってきたぞ……

俺は咄嗟に後ろに隠した

変に事を荒立てても不安が高まるだけだろう

そこには体操座りをし、自身の膝に顔を埋めるらんらんが居た

階段の途中で俺の服を小さく握ってきた

可愛いなぁ…

がちゃ

そう言って水を少しかけてみる

ちゃぷ……

そう言って少し身体を沈める

〜〜〜〜〜！！

〜〜〜〜〜………

先程本人から聞いたが、今小学校は風邪が流行っていて閉鎖中

２週間程休みらしい

母達が帰って来ると言っていたのは１週間後

休みが終わる前にらんらんは帰ってしまうということ

ただ、少し気掛かりなことがある

母の異様に多い荷物

服や、化粧道具、自分の持ち物をほとんど抱えて出て行った

もう帰る気が無いんじゃないかと思う程……

それから何とか異常なく食事を済ませて、寝ることになった

次こそはといるま君となっちゃんが張り切って居たが

らんらんは涙目になりながら拒否…

結果、２人きりでは怖いだろう、と 俺とすち君の２人と寝ることになった

優しく包み込むように抱き締めておやすみ、と呟くと

少しの間を置いて小さく寝息が聞こえてきた

そういってらんらんと一緒に寝息を立て始めた

２人を起こさないよう、布団を掛け直し目を閉じた

小さくすすり泣く声で目が覚める

大丈夫だとでも言いたげに首を振る

そうやって声を押し殺して泣き始める

寝起きでぼけている頭を必死に動かし、声を掛ける

そのまま俺は眠気に勝てず、そっと目を閉じた

……らんらんが俺に抱き着いている…

その後ろにすちが

起きられない…

平日ならもう起きている時間

すると、扉の向こうから足音が聞こえてきた

がちゃっ…