屋上
慌てて走ってきて息切れしたままその場に座り込む。誰もいない屋上で心を落ち着かせようと思った。
飛来 光
さっきの出来事を思い出しながら空を静かに見つめる。あんな近くに空乃さんが…。俺の心臓はまだドキドキしていた。
緊張した……ってあれ?よく考えたら俺…
驚きすぎて空乃さんと会話してない…!
会話してないというより、そのまま急に叫んで走り出したんだった…だいぶやばいことしてるじゃん
飛来 光
空乃さんへの罪悪感と自分の行動に対しての後悔が胸を締め付ける。
だからといって今から謝罪に行くのも気まずいしなぁ…
二限開始のチャイムはもう既に鳴っており、教室に戻るのは厳しそうだ。
飛来 光
不安定な気持ちになりながら、体調不良ということにしてこの日は帰った。
昼前 帰宅
無事学校から帰る許可を貰えたのに、帰り道は気分が上がるものでは無かった。
どうしてもさっきの出来事が頭から離れない。自分が悪いのは承知しているが、どう行動したらいいのか分からない。
気晴らしに溜め録りしてあった動画の編集でもしよう、とパソコンの前に座りキーボードに手を伸ばした。
カタカタカタ…というタイピング音だけが部屋に響き渡る。作業は楽しいが、頭の隅にはずっと先程の記憶が残っていた。
夕方
気が付いたら窓の隙間からオレンジ色の光が部屋を照らしていた。編集に熱中していて長い時間が過ぎていたようだ。
飛来 光
達成感とともに編集は無事終わった。せっかくならもうアップしてしまおうと思い、完成したての動画を投稿した。
普段は夜に投稿するはずだが、今日は気分的にすぐ上げたくなってしまった。このお陰で少しは気を紛らわすことが出来たようだ。
身体が疲れを感じていたからか、その後すぐにベッドに身体を放り投げた。
枕に顔を疼くめ、真っ暗な視界の中今の悩みに対して再び目を向ける。
飛来 光
意味もわからず逃げてしまった罪悪感に覆われて、謝罪したい気持ちが強くなる。
飛来 光
自信の無い自分の気持ちが溢れ出す。その後も長時間悩みに悩み、そのまま眠りについてしまった。
カーテンの隙間から朝日が差し込んできて俺は目を覚ました。
飛来 光
昨日は考え事をしたまま眠ってしまったようだ… でも、もうぐるぐると悩む時間もない。
どういう結果になるかなんて分かんないけど、話しかけてみないと状況は変わんないもんな
昨日の不安定な自分をかき消すように身体を起こす。そんな俺の瞳には覚悟を決めたような光が宿っていた。
飛来 光
決意した俺はベッドから立ち上がり、不安な気持ちを紛らわすように身支度へと取り掛かった。
コメント
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初コメ失礼します!いつも楽しく読ませていただいてます✨これからも頑張ってください!応援してます💗