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君にしか作れない幸せ。

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君にしか作れない幸せ。

1 - 君にしか作れない幸せ。

♥

5,037

2022年11月19日

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月見。

みなさんこんにちは!月見。です!

月見。

いやいや、お久しぶりですみなさん。ハロウィンネタを投稿してから中々お話を出せずにすみませんでした😇

月見。

今回のお話は〜!!

月見。

黒さんのご飯とメンバーにまつわるお話となっています🍚

月見。

最近より一層寒くなってきたので、心温まるようなお話を書きたいな〜と思って書き上げました!

月見。

先に行っておきます、長いです()

月見。

まぁ退屈はさせないように頑張ったつもりなので!それでもいいぜっていう優しい方は是非読んでくれると嬉しいです☺️

月見。

黒さんのご飯、食べてみたいものですね・・・💭😌

月見。

注意書きです!

注意!! ・地雷さんはUターン! ・青黒大前提(強調すな)の黒さん愛されです ・青さんが黒さん過激派👊🏻 ・nmmn ・黒さんのご飯とメンバーにまつわるお話。

月見。

それではどうぞ〜!

んん・・・?

顔に触れるひんやりとした朝の空気。それに比べて随分とあったかい布団の中。

目覚めたばかりの自分を早々にまた夢の中へ引き込もうとしてくるその誘惑になんとか抵抗しながら、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。

締め切ったカーテンの向こうに、明るさが見えた。

・・・朝だ。

今日は休日だった。だから今が何時だろうとどうでも良いことだったのだが、二度寝を選ばず枕元にある筈のスマホを手探りで探したのには、理由があった。

いつもと、目覚めが違うのだ。

カーテンが開く音。布団越しに俺の体を揺らす手。

まろ、おはよう

そう言って微笑む、愛しい人。

そう。いつもは、彼の声によって起こされていた。

彼の声から始まる朝を迎えず、自分で起きるのなんていつ振りだろうか。

だからか感じる違和感。一体今は何時なんだろうかと漸く見つけたスマホを拾い上げ、その画面を映し出す。

・・・は?

10:56

予想外の数字が、そこに並んでいた。

あ、おはよーまろ

ねぼすけやなぁまろちゃんは

社畜だもんね〜よちよち〜

え?あにき?友達と予定あるらしくて早くに出てったよ

三者三様ならぬ四者四様。リビングで各々くつろいでいたそいつらに、ワナワナ震える体。

起こせや!!!

え〜?だって今日休みでしょ?起こした方が機嫌悪くなりそうだと思って

あにきが出かける前に起こせよあにきと会わずしてどうやって一日が始まんねん!!

そこかぁ〜〜

あにきが“まろは9時くらいにでも起こしてやってくれ、昨日もお疲れやったしな”って言ってたからさぁ

くっっっそあにき好き!!

いふくんうるさいよ!?

うるせえプテボ!!

最近やってないんだけど!!?

ねえ青組うるさい

ったく朝から突っかかってきて面倒臭い二番やな。

・・・ん?てかちょっと待てよ。

9時くらいに起こしてやれってあにきから言われてんのになんで起こさへんねん!もう11時やけど!?

9時?・・・僕ら9時頃何してたっけ

んー・・・?あぁ、4人で悠くんのご飯のんびり食べてたな

卵焼き美味かったなぁ〜

あれ食べた後のお昼がほとけっちかぁ〜

りうちゃん!?

ジャン負けだし仕方ない

ないちゃんまで!?うぇぇん初兎ちゃぁ〜〜ん!

おーよしよし〜

口を挟む隙すらなく進んで行く会話。おいコラちょっと待て。色々言いたいことはあるけどちょっと待て。

・・・で?俺の分は?

ぱっと見渡した感じではラップがかけられた皿が何処にも見当たらない。

冷蔵庫に入れてあるよ、がここの模範解答だ。そうなのだが。

ほとけっちです

はぁ!?みんなで食べたじゃん!しかも一番食べてたのないちゃんだし!

割とほとけっちも変わらなくない?

な、僕とりうちゃんはちょーっとしか食べとらんよな〜

食べてんじゃねえかよぉ!!!

そこは模範解答しとけよ!イレギュラーなんてクソ喰らえ!!

今日まだ彼に会えていないこと、自分はほったらかしでコイツらはあにきのご飯を悠々と食べていたこと、ぐうと鳴るお腹。全てにむしゃくしゃする。コイツら絶対許さん。

結果的に起きたのこの時間なんだし、お昼もあるから朝食残ってたって食べれないでしょ?

ほとけの昼飯食べるのとあにきの朝ご飯食べるのなんて天秤にかけるまでもないわ!!

僕に謝って!?!?

うるさいってば

呆れ顔のりうらが溜息を吐く。いやお前も悪いからな!?さっきしょにだが言ってた感じお前も食ったんやろ!?

あにきのご飯食べたい・・・

無駄に怒って疲れた。どっと襲ってくる疲労感と空腹に、リビングのソファに倒れ込む。

・・・でもさ、あにきのご飯ってマジで美味いよね

分かる

ね〜!

当たり前やろ

ちゃんと混ざるんだ

ソファに顔を埋めたまま答えた。最年少の呟きなんて無視だ。あにきの料理が美味い?そんなん当たり前やろ。

いや〜でもやっぱりさ、勿論どんなご飯でもどんな時でも美味しいけど、朝ご飯が格別だよねぇ

え?

え?

・・・

は?

しみじみと話したないこの言葉に、一斉に噛み付く。りうらも喋ってこそいないがその目は何言ってんだこいつ、と言っている。少し盛った。

え??

逆に訳が分からないと言いたげにないこが声を漏らす。いやいやないちゃん、とあほとけが大袈裟に手を動かした。

何言ってんの、そこはお昼ご飯でしょ!

いやいむくんこそ何言っとるん、そこはおやつやろ

は〜?ご飯でもねえだろ黙っとけしょにだ。あにきのご飯は夜ご飯が一番

みんな分かってないな〜。あにきの夜食が一番美味しいよ

訪れる沈黙。バチバチとぶつかり合う視線。

・・・譲れない戦いが、今ここに始まろうとしていた。

第一回!あにきのご飯の良さを知ってるのは俺だ!選手権〜!!

フー!!

いやぁこんなん僕の勝ちやろ。なんたって白黒やし、僕悠くんの舎弟やし?

ならこっちだってぴよにき公式だからなぁ

はっ、公式設定しか盾に出来ない奴らは黙っててええよ。まろのあにき愛の前に崩れろ!

はいはい、勝負は話の良さでしてね〜

見事に全員割れたからなぁ

早速話しちゃおうよ!誰から行く?

全員違うし普通に朝から夜まで行けば良いんじゃない?

あ、じゃあ俺トップバッター?よーし、俺のあにき愛を見せてやろう

×ね

放送禁止用語!!!

そうやったこの人同担拒否やった。とほほ

・・・じゃあまろは置いといて、ないくんよろしく〜

よし任せて!

置いとくな。こちとら同担拒否なんだよ。

まぁまろのあにき愛とコイツらのあにき愛なんて比べるまでもないけどな!と心の中で高らかに叫ぶ。仕方ない、聞いてやろう。

一応もう一回言うけど、俺はあにきのご飯は朝ご飯推しね。なんでかって言うと・・・

眠たい朝。

温かい布団にいつまでも包まれていたい。そんな望みを叶えてくれない朝。ひんやりとした空気が布団の外に待っている。

朝起きるのは嫌いだ。別に苦手じゃないし毎日自分で起きるけど、どう足掻いても朝は憂鬱。

今日も仕事だと考えれば心無しか体が重い。次の休みまではまだ間がある。

まだ寝ていたいとごねる自身の体を、せーのっ、と心の中で呟き勢い良く起こす。同時に布団をガバッと剥がせば、その寒さに思わず体を硬くした。

今日もまた一日が始まってしまった。夜帰って来てから家でぐうたらする時間だけ伸びないかな、なんて叶いもしない願いを考えながら、俺は部屋を出る。

冷たい廊下を歩き、辿り着いたリビング。扉開ければ、鼻をくすぐる良い匂い。

・・・

冷蔵庫の前に立ち、こちらに背を向けるその後ろ姿。揺れるポニーテール。

暫くぼんやりその姿を見つめていれば、ぱたんと冷蔵庫が閉まって、彼がこちらを向く。

ん、ないこ。おはよ

穏やかな声色と柔らかい笑み。彼からの雪解けの様な挨拶に、寒さで硬くなっていた体から力が抜けるようだった。

・・・この声、この笑顔を、どれくらいの人が知っているだろうか。

おはようあにき

寒いなぁ

布団から出たくなかった

な。でも安定に一番やな、自分で起きて偉いわないこ

こちらに歩いて来たあにきがわしゃわしゃと俺の頭を撫でる。寝癖、なんてくすくす笑いながら、まだキッチンへ戻って行く。

朝ご飯の準備をする音だけが響く。テレビはつけなかった。

静かで、穏やかな朝。この時間は、ほんの少しの間。次の誰かが起きてくるまでの、俺とあにき二人だけの特別な時間。

小さくお腹が鳴る。差し込む朝日とリビングに漂う朝ご飯の匂いに幸福度は増すばかり。

・・・にき〜

ん?

・・・なんでもなぁい

なんやそれ

意味の無い呼びかけを咎めることも無く、あにきは小さく笑った。

朝の布団から出た時の寒さは苦手だけど、この温かさが待っているから、それが平日だろうと休日だろうと俺は一番に起きてしまう。

朝から優しい魔法にかけられて、俺の一日が漸くカーテンを開ける。

カタ、と音を立て、テーブルの上に皿が置かれた。

今日、早いんやろ?

・・・そうなんだよ〜

いつもは、りうらや初兎ちゃん辺りが起きてくるからそれまで待って、全員は揃わなくとも数人ずつで朝ご飯を食べる。その時、彼は洗い物だとか洗濯だとか何かと動き回っていて、あまり一緒に朝ご飯を食べることはない。

でも、こういう時は。

机に置かれた二人分の食事。退屈しないようにだろうか。俺が早く家を出なくちゃいけなくて、他の誰とも時間が合わなそうな時、彼はこうやって一緒にご飯を食べてくれる。

気付かなければ当たり前に埋もれてしまうような、優しい彼の気遣い。

食べないん?

手を合わせたまま、首を傾げるあにきに口元が緩む。一緒に、食べてくれるんだよなぁ。

食べる!!

勢い良く君の向かいの席に着いて、同じように手を合わせる。

いただきます!

今日もこの優しい朝が、俺を送り出してくれる。

・・・悠くんと二人で朝ご飯とか、食べたことないわぁ

でしょ?俺の特権なんだな〜これが!

えーいいなぁ〜

ずるい!起こしてよー!

やだよほとけっち面倒臭いし

言い方!!

・・・チッ、マウント取んな

いや日々のブーメランで草

多分同じようなやつ後3回聞くことになるけどまろ大丈夫そ?

え〜何々、じゃあ棄権するってこと?自慢のあにき愛は何処に行ったんですか〜??

するなんて一言も言ってねえわ黙ってろ二番!!

ほらステイステイ!とりあえず俺の話はこんな感じで。次誰だっけ?

はいはい!僕行きまーす!

じゃあそこの元気が良いDiceNo.2のほとけくん

はい!・・・僕はあにきのご飯はお昼ご飯が好きです!!

ん〜〜・・・

お、おはようほとけ。ねぼすけやな

目を擦りながらリビングに入ると、ソファに座ってスマホを眺めていたあにきが僕を見て笑みを浮かべた。

あにきぃ〜おはよ〜

もう一時やけど

偶には良いの〜〜・・・

くぁ、と溢れる欠伸を一つ。あにき座っているソファへとのそのそ歩いて、あにきの隣にぽすんと腰を下ろした。

・・・眠そうやなぁ

いっぱい寝ても眠い時ってあるよねぇ

寝なくても眠いし寝過ぎても眠い。人間の体って不思議だ。

あにきがちらりと壁にかけられた時計を見て、僕の方へと視線を戻した。

昼は?ほとけ

その問いかけに応えるように、僕の言葉より先にお腹が鳴った。

・・・食べたい

言うと思った

待ってろ、とあにきがキッチンへと歩いて行く。

隣から温もりが消えてしまったソファがなんだか寂しい。そのままぼんやりと座っている僕に、キッチンからあにきが「ほとけ」と名前を呼んだ。

昼飯準備するから、顔洗って来い。目しょぼしょぼやで

そう言っておかしそうに笑うあにきに目を細めたのは、眠いからとかじゃなくて多分、その笑顔が眩しかったから。

少しは起きたか?

うん!

お、いつもの元気や

今日はいっぱい寝た〜!

良かったな

顔を洗ってリビングに戻れば、あにきがテーブルの上にお昼ご飯を用意してくれていた。

こんな時間に起きて来た自分にもちゃんとご飯を用意してくれることを有難く思いながら椅子に座る。これがいふくんとかだったら「自分で用意しろ」って言いそうだもん。あにき好き。

オムライスだ〜!

鮮やかな黄色の上に線を引く赤。それが描くのは。

えっケチャップって星描けるの!?

黄色の空に浮かぶ一等星が、僕の目を惹いた。

凄い!初めて見た!!あにき天才!?

ハートなら見たことあるし僕も小さい頃とかにやったことあるけど、星なんて漫画やアニメでも中々見ない。

そんなむずくないで

いやいやいやいや!

そうだ、この人歌とかに加えて料理もハイスペックなんだった。

改めてそう感じながら、なんだかスプーンを入れるのが勿体無いな、と思って僕はスマホを手に取った。

パシャ、と音を立てて、アルバムに保存する。今度誰かに自慢しよ。

・・・

・・・食べないん?

向かいの席に座ったあにきが、僕を見て首を傾げた。

・・・なんか、勿体無くて

その言葉を聞いたあにきは一瞬きょとんとした後、すぐにふっと表情を和らげた。

そんなことかよ

えぇっ、そんなこと〜?

こんなんいつでも作ってやるから、そんなこと気にせんで食べろ。お前が飽きないなら今日の夜だって作ってやるわ

わしゃっと頭を撫でられる。目を細めたあにきの優しい視線がくすぐったくて、思わず目を逸らした。

・・・ありがとうあにき!大好き!いただきまーす!!

お〜、いっぱい食え食え

口いっぱいにご飯を詰め込む僕に、リスになっとる、なんて楽しそうに笑うあにきはなんだか嬉しそうで、ご飯の美味しさと相まって僕は幸せに満たされた。

・・・ほうひへは、ひょーひゃんは?

あ、これ食べ終わってから言えって怒られるやつだ。

ん?あぁ、なんか駅前に用事あるって出かけてったで。他三人は学校やら仕事やら

伝わるの!?

え?いや別に今のそんなむずくなかったやん。「そういえば、初兎ちゃんは?」やろ?

あにき尊敬する・・・。いふくんだったら理解しようともしてくれない

あー、「食ってから言えや」って怒るやつな

そうそう!

ちょっとはあにきのこと見習って欲しいよね全くもう!

・・・それにしても、あにきと二人だけなんてなんだか新鮮だ。

ないふが仕事、りうちゃんが学校でいないのは見慣れた光景だけど、大体そういう日は僕、初兎ちゃん、あにきの三人で過ごすことが多い。

それが、今日は初兎ちゃんもいなくて二人きり。勿論気まずさとかそんなものは一ミリもないけど、珍しいことになんだかそわそわしてしまう。

こうしているとなんだか、普段はしないような話まで浮かんできてしまって。

・・・あにきってさ

ん?

嫌になったり、しないの?ほら、いつも僕達の分ご飯作ってさ

あにきのご飯が一番美味しいしあにきも文句を言わないから、この家では殆どあにきがご飯を作ってるけど。

この前テレビで偶々ついていた番組で、女の人が不満げに漏らしていた言葉を思い出す。

毎食考えるのだって大変で、面倒臭いって思う日もあるでしょ?あにきは優しいからそんなこと言わないけど・・・

僕達は美味しいご飯で満たされて、作ってくれるあにきは嫌な思いをしてるなんて、そんなの嫌だ。

僕の言葉にあにきは暫くぽかんと口を開けて、そして、ぶはっと吹き出した。

え、えっ?

あれ、僕何か変なこと言った!?

はははっ、悪い悪い。・・・優しいなぁお前。でも変な心配すんなよ

頬杖を付いて、あにきがにっと口角を上げた。

お前らに何か作るんを面倒臭く思ったことなんて一度も無いわ。何作っても美味い美味いって嬉しそうに食べてくれるお前らを見てる時間が、滅茶苦茶幸せやからな。今日何を作ろうとか考えてる時やって、お前らの喜ぶ顔ばっか考えてる

・・・!

だから勘違いすんなよ、俺は別に義務感でご飯作ってない。俺がお前らに食べて欲しいから作ってるんや

な!と歯を見せて笑うあにきに、今度は僕がぽかんとする番だった。

・・・そして、じわりじわりと心が温まっていく。

やっぱり凄いなぁと、心の底から彼を尊敬する。

歌だけじゃない。料理やその他の技術、そして人柄まで、彼は僕の何十、何百歩先を行っているんだろう。

その優しさで構成された彼の全てが、大好きなんだよなぁ。

・・・あ、そう言えば飲み物無いな。ちょっと待ってろ

そう言って立ち上がるあにき。彼の中で、今の話はもう終わろうとしているのだ。彼にとっては当たり前のことを話しただけで、ただの世間話とほぼ変わらないことだから。

でも、でも。

僕だって、この気持ちを返したいよ。

っあにき!

突然声を上げた僕に、ん?とあにきが振り返る。

いつも美味しいご飯作ってくれてありがとう!あにきのご飯、僕世界一好きだよ!!

そう言い放てば、あにきはふっと目を細めて口を開いた。

おかわり、いるか?

・・・ホットケーキ組かわええなぁ。僕がおらん時にそんなことあったんや

良い話だけどこれってお昼なの?

確かに。寝起きからのご飯だからお昼なのか怪しいところではある

あにきを口説くなあほとけ

反応おかしくない!?三人は初兎ちゃん見習って!?ここにはアンチしかいないの!?

よしよしいむくん

次初兎ちゃんだよね?いいよ

はーい、任せてくださいよと。僕はねぇ、悠くんの料理はおやつが格別やと思うんよ

〜♪

鼻歌を歌いながら、カチカチとパソコンのマウスを動かす。

キーボードを数回叩き、またマウスを動かして。

カタッと軽やかな音を立ててエンターキーを叩けば、僕の今日のノルマは達成。

ん〜・・・!

すっかり固まってしまった体をほぐす為に、ぐっと腕を上に伸ばす。部屋にこもってパソコンと向かい合ってからどのくらい経っただろうか。

これで明日には投稿出来そうやなぁ

満足げにうんうんと頷く。実は歌ってみたの編集をしていたのだ。なんならその音源だって今日録ったばかり。

最近あまり歌ってみたを投稿出来ていなかったから、久しぶりにと言うことで力を入れたらつい夢中になりすぎてしまった。

一度お昼をリビングでいむくんと悠くんのご飯を食べてからささっと部屋に戻って来たのが一時過ぎ。時計を見ればもう三時を回っていた。

時間が経つのってあっという間やなぁと実感しながら、僕は椅子から立った。

・・・なんか、飲み物でも取りに行こうかな。

甘いもの食べたいなぁ、今度いむくんとなんかスイーツでも食べに行こ。なんて考えながら、僕は部屋を出た。

・・・、

リビングに入ると、悠くんがキッチンに立っているのが見えた。

何やらフライパンを握っている。思わず僕は時計を見た。まだ三時である。

こんなに早くから夜ご飯の準備してたっけ、なんて思いながら、飲み物を取るために冷蔵庫へと歩を進める。

お、初兎。お疲れ。終わったん?

うん、バッチリやで〜。明日あげれそう

良かったな

短い会話を交わし、水を飲んで喉を潤した僕は、これから何をしようかなぁとぼんやり考えた。今日はいむくんが他の仲良い活動者さんと会うらしく家に居ない。いむくん友達多いからなぁ。他三人は安定だ。

まぁ、いつも通りラップねりねりしますかね。

そう思ってまた部屋に戻ろうとした僕に、初兎!と悠くんが背後から声をかけてきた。

ちょっとリビングで待っててくれ

え?

唐突な言葉に首を傾げる。いや、別にやらなきゃいけないことは無かったし素直に頷くが、一体どうしたというのだろう。

全然ええけど、どうしたん?

まぁ・・・、お楽しみや

フライパン片手に、悠くんがきゅっと口角を上げた。

悠くんに言われた通り、リビングのソファに座りスマホをいじること数分後。

何かツイートしようかなぁと内容を考えている僕の元へ、足音が近づいてくる。

小さな音を立てて、目の前のテーブルにお皿が一つ。

・・・へ、

作業お疲れってことで。食べてええよ。特別な

そのお皿を運んで来た悠くんがそう言って笑いかける。僕はお皿と悠くんを忙しなく交互に見て、また「え、え、」と声を漏らした。

こ、これ、なんで?

んー?そんなん俺の気分や気分。・・・あぁいや、いらんなら全然ええんやけど

っ違う!食べたい!・・・食べます、綺麗さっぱり

ははっ、そか

何処となく嬉しそうに笑う悠くんに、僕はまたお皿へと視線を移した。

お皿の上に乗っているのは、二段のパンケーキだった。

チョコソースとバナナが可愛らしく盛り付けられていて、漂う甘い香りにごくりと唾を飲み込んだ。

・・・丁度な、さっき甘いもの食べたいなあって思っとったんよ

だから今度行きたいな、くらいに思っていたのに。

・・・悠くんって、凄いよな

なんで分かってしまうんだろう。それをさも当たり前の様に僕に、僕達に与えてくれるんだろう。

パンケーキを一口食べる。甘くて、優しい味が舌に溶けていく。

悠くんは、時々こうしておやつを作ってくれる。そんなに頻度が高い訳でもないのに、こうやって求めている時に限って、作ってくれる。

・・・俺の自己満や。それと、余ってたホットケーキミックス使い切りたかったからな

そして、こうやってなんてことないみたいに終わらせようとする。

・・・なぁ悠くん。その優しさってな、当たり前じゃないんよ。

守り抜きたいと思うほど綺麗で、美しくて、眩しいもの。

・・・悠くん

ん?

ずっと近くに立っている悠くんをちょいちょいと手招く。ぽんぽんと隣を叩けば、悠くんは素直に隣に座ってくれた。

あーん

・・・え、

呆気に取られた顔をする悠くんに、フォークを持った手をまた少し近づける。

・・・一緒に食べようや、二人で

この幸せを分かち合って、二人で温まりたい。

これからも受けることになるだろう君からの優しさを返すなんてこと、きっと一生かけても出来ないけど。

その幸せに君を連れ出すことくらい、させてよな。

・・・俺ら何の話聞いてたんだっけ。プロポーズ?

思った

ねぇ初兎ちゃんだけパンケーキずるい!!

おいしょにだ聞き捨てならないんやけどお前あにきにあーんして、

はい!僕の話終わり!次行こうな!!順番的にまろちゃんやでどうぞ!!

声でかいな・・・

割とブーメラン

はぁ?俺トリちゃうん

順番的に次だよ

はいはい、お得意の悠くん自慢聞いてあげるから、まろちゃん話して〜

はぁ。・・・大前提としてあにきのご飯はなんでも美味い。いつでも美味い。いいな?

分かった分かった

その中でも特別好きなのは、やっぱ夜やな

疲労困憊だ。

夜の街をよろよろと覚束ない足取りで歩いて、重たい体をなんとか運ぶ。

今日はいつにも増して忙しかった。帰る時間が早い時に比べてもう二時間以上経っている。これだから社畜は嫌だ。やめたい。やめんけど。

溜息を吐き出して帰路を歩く。ないこも流石に帰って来とるやろ。夕飯タイムはとっくに終わってるだろうな。あぁ、あにきのご飯が食べたい。

肌寒い夜がより一層俺の体力と精神を削ってくるようだった。早く帰ろう、と俺は重い足をまた一歩前へと踏み出した。

っだいまぁ・・・

息を吐くと同時に言ったら最初のたが言葉にならなかった。まぁそんなことは別にどうでも良いのだが。

漸く辿り着いた家に体から力が抜けた。もうこのまま寝てしまいたい。でもあにきのご飯は食べたい。

まろ!おかえり

・・・!あにきぃ〜〜!!

俺が帰って来たのに気付いたあにきがリビングからひょこっと顔を覗かせ、こっちへと駆け寄って来てくれた。うわ愛しい。世界平和。

ぎゅっと抱き付けば、うお、と小さく声を上げながらもしっかり受け止めてくれる。体幹あるもんなあにき。そんなところも好き。

お疲れ、今日遅かったな

マジで社畜やめたい

頑張った頑張った

抱き合った状態のまま、背中をぽんぽんと叩かれる。その温もりだけで、疲労が半分は軽減された気がする。

今誰も風呂入ってないから入って来いよ

アイツらは?

全員入り終わってる。今はそれぞれ部屋に居るよ

ふーん

じゃあ、折角あにきが言ってくれたんだし入るか。そう思って、俺は一度荷物を置きに部屋へと向かった。

思う存分温まり、風呂を出てわしゃわしゃと髪の毛をタオルで拭きながら、そう言えばさっきあにきはみんな入り終わってるって言ったけど、あにきは入ったのだろうか。とぼんやり考えた。さっき見た感じだと風呂上がりな感じはしなかったな。

は〜、あったまったぁ

リビングに入った途端、腹の虫が鳴いた。

・・・良い匂い。

お、まろ。ナイスタイミング

丁度、あにきが手に持っていた皿をテーブルの上に置くところだった。

・・・っえ、

もしかして、夜ご飯の準備してくれてたん?

いつもはご飯にするか風呂にするかの決定権を俺に委ねてくるあにきが、今日に限って風呂を勧めてきたのは、そういうこと?

時間経って冷めちゃったからな。あっためといたで

笑みを浮かべるあにきに、俺は勢いも気にせず抱き着いた。

ぐぇっ

好き〜!!!

・・・はいはい、俺もやで

受け流してるように見えて、その言葉にはしっかりと気持ちがこもっている。照れている彼の精一杯。俺には分かる。

この家は、この空間は、この優しさは、なんてあったかいんだろう。

体も心もすっかりぽかぽかになって、俺はもう一度ぎゅっとあにきを抱きしめた。

・・・おかわりは?まろ

いる!!

りょーかい

いつもならあにきのご飯を食べまくる胃袋無限男のないこを呆れ顔で見つめるところだが、今日ばかりは人のこと言えないな。

勢い良くご飯を腹の中へと詰め込んで行く俺に、そんな急がんでもご飯は逃げないで、なんてあにきが面白そうに笑った。あ、今の顔かわいい。

疲れた体にあったかくて優しいご飯の味が染み渡る。やっぱりどんなに美味しい料理を食べてもあにきのご飯しか勝たん。

勿論店の料理は美味しいけど、この優しい味は。俺をここまで幸せにしてくれる料理は、あにきにしか作れない。

・・・俺、

んむ?

やっぱり、お前らが美味そうに料理食べてくれるん見るの好きや

そう言って笑うその顔が、あまりにも幸せそうで。

っあにき!

・・・へ、

ガタッと音を立てて、向かいに座る彼の方へ身を乗り出しその手を握った。

突然のことにぽかんと口を開けるあにきの目を真っ直ぐ見つめる。

あにきが優しさで俺のこと幸せにしてくれる分、俺もあにきのこと沢山愛してこれでもかってくらい幸せにするから!

なんでだろうな、急に言いたくなったんよ。

だから、これからもそばにいて、俺にご飯作ってください!!

驚いた表情のまま固まった彼は、ふわっと頬を赤らめて、へにゃりと柔らかく笑ったんだ。

・・・もう、これでもかってくらい幸せやわ

喜んで。そんな最高な言葉を返してくれた彼に、表しきれない愛を込めてそっとキスを落とした。

・・・本物のプロポーズ来ちゃったよ

もう、まろ惚気過ぎ!!結婚式いつ!?

ないちゃーん?

式場決めたの!?

あれもしかしてまろにき限界オタしかおらん感じ?

てかちょいちょい出てくるあにきオタクのまろがうるさかった

あにきかわいいやろ!!ちなみにその後まだ風呂入ってなかったあにきと一緒に二回目の風呂入ったんよ!

まさかの二回目

俺が帰ってくるの待っててくれたんやって!はぁもうかわいい嫁!!

あにきかわいいよねぇ

お前があにきを語んなあほとけ

理不尽!!

えー、俺この後なの・・・?

頑張れりうら!トリだよトリ

ハードル上げんな!

りうちゃんの話聞きたいなー!

あー分かった分かった!・・・俺は、あにきがくれる夜食が好き

終わらない・・・

夜。すっかり寝静まった家の中で、まだ明かりを灯している部屋がある。

お風呂から上がって速攻部屋にこもり、パソコンと見つめ合ってかれこれ数時間は経っている。

提出期限が明日に迫ったレポートが寝かせてくれないのだ。

いや、ギリギリまで手を付けなかった俺が悪いんだけど!いざ始めてみれば、あれこれ結構時間かかるやつ?と手こずっていた。漸く半分までは来たがまだ道のりは長い。

俺もしかして今日オールコース?明日も大学なんだけど。

時間を確認してみれば、日付が変わっていた。嘘だいつの間に?

割と余裕あるじゃんとか思って歌ってみた録ってた自分が馬鹿だった、と今更ながらに後悔する。いやリスナーさん達が喜んでくれたからそれはそれで良かったんだけど、まさかここでこんな地獄と対面するとは。

あぁもう嫌だ全部投げ出したい自分の体もベッドに投げ出したい。そんな思考が脳を占める。多分今ベッドに沈めば一分もかからず夢の中に落ちるだろう。

溜息と共にがしがしと頭を掻く。本当はもうこの時間には寝ている予定だったのに。

過去の自分やレポートへの文句を心の中で垂れ流しながら、またパソコンに向かった時だった。

コンコン、とノックの音が二回、確かに俺の耳に届いた。

・・・え、

思わず耳を疑った。返事をする前にもう一度時間を確認する。既に一時を回っていた。

誰だろうか、と考える。ほとけっちとか?いやほとけっちがこの時間に起きてるのなんてほぼ見たことない。

じゃあ初兎ちゃん?いや、初兎ちゃんはこんな時間に人の部屋訪ねてくるような人じゃないしな。

ないくんとか?いや、「俺明日早いから今日爆速で寝るわ!」と夕飯の時に言っていた。違うだろう。

まろは・・・無いな。仮にこの時間にまろが起きたとして俺の部屋を訪ねてくる理由が無い。だったらあにきのところに行くだろう。

・・・という、ことは。

りうら、俺やけど。今入っても大丈夫か?

・・・あにき?

思わず目を丸くした。一体どうしたと言うんだろう。

あにきの部屋と俺の部屋は決して近く無い。俺の部屋は一番端だし唯一の隣はほとけっちの部屋だ。

そんな俺の部屋に、はたまたこんな時間に、どうしてあにきが?

いいよ

勿論拒否する理由なんて無かった。俺の言葉に反応して、扉がゆっくり開いていく。

ひょこっと顔を覗かせたあにきが、俺と机の上に置かれたパソコンを見て口を開いた。

あ、やっぱりまだやってたんやな。お疲れ

ありがと。レポートマジで終わんないよ〜

レポートだるいよなぁ

分かる分かる、と頷くあにき。

・・・ところで、あにきはどうしたの?こんな時間に

あぁ、そうそう。届け物しに来た

??

届け物?

リビングに何か置きっぱだっただろうか。なんて思考を巡らせても、何も心当たりは無かった。

俺が首を傾げていると、ずっと顔だけを覗かせていた状態だったあにきが、ちゃんと扉を開けてその姿を現した。

・・・えっ

その手が持つ物を見て、俺は目を見張る。

頑張ってるお前に俺からの差し入れな

あにきが手に持っているトレー。その上に乗っているお皿から漂う、何やら食欲を誘う香り。

ほい、少し冷ましたからすぐにでも食えると思うで。それ食べて頑張れ

あ、あにき、これ、

豆腐グラタン。豆腐で出来てるからヘルシーやし夜食べてもそんな罪悪感無いやろ。まぁお前はもうちょっと太って良いと思うけどな

あにきの説明を受け、もう一度机に置かれたグラタンを見る。

チーズの香ばしさがほんのりと鼻を掠める。豆腐で出来ているからか、夜中だけどそこまで重く感じられない。なんならお腹が鳴ってしまった。

無理せん程度に頑張れよ

まぁぶっ倒れたら看病したるわ、と笑うあにきが、なんだかとても眩しくて。

・・・あにき、この時間まで起きてたの?

・・・新しい歌覚えてたらこんな時間になってたわ。腹減ったなぁって思って自分の分夜食作ってたら作り過ぎてな。お裾分けってやつ

・・・、

っと、邪魔してごめんな。まぁ本当に限界迎えたらちゃんと寝るんやで。頑張れよ

っあにき!

ひらひらと手を振って部屋を出て行こうとするあにきに、ガタッと立ち上がる。

ん?

どうしたん、と言っている表情を浮かべる彼に、俺は暫く言葉を探した。やっぱりアドリブは、得意じゃない。

───あっ、

どれだけ時間がかかっても、あにきは急かすことなく待っててくれた。

ありがとうっ!・・・あにきのご飯、大好きだよ

普段は面と向かって言わない台詞。ないくんやまろが言っているのを聞きながら、よくそんな真正面から堂々と言えるな、と思っていた。

だって小恥ずかしいじゃん。なんか、ほら、母親にいつもありがとうって中々言えない男子高校生みたいな。

でも今日は、今は、言わなくちゃいけないと思った。伝えたかった。

・・・っふは、

どんな言葉が返ってくるかと思えば、次に聞こえたのはあにきの笑い声だった。

・・・なんや、元気付けたろうと思ったのに、こっちが元気もらっちまったな

ありがとな、おやすみ。そう言って、あにきが部屋を出て行く。ぱたんと閉まった扉を暫く眺めてから、俺は椅子に座った。

グラタンを一口、口に含む。冷めていない。でも熱過ぎない。

・・・美味しい。

暗くなってしまったパソコンの画面を、マウスを動かして再び映し出した。

知ってるよ、自分の分の夜食作ってたなんて嘘だってこと。

そもそもグラタンに作りすぎも何もないだろう。下手な嘘だったなぁ。

今この身体を温めているのは、グラタンだろうか。それとも彼の優しさだろうか。

・・・よし、頑張ろ

静かな夜に、キーボードの音が響いた。

あにきの夜食・・・!?食べたことない・・・!

いむくん爆睡やからな

てぇてぇ、りうらもあにきもかわいい・・・!ぴよにき推すよ俺は・・・!!

オタク湧いとる

りうらお前・・・!夜にあにきと密会とか、

その言い方やめて

みんなそれぞれ良い話だったね!

結局は悠くんが最高って結果に帰結するんよな

初兎ちゃん、帰結なんて言葉知ってたんか・・・

あ??

あにき最高マジらぶい

・・・これ、なんちゃら決定戦とか言ってたけど、誰が決着決めるの?

確かに!

まぁ僕のエピソードが一番だったやろ!

えー?初兎ちゃん俺の朝ご飯の話ちゃんと聞いてた?あれが一番でしょ

統計すると僕じゃない?

トリ飾ったりうらでしょ

はぁ〜?全員耳腐ってんのか。まろとあにきの話が一番!まろにきしか勝たん!ありがとうございまぁす!

またもや始まる視線バチバチタイム。なんやねんこいつら。少なくとも譲る気ないからな俺は。

その時、ぐうぅぅ、と大きな音がその場に響いた。

全員の視線が一点に集まる。

・・・てへ

・・・そう言えば、もう一時じゃん

みんなしてご飯自慢に熱中し過ぎやろ、お腹空いたわぁ

ほら、お昼ほとけっちでしょ。頑張って〜

あにきのご飯の話した後にほとけのご飯かぁ

いふくん本当に余計なことしか言わないよね!?

あ?

はいはいビジネス不仲やめなって。・・・まぁほとけっち、俺も手伝うからさ、なんか作ろお腹空いたわ

ないちゃーん!ありがとう!

あぁ、僕もなんか手伝うことあったら、

立ち上がったしょにだがそこまで行った時、玄関の扉が開く音がした。

全員一斉に黙り込む。近付いてくる足音、そして開く扉。

ただいま・・・って、みんな揃って何しとるん?

あにきぃ〜〜!!!

悠くん!

にき!おかえり!早くない!?

あぁ、向こうに午後から用事あったから午前だけやったんよ。だから早く出たのもあるしな。お前らこそ何しとるん?昼は?

今から

今からぁ?ゲームでもしてたんか?腹減ったやろ。俺が作ってやるからちょっとだけ待ってろ

えっ!!

マジで!?!?

お、おお。別にもう用事無いしな。どしたん、嫌か?もう頼んだとか?

まさか!

むしろ逆だよ

逆?

首を傾げて理解していないらしいあにきに、も〜!とほとけが声を上げる。

今日のお昼はあにきのご飯食べれないと思ってたから嬉しいんだよ!みんなあにきのご飯大好きだもんね!

そんなほとけの言葉に、あにきが目を見開いた。

勿論!

大好きやで〜

・・・りうらも好きだよ

あにきのご飯しか勝たん!!

・・・、

ぱちぱちと瞬きを繰り返して暫く黙っていたあにきが、何か言おうとして口を開いて、一旦閉じる。

・・・ふ、ふははっ

そして、ふわりと表情を和らげて笑った。

・・・じゃあ、一層心込めて作らんとな

そう言ってキッチンに歩いて行くその背中を見つめて、俺達は目を合わせ笑い合った。

これ以上そのご飯を美味しくして、俺達を一体どうしたいんだか。

何か話すこともなく、俺達は彼が料理する音を聞きながらその穏やかな時間に身を委ねていた。

目の前に広がる、大好きなご飯。

この匂い、この味、この時間が、俺達にとっての宝物で、かけがえのない時間だ。

さぁ今日も、みんなでこの幸せを味わおう。

せーの、

いただきます!!

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コメント

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ユーザー

うほほほほ みんなの会話が尊すぎて死にそうになったではないかディフディフ ちなみに余談なんですけど、 帰結の漢字の読み方が分からないただのバカがここにいるんですけど... どなたか教えていただけませんか? にきのご飯TwitterとかYouTubeとかでプレゼントキャンペーンやってくんないかな... にき、まってるよ!((((多分ない

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