テラーノベル
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コメント
1件

いち!今回も最高でした★続きお願いします!!
いさぎ
知らない記憶
頭にノイズが走る
いさぎ
また同じ景色が浮かぶ
ボロボロの少年。
路地裏での会話。
ーーー「困ってた…から…?」
また、ノイズみたいに景色に声が割り込む
いさぎ
頭が痛む
いさぎ
無意識にそう言っていた。
かいざー
男は笑う
かいざー
一歩、踏み込まれる
かいざー
ーー背中の重さ
いさぎ
身体が動かない
かいざー
耳元で、囁かれる
かいざー
いさぎ
男の囁きを振り払い
距離をとる。
いさぎ
いさぎ
男は少しだけ黙った。
それから
かいざー
笑う。
でもその目は
泣いていた。
かいざー
かいざー
また、男は剣を構える
かいざー
かいざー
かいざー
いさぎ
意味がわからない
でも、
いさぎ
何故か、それだけははっきりしている
いさぎ
でも
男は止まらない
かいざー
その名前を呼ぶ声が
やけに、近く感じる
かいざー
また、目の前に薔薇が咲く
ーー「覚えとけよ」
ノイズ
いさぎ
膝が揺れる
体に力が上手く入らない
「俺のこと」
断片
雨
声
温度
いさぎ
言葉にならない
かいざー
男の声が震える
かいざー
かいざー
いさぎ
その瞬間
全部、消える
いさぎ
静寂
何もない
何も残っていない
いさぎ
目の前の男だけが立っている
さっきまでの熱が、嘘みたいに消えていた。
かいざー
男が呟く
かいざー
少しだけ
笑う。
でもその顔は
どこか
壊れていた。
かいざー
かいざー
剣を持ち直す
かいざー
いさぎ
俺も立ち上がって相手に剣を構える
いさぎ
それでも胸の奥には
小さな、ほんの些細な違和感だけが残っていた。
そしてまた、青が_咲く。