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学校 着
人少ない静かな教室。まだ彼女が来ていないことを確認して安心したように荷物を下ろした。
いつもは寝坊してばかりだが、今日は話しかけやすいように早めに教室に来てみたのだ。
慣れない物静かな教室に落ち着かず、ポケットからスマホを取りだした。
次の配信ゲームなににしようかなーーなんて考えながら、空乃さんを待つことにした。
教室が生徒の話し声で騒がしくなってきた。もうそろそろかと思い、スマホを置き教室の入口を彼女が来ないか眺めていた。
……しかし、彼女は来なかった。
もうとっくに時計の針は8時半を過ぎていた。一限目のチャイムが鳴り始める。辺りは賑やかな教室が映るが、俺の隣の席は静かだった。
飛来 光
空乃さん...来ないかな
そんなことを考えながら窓際を眺める。もちろん授業など頭に入ってこず、空乃さんのことばかり考えてしまう。
気がつけば関係ないことまで彼女と結びつけてしまうようになっていた。
この授業、前空乃さんが好きって言ってたな...
空乃さんがいたらもっと楽しいのかな...
って。
無意識に彼女で頭がいっぱいになっていたのを俺は気がついていない。
それでも、彼女がいない学校は何故かあまり楽しく感じられなかった。
放課後
結局今日は授業に集中出来ず、彼女のことばかり考えてしまっていた。
遅刻で来るかな、何かあったのかな、そんな思考でそわそわしていた。…が
放課後まで経っても彼女に会うことは出来ず、一日が終わった。
俺は混沌とした心を落ち着かせるためにも、足早に自分の家に帰ることにした。
いつもならゲームのことを考えて胸を弾ませる帰り道も、今日は前向きな気分になれなかった。
今日は短いようで長い一日だったな...
帰宅すると俺は無意識にベッドに倒れ込んだ。
飛来 光
無意識に彼女の名前が零れる。もしかしたら昨日、俺があんな行動したから...?
自分のせいで学校に来なかった、と考えるだけで胸の奥が痛くなる。
やるせない状況に俺はただ罪悪感でいっぱいになり、心の中で謝罪することしか出来なかった。
明日は来ますように...
今日はパソコンと向き合うことなく、ただそう願って眠りについた。