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投稿頻度高くて嬉しいです…!!いつも続き楽しみに待ってます♪
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
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第7話『覚えてない君へ』
沈黙の中に、微かに機械の音が響いている。
ベッドの上で目を開いたらんは、ただ静かに、天井を見つめていた。
その瞳には、戸惑いと――わずかな恐れ。
みこと
床に膝をついたままのみことが、震える声で尋ねる。
まるで、何かの冗談であってほしいと願うように。
けれど、らんは、首をわずかに横に振った。
らん
らん
“さん”付けの言葉が、距離を物語っていた。
病室のドアが、そっとノックされたのは、そのときだった。
いるま
聞きなれた、低く静かな声。
ドアの向こうから現れたのは、いるまだった。
その後ろには、なつ・こさめ・すちの姿もあった。
みこと
みことが立ち上がり、顔を拭う。
らんの視線が、次々と入ってくる知らない顔に向けられた。
らん
らん
空気が、一瞬、止まった。
けれど、次の瞬間、なつがふわりと笑って言う。
なつ
なつ
すち
すちが、力なく笑う。
こさめ
こさめ
こさめが、少しだけ涙を堪えるように、微笑んだ。
いるまは、病室の入り口に立ったまま、無言だった。
けれど、その瞳の奥には、複雑な想いが揺れていた。
らん
らんが、おそるおそる聞く。
その問いに、みことが小さく頷く。
みこと
みこと
みこと
静かに、でもまっすぐに。
みことの言葉に、他の4人も、力強く頷いた。
らんはしばらく黙っていたが、やがて、小さく口を開いた。
らん
らん
こさめ
こさめが、そっと声をかける。
すち
すち
すちが笑う。
なつ
なつも、静かに頷く。
その言葉に、少しだけ、らんの表情が緩んだ。
らん
みこと
みことが少しだけ、笑った。
らん
らん
みこと
みことが即座に言い直した。
みこと
みこと
みこと
――そして。
夕方近く、面会時間が終わる頃。
みんなが帰り支度をはじめたとき、らんがぽつりと言った。
らん
それは、まるで“はじめて友達を作ろうとする誰か”のような、どこか頼りなくて、でも必死な声だった。
みこと
みことがすぐに答えた。
みこと
みこと
すち
すちが笑って言う。
こさめ
こさめ
こさめが、静かに言った。
なつ
なつが、笑いながら続けた。
いるま
最後に、いるまが、ようやく言葉を発した。
そう言って、5人は病室を後にした。
残されたらんは、しばらく天井を見つめたあと、自分の手のひらをじっと見つめる。
らん
記憶は戻らない。
けれど、名前は少しずつ、心に馴染んでいく。
それは、たしかに何かが始まり直した、4月22日の夜だった。
第7話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡80
rara🎼
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