何時間馬車に揺られただろう……
ソフラが目を覚ますと広大な緑の草原にそこには似つかわしくない城が建っていた
ソフラ
ここは……
アルト
あぁ起きたか
アルト
あれが俺達が暮らす城だ
ソフラ
そう言えば私はあのお城でなにをすればいいの?
アルト
そうだな
アルト
まずその下町訛りを治さなくてはな。
アルト
それから伯爵夫人にもなると、ダンスやマナーの勉強も
アルト
とりあえず次のシーズンまでには全て完璧にしておけ
ソフラ
はぁっ!
ソフラ
次のシーズンっていつよ
アルト
そうだな確か1ヶ月後くらいだったか……
ソフラ
ふざけないで
ソフラ
どれだけ大変か分かってるの?
アルト
まぁそう怒るな
アルト
シーズンでは1曲踊るだけだし、なるべくお前に話が振られないようにする。次のシーズンは常識的なマナーを身につけておけば何とかなる
ソフラ
はぁ、良かった
アルト
まぁどうにせよ以上のことは全て覚えてもらうが
ソフラ
えぇ!!
ソフラ
ここがアルの住んでいるところ……
アルト
?
アルト
あぁそうだが
アルト
どうした
ソフラ
いや、まさか人殺しの犯人がこんな豪邸に住んでいるなんて驚きで
ルア
お帰りなさいませアルト様
アルと話していると燕尾服を着た男性がこちらに向かってきた
アルト
あぁただいま
ルア
アルト様そちらの女性は?
アルト
ん?いや下町で見つけた女でな俺の妻になる
ソフラ
ちょっ、仮のでしょ
ソフラ
どうもアルト様の仮の妻になるソフラ・テラと申します
アルト
ほぉお前のアフトネームはテラか、
ソフラ
そうよ。言ってなかったかしら
ソフラ
で、アルそちらは?
アルト
俺の執事だ
ルア
どうもこの家の執事をしています。ルア・ウィズリーです。いらっしゃいませ、ソフラ様。
ソフラ
あっ、よろしく……お願いします。ウィズリーさん
ルア
敬称はいりません
ルア
どうぞファストネームでお呼び下さい
ソフラ
分かりました。ルア
アルト
さぁお互いの自己紹介も終わったことだし、改めてようこそソフィー
ルア
これからよろしくお願いします
使用人達
よろしくお願いします
アルとルアとの話に夢中になっていたソフラはいつの間にか集まっていた使用人達の歓迎にビックリした
ソフラ
わぁ、こんなに沢山の人達がこの家に……
アルト
そうだ、これでお前も寂しくは無いだろう
アルト
お前は今日からこの家の主の妻だ。家の事はお前に任せる。よろしく頼むよ
ソフラ
うっ、分かったわ
アルト
さてじゃぁ今夜は歓迎会と行こう
使用人達
はいっ!
アルト
ソフィー、歓迎会が終わったら俺の部屋へ来い、今日は俺達にとって初めての夜となるだろう。
ソフラ
絶対に行きません!
アルト
ハハハ
アルト
なんだ連れないやつだな。冗談だよ
アルト
さてパーティーの準備が出来るまでお前はこの城を探検して来い
アルト
おい、ルア案内してやれ
ルア
はい。
ソフラ
アルは?
アルト
俺は仕事が溜まっている。2人でまわってくれ
ソフラの今の気持ちは孤独から解放された嬉しさと、これから伯爵夫人として生きなければならない恐ろしさでなんとも微妙な気持ちだった