零桜

あれから1週間。

俺はリハビリがある為、学校には行けていない。

でも、毎日こさめは来てくれて、 学校での話を聞かせてくれた。

でも、気まずいのは同じな様で、愛想笑いを浮かべながら、時々小さく溜息をついていた。

あの日から、こさめは何処か上の空だ。

何が影響しているのかはわからないが、 目の下の隈もどんどん酷くなっている。

俺は、それに対して、「何時でも頼って」と、 それだけしか言えていない。

…俺には踏み込む勇気がない。

やっぱりあばらを折るのはやばい。 骨が刺さってめちゃくちゃ痛いのだ。

たまに油断して思いっきり刺さる。

これは言い聞かせているだけ。 本当は俺が一番分かってる。

こさめが今大丈夫な訳がないのだ。 日に日に酷くなる隈、時々つく溜息、愛想笑い。 ここまで揃っていながら大丈夫だなんて言えない。

そう、大丈夫なわけがないのに。

笑い事ではないが、笑うしか出来ない。

俺は踏み込まれたくない気持ちが分かるから。 無理に聞かれるのがどれだけ辛いか分かるから。

俺には、できない。

ｶﾞﾀｯ

病室の外で鳴る物音。

走る足音が聞こえる。

逃げられてしまった。

俺には止める資格も無い。 今は、こさめの答えを待つだけだ。

こさめに、気負わせてしまっただろうか。 それだけが不安である。

言葉の端々に小さな笑いが入ってしまう。

嬉しいわけじゃない、楽しいわけでもない。 …ただ、自分が惨めで、結局何もできない俺に、

俺は、失望しているのかもしれない。

むしゃくしゃする。

戸惑いで上手く声が出ない。

なんでこいつが此処にいるんだ。

え、こいつが？

以下略（許して）

正論パンチ。泣きそう

今から、また、作り直す、

色んな思い出を一緒に回って、 その時のこさめの話をしてあげて。

自分から、また作ればいい。

「なっちゃん」可愛いと思うのだが……

こいつまた忘れてたんか。 一気に好感度だだ下がりだわもう。

それに気づかせてくれてありがとう。二人共。

その日、俺は久しぶりにとてもよく眠れた。