暇72
白い廊下。 それは少し前に見たのと同じ。
暇72
覚悟はもう決まっていた。
家に帰ること。
それはみんなとの思い出の一つであった。
そしてそれは、
俺の死への第一歩でもあった。
暇72
なんてほざいたり。
今を生きる人間ってのは、 死を間近に思っていない。
こうやって、もうすぐ死ぬ俺でも 本当にいつ死ぬかなんてわからない。
もしかしたら明日、 死ぬかもしれない。
意外に余命があっても、 少しくらい長く生きれるかもしれない
人間に課された試練
“死”
それは見えない恐怖でもある。
暇72
今はこんなに元気であっても、
いつ死ぬかはわからないんだから
病態が変に悪化して すぐ死ぬかも。
だからこそ。
暇72
暇72
暇72
医者
暇72
迎えには、 すち以外に運転免許を持った LANが来た。
LANは先生に向かって 『またお世話になります』 と柄にも合わないことを言って 俺の手を引いた。
現在6時24分。
予定よりも少し遅れていた。
暇72
らんは車を走らす
赤い夕日が俺らを照らす。
LAN
LAN
そうやって、少し視力の悪い目を凝らして俺に 『なつ、あれなんて書いてあんの?』 と聞く彼を見て、 俺はなんとも兄貴に見えない兄貴だ とつい吹き出した。
暇72
…よかったんだ。これで。
俺とLANは本当の兄弟だった。
そう、兄弟であった。
俺が2歳、LANが4歳の頃。
両親は離婚した。
俺らは別々になった。
別々の家族に 引き渡された。
苗字も変わった。
俺は母に連れられた。 櫻田、と言う苗字は捨てた。
…その後は真っ暗だった。
母親は売春に出た。
義父は事故で死んだ。
俺は家を出た。
すれば今の主さん。 そう、“黒音 祐”に拾われた。
そうすれば何故か、LANに出会った。
再会した。
なんかわからんけど、 俺の本当の父は祐さんの親友で
どうも生活が苦しく LANを大きく育てるには、 何もできなかったらしい。
泣く泣く説得して、らんはここに 引き渡された。
父親はごめんな、と何回も言って LANを抱きしめていたらしい。
その後の父は?と言うと。
自殺して、すでにもう海の泡となったらしい。
暇72
そういえば、らんはちっさく笑って
LAN
LAN
LAN
らんはまっすぐ夕日の沈む方を向いていた。
それでいて、その笑顔は、 絵に描いたように綺麗だった。
暇72
暇72
コメント
5件
兄弟なんだ!!! いいお兄ちゃんといい弟だなぁ なんかほのぼの??してていいわぁ、、すゆちの作品毎回神だわ
らんくんとなつくんは兄弟なんですね。 なつくんいい兄貴を持っていて羨ましいですね。 こんないい作品を作ってくださってありがとうございます!!