テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE１２４８

第1話 - あ

2023年10月19日

#スカッと

タナカトシキ

ケイ

ミカ、テストどうだった？

ミカ

う～ん...微妙だなぁ...

ミカ

ちゃんと勉強はしたつもりだったんだけど...

ミカ

もう少し点数取りたかったかな

ミカ

まあ、取りあえずは終わったからいいけど

ミカ

何とか単位も取れそうだからオッケーかな

ミカ

そういうケイは？

ミカ

どうだったの？

ケイ

俺も、単位は取れそうだよ

ケイ

それでさ、夏休み、どうする？

ケイ

今年は付き合ってから初めての夏休みだし...海でも行かない？

ミカ

え？海行くの？

ケイ

え？何で？

ケイ

イヤな名の？

ミカ

うん、嫌だよ...

ミカ

ケンタみたいなポッチャリ体型の隣なんて歩きたくないもん

ケイ

は？そんなこと言うなよ

ケイ

それに、俺そこまでポッチャリじゃないけど？

ミカ

ポッチャリじゃん...それに、私が、知らないとでも思ってる？

ケイ

え？何が？

ミカ

ケイ、昔すごい太ってたんでしょ

ミカ

友達にケイと同じ中学だった子がいて、付き合ってから３か月目くらいに卒アル見せてもらったの

ミカ

なんで今まで私に隠してたの？

ミカ

前に、昔の写真のフォルダ見ようとしたら拒んだことあったよね？

ケイ

いや、別に拒んだわけじゃないよ

ケイ

ミカだって、自分の嫌な過去は見せたくないだろ

ケイ

それがたとえ恋人だとしても

ミカ

私は見せるよ

ミカ

だって、好きな相手だったら全部知ってもらおうと思うもん

ミカ

ケイは、私のことそこまで好きじゃないの？

ケイ

そういうことじゃなくて...

ケイ

俺は今の体型にそこまで問題があると思ってないし

ミカ

海とカ、プールに行くんだったら私が望む体型になってよね

ケイ

なんだよ？望む体型、って

ミカ

私、筋肉ついた細マッチョが好みなの

ミカ

ケイは見た目体格よかったし、まあまあ筋肉あるのかな、って思ってたけど...

ミカ

なんかそこまでじゃなかったね

ミカ

残念だった

ケイ

なんだよ、その言い方

ケイ

じゃあ、どうして俺が「好き」って言った時に付き合う、って言ってくれたんだよ

ミカ

体格と、顔がよかったからだよ

ケイ

それだけ？

ケイ

大学のグループワークで一緒になったことあぅたじゃん

ケイ

そこで少し話したりもしたけど、その時はどう思ったわけ？

ミカ

え？別に、特に何も思わなかったけど...？

ミカ

何？内面が良いから、とかなんとか言ってほしかったわけ？

ケイ

そういうことを言ってるんじゃないけど...

ケイ

もう、いいや

ケイ

なんか俺だけ夏休みの計画に浮かれて、バカみたいだな

ケイ

ミカがそんなに冷めてたなんて、気づかなかった俺があほらしいよ

ケイ

もう、別れよ

ミカ

分かった

ミカ

まあ、ちょうどいいよね

ミカ

お互いに納得して別れられるし

ミカ

じゃあね

～5日後～

ミカ

ケイ、ちょっとお願いがあるんだけど...

ケイ

まさか、今日授業前に放してたこと、俺に頼むんじゃないだろうな？

ミカ

え？あ、もしかして聞こえちゃってた？

ミカ

合コンの話

ケイ

あんな大きな声で話してたら。2列後ろの俺に余裕で聞こえんだろ

ミカ

まあ、それもそうだよね

ミカ

じゃあ、詳細を話すとね

ミカ

来週、私と友達入れた女子4人で海行きたいね、って話してるんだ

ミカ

みんな彼氏なして、夏休み中に彼氏作ること目的にしてるんだよね

ミカ

それで、できるだけ大人数の男女で行けば楽しいよね、ってなってさ

ミカ

お互いに仲の良い女、男友達誘って海に行く計画してるの

ミカ

それで、ケイにも友達誘ってきてほしいな～って

ケイ

そんなこと、よく元カレに頼めるよな

ミカ

別に、ケイはもう私のことなんとも思ってないでしょ？

ミカ

いいじゃん、別に

ミカ

それに、ケイだって彼女作れるチャンスだよ？

ケイ

そういうことじゃなくて！

ケイ

ちょっとは俺の気持ち、考えてくれよ

ミカ

え？どんな気持ち？

ケイ

どんな、って...

ケイ

元カノがいる中で新しい彼女探すなんて、そんなことできないだろ

ミカ

別に、私のことは気にしてくれなくていいから

ミカ

新しい彼女探しに専念してくれたらいいよ？

ケイ

ほんと、ミカってそんなに性格ブスだったんだな

ケイ

なんでこんなヤツと俺、付き合ったんだろうな

ミカ

私も、選ぶ相手間違えたな～

ミカ

私の要望受けてくれない人と付き合うんじゃなかった

ケイ

彼氏だからって、何でも受け入れてくれると思うなよ

ミカ

でも、体型のことくらいは気にしてよ

ミカ

私がケイの食生活を気にしてたのは、体型のことを気にしてたからなんだけど？

ミカ

ファーストフード食べる頻度が多いから、筋肉もなかなかつかないんじゃないの？

ケイ

俺の体型とか、食生活にまで口出しするなよ

ケイ

いちいち、俺の食べるもの確認してきて、うんざりだったんだよ

ケイ

そんなんじゃ、新しい彼氏もゲットできないと思うけど？

ミカ

ケイにそんなこと口出しされる筋合いないから

ミカ

絶対にケイよりいい男、自分の力で見つけられるもん

ケイ

ふーん

ケイ

自己中なミカに、見つけられるかよ

ケイ

俺がファーストフード食べる時は何か言ってきたのに、自分は別に我慢しないじゃん

ミカ

私はケイほど頻度多くないし

ケイ

そうか？

ケイ

週2で食べてたじゃん

ケイ

俺もだいたいそれぐらいだったんだけど？

ミカ

ケイは運動も、筋トレもしてないから太ってくんでしょ

ミカ

女子は月に一度の生理もあるし、食欲がいつもより増える時期があるの

ミカ

それに、筋肉もつきにくい体なんだよ

ミカ

だから、私は食生活で縛りがけ過ぎると、ストレスが溜まっちゃうの

ケイ

そんな筋の通ってない説明、理解できないんだけど

ミカ

これが理解できなくても良いから、とにかく男友達集めるのに協力してよ

ミカ

イケメンの友達、ケイの友達の中にいるじゃん

ミカ

サッカーサークルに入ってる友達、沢山いるでしょ？

ケイ

ほとんどが彼女持ちだし、いないやつでも、女子に興味ないやつばかりだから

ケイ

みんな来ないと思うよ

ミカ

ほんと、使えないな...

ケイ

は！？

ケイ

使えない、って...俺のこと道具みたいに言うなよ

ミカ

もういいよ、他の人に頼むから

ミカ

1人で寂しい夏休みでも、過ごしたらいいじゃん

～夏休み明け～

ミカ

ケイ、文化祭のミスコンに応募したって、本当なの？

ケイ

うん、したけど？

ミカ

え、マジなんだ...

ミカ

っていうか、最近学校来てなくない？

ケイ

え？ちゃんと出てるけど？

ケイ

たぶん、ミカと被ってる授業一が一個もないからじゃない？

ミカ

あーそういうことか

ミカ

ビックリしちゃったよ

ミカ

ケイがミスコンに応募なんてさ

ミカ

1次審査で落ちるのが確実でしょ

ケイ

そんなの、まだ分からないだろ

ケイ

俺だって本気で優勝狙ってるんだ

ミカ

え？マジ！？

ミカ

受かりっこないのに～

ミカ

頑張るんだね

ケイ

絶対に、受かって見せるから

ミカ

え～楽しみだな

ミカ

誰が優勝するのか

～2週間後の文化祭～

ミカ

ねえ、ケイの名前がミスコンの優勝者の名前に上がってたんだけど...

ミカ

嘘だよね？

ミカ

全然顔違ったし

ケイ

え？俺が優勝したけど？

ミカ

え！？ウソでしょ！？

ミカ

だって、全然体格も違って細マッチョで...

ミカ

全然夏休み前のケイとは大違いだったじゃん

ケイ

ミカが夏休み中に遊んでる間、俺は筋力トレーニングとか、

ケイ

食事制限とか頑張ってなんとか減量できたんだよ

ケイ

それで、筋肉量も増えて理想の体型になれたんだよな

ミカ

何それ...

ミカ

私にはあれだけ痩せる気なんてない、って言ってたじゃん

ケイ

ミカに言われて、悔しくなって痩せたんだよ

ケイ

このままじゃ、俺本当にミカより良い彼女ゲットできないかな、って思ったし

ミカ

へーそうなんだ

ミカ

でも、ミスコンに優勝したくらいでそんなすぐには彼女なんてできないでしょ（笑）

ケイ

いや、ミスコンの影響どころか、

ケイ

俺、夏休み中に新しい彼女できたんだよ

ミカ

え！？そうなの？

ミカ

そんなこと、一言も聞いてないんだけど

ケイ

なんで、ミカに言う必要があるんだよ

ケイ

別に、もう別れたんだから関係なくね？

ミカ

まあ、そうだけど...

ミカ

そんな痩せるんだったら、私と付き合ってた頃にやってくれてたらよかったじゃん

ケイ

は？何様だよ

ケイ

俺はミカのわがままと無理な押し付けに疲れて別れたんだよ

ケイ

新しい彼女は、俺に協力的だったし、サポートも十分にしてくれた

ケイ

でも、ミカはただ周りの目を気にするだけで、全然気になんてかけてくれなかったじゃん

ミカ

頼んでくれたら、私だって協力したよ

ミカ

一緒にジムに通うことだってできたし、頼んでこなかったケイが悪いんでしょ？

ケイ

ほら、またすぐにそうやって俺の方に責任転換するじゃん

ケイ

そういうところが嫌だったんだよ、俺は

ケイ

今の彼女は栄養学部に通ってて、しっかり栄養面で俺のことサポートしてくれた

ケイ

ミカみたいな見た目を気にするような人じゃないし、良い人に会えたよ

ミカ

私だって、ケイより良い人に最近会えて、いい感じなんだから！

ケイ

あーちょっと噂になってるよね

ケイ

ミスコンでも3位だった人でしょ

ミカ

やっぱり、もうすでに知ってる？

ミカ

私が付き合う人はミスコンに出るくらいカッコいい彼氏ばっかりだんだよね～

ミカ

だから、学校中の人が知ってると思うよ

ケイ

じゃあ、これも知ってんの？

ケイ

「他大学に5人の彼女がいる」ってことも

ミカ

え！？何それ？

ケイ

あ、それは知らないんだ

ケイ

いや、俺も最近知ったんだけどさ

ケイ

色んな大学で女の子とお試し期間みたいにして付き合ってて、

ケイ

それで一番気に入った子と、最後に付き合う、って決めてるらしいよ

ミカ

あっ、でも確かに「付き合って」とは言われてないかも...

ミカ

私から告白して、なんとなく彼氏と彼女の関係になった気がしてたけど...

ミカ

違ったのかな...

ケイ

まあ、そういうことじゃない？

ケイ

そんな都合の悪いことは伏せられるなんて、ミカもとことんついてないよな

ミカ

うるさい！

ミカ

ケイこそ、ケイの過去をその今カノに知られたら嫌われるんじゃないの？

ミカ

フラれるシチュエーションが想像できるもん

ケイ

あーそれに関しては大丈夫

ケイ

俺の彼女、理解してくれてるし、もうすでに知ってるから

ミカ

え？そうなの？

ケイ

だって、俺のダイエットをメインでサポートしてくれたんだから、

ケイ

俺の過去を話す義務があるかな、と思ってさ

ケイ

だから、俺から太ってる時の写真を見せたんだよ

ケイ

そしたら、全面的に協力してくれて、健康的に痩せられてマジ感謝してる

ケイ

あっ、それで帆1つ良い報告！

ミカ

何！？

ケイ

俺、大学生向けのファッション雑誌のモデルにスカウトされたんだよね

ミカ

え？ケイが！？

ミカ

それはウソでしょ！？

ケイ

いや、マジだって

ケイ

まずは読者モデルから始めるんだよ

ケイ

それで、もしこの先も続けられそうだったらモデルとして続けるつもり

ケイ

ポッチャリからモデルになったなんて、夢あんだろ？

ケイ

そういうストーリーも売りになるじゃん

ミカ

絶対、ケイより上のモデルなんて沢山いるでしょ

ミカ

売れなくてすぐに辞めるに決まってるでしょ

ケイ

まあ、もしそうなった時はそうなった時で

ケイ

今は与えられたチャンスに対して頑張るんだ

ケイ

じゃあな

～後日談～

ケイ

その後、思った以上に人気を集め、モデルデビューをすることができました

ケイ

思ってもいなかったキャリアチャンスに驚いています

ケイ

一方で、ミカはお試して付き合っていた彼氏と別れてしまったそうです

ケイ

俺は3年からキャンパスを変わることになり、今はミカと一切会っていません

ケイ

最初は「カッコいいモデル紹介して」としつこく言われていましたが、

ケイ

鬱陶しく感じて即ブロックしました

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タナカトシキ

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