ご利益あります！

恋がしたい

同い年の皆は恋をして

彼氏ができているって言うのに

仲間だと思っていた友人まで

とうとう彼氏ができてしまった

ということで

近所の縁結びの神社を訪れてみた

もう、神頼みしかできないんだ

また、恋に悩む女性が来た

どうやら私が見えるようだった

気づくと目の前に男性が立っていた

貴方みたいなインテリ眼鏡じゃない

そう言うと不機嫌そうな顔をした

まさかこの私を知らない人がいるとは…

なんだか馬鹿にされたようで腹が立ってきた

この無礼な少女に

私の偉大さを教えてあげましょう

面倒くさいことになったなあ…

人間にも見えるようにしたし

これで完璧だ

神社から出たことのない私にとって

見るもの全てが新しかった

少女は、その建物に吸い込まれていった

半分に割り、片方を彼に渡した

彼氏じゃないけど

驚いた表情をしたあと

と柔らかく微笑んだ

その笑顔に少しときめいてしまった

まだまだ振り回されるようだ

つい見栄を張った

彼氏が喜ぶ

その言葉に、ミコトさんのあの笑顔を思い出してしまった

校門に立っていた

悲鳴が聞こえる

こんな場所で何をするんだか

バスケットゴールにボールをいれると

人形が貰えるというものだった

結果はというと

一発で決めた友人の彼氏

対するミコトさんは

面白いぐらいに外しまくった

私の失態を

受け止め笑ってくれた

その姿に目が離せない

じぇっとこーすたーなるものに乗り

たくさんの初体験をした

彼女は私に新しい世界を沢山見せてくれた

返事がない

それと同時に左肩に重みがのしかかる

とは言いつつも離そうとは思えなかった

寝ている彼女の頬をそっと撫でた

ぬいぐるみを持つ少年

そういえば友人の彼氏も

さっきのばすけっとごーるで貰っていた

もしかして紗良は

あのぬいぐるみが欲しかったのかもしれない

名残惜しいが

彼女を肩から離し

私は立ち上がった

気づくと周りに人だかりが

横たわって爆睡していたらしい

横にいない

完全においていきやがった

私も帰ろうかと思ったが

という声が気になり

バスケットゴールに行くことにした

ずっとバスケをしていたのは

ミコトさんだった

その瞬間

ゴールに入った

ぬいぐるみを渡される

別に欲しかったわけではない

ただの彼氏対決だったのに

ふんわりと微笑んだ

俺様じゃないし

リードもしてくれない

運動音痴で

全くタイプじゃない

けれど

そっと抱き締められる

私は困惑した

不安そうな表情の彼

私は彼の頬をムニっと掴んだ

ご利益のある神社で

今日も彼と肉まんを食べる