涼介
ただいま〜

里奈
zzzzz…

涼介
里奈ちゃん、ソファだと身体痛くなるよ。

里奈
ウーン…
お帰り。

涼介
レンの散歩行っ……てないよね。

里奈
お昼食べて、本読んでたら寝てたわ。

涼介
俺、取り敢えず散歩行って来るよ。

涼介
レン!!

「ワン!!」返事をして、自分でリードを咥えて俺の前に置く。
涼介
夕飯は?? どうする??

里奈
散歩から戻って来るまでに支度するから何処か行こうよ。

涼介
うん。

涼介
行ってきまーす。

涼介
レン!先に行かない!!

不満そうに振り返り、右側の横に付いていつもの散歩道を歩く。近くの公園をぐるっと周る小一時間のコース。
3歳になる黒ラブラドールのレン。
子供は作らなかったので、レンは子供の様な存在だ。
亜矢子
あっ!

亜矢子
涼介さんっ!
レンくん!おはようございます!

涼介
亜矢ちゃん!
お疲れ様!!

亜矢子
今日はお仕事なさったんですか?!

涼介
いつもしてるから(笑)

亜矢子
え?! まだ17時前ですよ!

涼介
15時まで打ち合わせして、さっき帰って来て。

涼介
で、レンとデート。

亜矢子
いーねー、レンくん♡

亜矢子
私、レンくんになりたいです(笑)

涼介
なになに✨

涼介
俺とデートしたいって事??

亜矢子
また、直ぐそうやって(笑)

涼介
美味しい焼鳥があるんだ。
今度、一緒に行こうよ!

亜矢子
はいはい。行きましょうね!

亜矢子
では、今夜もお待ちしております(笑)

涼介
今夜か…
遅くなるかもしれないけど、連絡するね!

亜矢子
冗談ですよ(笑) 無理しないで下さいね!

涼介
じゃあ、またね!

亜矢子
レンくんバイバイ♡

近所にあるカウンターしかないイタリアンバル。一人でふらり寄るようになってから、半年程経つだろうか。。。
涼介
ただいまー

里奈
お帰り。レンの足拭いてから上がってね。

涼介
はいはい。わかってます。

里奈
何食べる??

涼介
何でもあるから、居酒屋でいーでしょ。

里奈
えー。イタリアンが食べたいな。

涼介
そうなの。
じゃあ、それでいーよ。

亜矢の店とは逆方向にある、昔からあるイタリアンへ向かう。
里奈
スパークリングボトルで良い??

涼介
俺、一杯目ビールで🍺

里奈
あっ、そういえば、私、いいかげん働こうと思って。

涼介
ああ、前に話してた?

里奈
職種は前職と変わらないけどね。なかなか良い条件出して貰えたから。

涼介
金銭的な事はとくに困ってないんだから、里奈ちゃんが良いようにしたらいいよ。

里奈
そうだね〜。
ずっと家に居るの飽きたし。

涼介
それは、何もしてなかったら飽きるよ(笑)
お掃除とかしてみれば??

里奈
それは、涼介さんの得意分野でしょ!適材適所っていうじゃない。

涼介
ものは言いようだね(笑)

とはいえ、洗濯や掃除、食事の支度も全く苦じゃない。手先は器用な方だし、美味しい物も大好きだ
里奈
お腹いっぱい。アイス買って帰ろーよ。

涼介
お腹いっぱいでアイスって(笑)
日本語おかしいよ。
まだ、20時か…

里奈
家にお酒あるよ🍷

涼介
知ってる(笑)

里奈
レン♡
ただいま😊
何か映画でも見る??

涼介
うーん…
今夜はいいかな。

里奈
つれないですね(笑)

涼介
そんなことないでしょ(笑)

涼介
ハーパーソーダ呑む??

里奈
私、赤ワイン🍷

涼介
あっ、僕がやるのね(笑)

里奈
ボトル開けられないもの。

涼介
はい、どうぞ🍷

一時間も家飲みしていると、妻は眠ってしまった。レンはチラリ僕を見て、「どうせお出かけするんでしょ」と言いたげだ。「ママには内緒だよ」と小さく声をかけ、静かに家を抜け出す。