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俺と…委員長と…

俺と…委員長と…

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俺と…委員長と…24

♥

20

2020年06月22日

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陽も落ちて暗くなって

どのくらい時間が経っただろう

会長は遅くまでおれのところに いつもいる

カナタ

うーん…

カナタ

動けない…
困ったなぁ

カナタ

起こしても大丈夫かな〜…

一人でブツブツ言ってしまった

カナタ

やばい またサヤさんに怒られてしまう

そう思いながら ひとりでもんもんと考えた

ケンシ

カナタ

うーん
うーん

サヤ

あの…

カナタ

わわっ!

カナタ

ごっ!
ごめんなさい!

カナタ

煩かったですよね

案の定来てしまった

サヤ

あれ?

カナタ

アセアセ…

サヤ

ケンシくん

カナタ

会長を知っていらっしゃる…

サヤ

ケンシくん寝てるの?

カナタ

ええ…はい…
たぶんもう
小一時間は…

サヤ

ケンシくんて
人に心許すこと
あるんだ

カナタ

へ?

サヤ

やっぱり
私と同室になった
だけは
あるってことね

サヤ

ふぅ〜ん

カナタ

いや…
えと…
ハナシガミエマセヌ…

サヤ

きっと
こういう

サヤ

平凡な奴が
逆にいいんだろうなぁ…

カナタ

さり気なく
ディスってますね

というか会話が成立してない 気がする

ケンシ

うるさいよ

会長が目を覚した

そして首だけグイッと サヤさんの方にむけた

サヤ

ケンシくん
おはよう

ケンシ

サヤちゃん
こいついじめないであげて

サヤ

え〜…

カナタ

あぅ…

ケンシ

頼むよ
すげーいいやつなんだよ

サヤ

アヤメは〜?
ケンシくん来てるって
知ってるの〜?

ケンシ

俺が来てることは
知ってるよ

サヤ

なんでアタシに
教えてくれなかったの〜

ケンシ

まぁ色々
あるんだよ

きっと会長は サヤさんに気に入られてる

というか 会長はきっと絡みたく ないんだろうな

サヤ


ケンシくんの彼女に
なってもいいのに

カナタ

!?
さらっと…

ケンシ

前も断ったじゃん
前も…というより

ケンシ

何度も…

カナタ

な、何度も…

サヤ

ちんちくりんは
黙っててよ!

カナタ

ぴえん

まじ怖い おれ抜きで 他でやって…

サヤ

アヤメ呼ぼうよ

ケンシ

ヤダ

サヤ

え〜!
前はあんなに仲良かったのに!

ケンシ

あの時はあの時
今は今!

サヤ

ちぇ〜
つまんないの

サヤ

アヤメばっかり
来るけど
アヤメばっかり見てても
つまんないし

ケンシ

しょーがねーじゃん
親戚なんだしよ

サヤ

あーーーー
つまんないーーー

ケンシ

早くベッド戻れよ

サヤ

ヤダー

やっぱ… 面倒くさい子だな…

おれ 置いてけぼりだし

何気に 会長 おれの上にうつ伏せのままだし

看護師

夕食の時間ですよー

看護師

ベッド戻って〜

サヤ

え〜
私ここで食べる!

カナタ

えええええ!?

看護師

だめですよ〜
自分のところで
お願いしますね

サヤ

なによ!
ケチケチ!

サヤ

ケチ看護師!

看護師

はいはい

サヤさんは強引に 看護師さんに戻された

カナタ

助かった…

そう小声でボヤいた 彼女に聞こえるのは こわすぎる

ケンシ

ははは
災難だったな

カナタ

会長のせい

ケンシ

俺わるくねーじゃん

カナタ

ていうか!
いい加減どいて下さい!

ケンシ

ヤダ

ケンシ

お前のマネ

カナタ

ヤダ

カナタ

マネシナイデ

ケンシ

俺だけが
独占できる
唯一の時間

カナタ

いや、夕食の時間ですので

ケンシ

つまんねーの

看護師

広坂くんご飯どうぞ〜

看護師

よく噛んで食べてね
消化器刺激しないように

カナタ

ありがとうございます

看護師

上手く行けば
明後日退院になるよ

カナタ

あっ!
マジっすか!

カナタ

やったー!

看護師

うん
だから無理しないでねぇ

カナタ

了解でありますっ!

カナタ

はい
会長

カナタ

どいてどいて

ケンシ

しょうがねぇな

ぜんぜんぜんぜん しょうがなくない!

カナタ

ったく!
見られてたら
食べづらいったら

カナタ

ありゃしないわ〜

そう 遠慮なく おれの食事姿を 眺める

ご飯の味も余りわからないくらい 緊張する

ケンシ

ねぇ

ケンシ

おいしい?

カナタ

ねぇとか
使うんすね

ケンシ

お前にはな

カナタ

俺に甘い台詞とか
いらないっす

むしろ おれが ヒカルに 言いたい

誰かさんのせいで あんまり味のしない食事を 終えた

ケンシ

持ってってやるよ

カナタ

自分で出来るけど

ケンシ

やってやるって

カナタ

えー

ケンシ

一応病人だしな

カナタ

気を遣われる
恐怖…

ケンシ

ははは

そう言いながら 会長はおれの食器を 戻しに行った

カナタ

あーもう

カナタ

調子狂う

ケンシ

お待たせ

カナタ

待ってない

秒で帰ってきたしな

返却場所 そこまで近くないはず なのに…………

ケンシ

さて
サヤちゃんが
来る前に

ケンシ

退散するか

カナタ

ええまぁ
そのほうがいいっすね

ケンシ

もう少し優しくしてくれよ

カナタ

ヤダー

ケンシ

しょうがないか…

そう言うと 会長は立ち上がった

ケンシ

カナタ

カナタ

キカナイモン

おれは頰を膨らませて そっぽ向いた

会長は そんなおれに 抱きついてきた

カナタ

やっ…

ケンシ

ごめん

おれの耳元でそうつぶやいた

ケンシ

でも少しだけ…
頼む…

カナタ

そんな声で そんなこと言われたら 動けなくなる

おれを抱きしめる腕は 少し震えてた

ケンシ

じゃあ…

ケンシ

明後日退院できるといいな

カナタ

あ、
う、うん…

そう言って病室を出ていった

カナタ

何で 震えてたんだろう

サヤ

けんしく〜ん

サヤさん勢い良く登場

しんみりした空気は一変

カナタ

あっ
あのぅ〜…

サヤ

あれぇ!
いない!!

カナタ

かかかかか…

カナタ

カエリマシタ…

サヤ

なんでぇ〜

サヤ

何で言ってくれなかったの〜!

カナタ

いや、
それは
本人に…

カナタ

きいて…

サヤ

え〜〜〜ん
つまんな〜〜〜〜い

そう言いながらおれのほほを 何故かつねってきた

カナタ

い゛でででででで

サヤ

もう!
むかつくぅ!

カナタ

俺悪くないのにぃ

サヤ

あんたのせい!

カナタ

えぇ〜(泣

サヤ

ケンシくん待たせてなかったもん!

カナタ

時間的に流石に
帰りますよ…

カナタ

えぇ…

サヤ

関係ないもん!

カナタ

なんつーわがままっ!

サヤ

はぁ?

カナタ

いやっ!
えっと…

サヤ

あんた!
私の相手しなさい!

カナタ

えぇ〜〜〜〜

もんのすごく 強引 おれ泣きそう

カナタ

なに…なさるんで…

サヤ

げーむ!

カナタ

はいぃ??

サヤ

私のところに
きなさい!

こうしておれは 消灯時間まで

サヤさんにカードゲームや 対戦アプリなどに付き合わされる 羽目になった

看護師

二人とも〜そろそろ
消灯時間時間ですよ〜

カナタ

はーい!

おれはこれでもかと 元気よく返事をした

サヤ

え〜〜

看護師

サヤちゃん
今日は遊んでもらえて
良かったじゃん

サヤ

は?子供扱いしないでよ

看護師

ごめんごめん

看護師

でも時間だから

サヤ

ちぇ〜

カナタ

じゃ、じゃあ
おれ…

カナタ

自分の所に戻る
ですます

そそくさと退散退散

看護師さんは サヤさんのカーテンをシャッと 閉めた

そしてこっちに向かって 来たとき おれの肩をポンと叩いて

指で廊下に来るように合図した

カナタ

あべぇ
トイレ行きたくなってきた

カナタ

トイレトイレ

誤魔化しながら廊下へ行く

看護師

広坂くん
ありがとうね

カナタ

え?

看護師

サヤちゃんが
あんなに楽しそうなの
久し振りだよ

カナタ

楽しそうというか
ちょっとイジメに近かった
ですけど…

看護師

彼女は愛情表現が
下手というか

看護師

入院が長いし
退院してもすぐ入院
になっちゃって

看護師

思うように行かないから
ストレスが溜まっちゃうんだろうね

カナタ

それ俺に向けられても(汗

看護師

広坂くんだから
だよ

カナタ

なんでですのん

看護師

あんな性格で
自分のうちがこの病院の
経営者で院長だし

カナタ

うへぇ…
ごりっぱですなぁ

看護師

彼女を受け入れられる人も
彼女が受け入れられる人も

看護師

中々いなくてね

カナタ

ソリャ
ソウデショウヨ…

看護師

んまぁ…

看護師

でもアヤメくんが
広坂くんを推したんだよね

カナタ

いやはや
また迷惑な…

看護師

そうかもしれないけど
やっぱこんな広い病室で
一人だし

看護師

個室はヤダっていうし

カナタ

変なワガママ…

看護師

何か
誰か自分を
受け入れてくれる人を
まってるのかなー?って

カナタ

俺…
イジられてただけっす

看護師

でもね
彼女

看護師

人と話すことが
殆どないんだよね

カナタ

エ゛

カナタ

説得力皆無

看護師

ははははは…

看護師

照れ隠しじゃないかな?

カナタ

カワイクナイ…

看護師

まぁでもさ
広坂くんはあと少しで

看護師

退院になるから
ちょっとでもサヤちゃんに
優しくしてあげて欲しいな

カナタ

う〜〜〜〜

カナタ

これが原因で
のびたり

看護師

しないよ〜(笑

カナタ

なぜ言い切れる…

看護師

まぁそういうことだから
頼むね

看護師

俺、見回りあるし!

と言いながら隣の病室に しれ〜っと消えていった

カナタ

酷い…

カナタ

と…とりあえず…

カナタ

寝ようかな…………

消灯時間だし 寝るしかない!

カナタ

ふぁ〜

カナタ

もう朝かぁ…

カナタ

天気がよろしいのに
何故か
何故だか

カナタ

ゆーーーうつぅーーーー

「優しくしてあげて欲しいな」

なんて…

看護師

おはようございま〜す

看護師

体温と血圧測りますよ〜

カナタ

おはよう…
ござます

看護師

広坂くん
日本語がっ

カナタ

なんだか
よく眠れたような
違うような…

看護師

あらぁ
でも今日先生の回診終わったら

看護師

明日退院なので
元気よく行きましょう!

カナタ

はいぃ〜

看護師さんは元気だなぁ

看護師

はい!
いいですよ〜

カナタ

ありがとうございます

看護師

じゃあ
サヤちゃん

看護師

あれ?
寝てるわね

カナタ

カナタ

どうかしたんですか?

看護師

いつもなら
起きてるけど
ぐっすり寝てる

看護師

脈とか血圧も問題なさそう
だから

カナタ

本当に大丈夫ですか?

看護師

たぶん
昨日はしゃいだから
疲れたのね

カナタ

そんなことで!?
大したことしてなっ

看護師

うん
でもね

看護師

やっぱり入院生活が
長かったりすると

看護師

体力も落ちちゃうし
逆に

看護師

楽しかったことがあったから
ぐっすり眠れるって

看護師

凄くいい事よ
免疫力も上がるし

カナタ

そ、そうなんですね

看護師

やっぱり
広坂くんのお陰ね

看護師

昨日の楽しそうな声
聞いてたら
私、

看護師

ちょっと泣きそうになっちゃった

カナタ

そこまで!?

看護師

そりゃそうよ〜

看護師

年頃の女の子だし
オシャレしたり
友達とスイーツ食べたり

看護師

やりたいこと
たくさんあると思うわよ

カナタ

そっかぁ…
確かに言われてみると…

看護師

うん
じゃあよろしくね

カナタ

ちょっ!

行ってしまった

看護師さんは話を切り上げるのが うますぎでしょ…

カナタ

とりあえず
二度寝しようかな…

おれは特にすることもなかったから 再び寝ることにした

ねえっ!

ねえってば!!

誰かがおれをバチバチ叩いてきた

カナタ

誰だよ〜
もぅ〜

サヤ

いつまで寝てるのよ!

カナタ

!!!!!

カナタ

キャー!
ヘンタイだわっ!

サヤ

キモ〜…

カナタ

叩いた上に蔑むとか
酷くない?

サヤ

うるさいわね

カナタ

ナニカ…
ごようでデスカ…

サヤ

外いこ
外!
中庭!

カナタ

えっ
なぜに

サヤ

先生からはいいって
言われたから!

カナタ

いや、えっと
ボク…
検査が…

サヤ

帰ってきてから出来るように
お願いしといたから
心配無用だわよ!

カナタ

えっ…えとーーーーーーーーーー

朝ご飯は? 検査がなんだって? 今何時??

そんなおれの思考中を ぶった切りながら サヤさんはおれの腕を強引に 持って外へ連れ出された

カナタ

ひぃー

でも

この子の力は 思った以上に弱かった

カナタ

サヤさん…

彼女は芝生の上に仰向けで 寝転がった

サヤ

はー気持ちいい

サヤ

芝生の緑の匂い

サヤ

風が顔を撫でるように吹く感じ

サヤ

建物の中から見る景色とは
全然違う青い空

彼女は一言一言 噛みしめているようだった 言った言葉とその状況を 全身で受け止めるかのように

サヤ

大人がいない
外の空気凄くいい

サヤ

あんたもこっちきて
寝てみなよ

カナタ

あ、う…うん…

言われるがまま 横にねころがった

サヤ

ずっと大人が周りにいて
外に出るときも

サヤ

だからなんの自由も感じない

サヤ

今日久し振りに
大人じゃない人と
外にでた

カナタ

クガサンだっているじゃん

サヤ

アヤメは親戚だけど
慣れすぎてて
つまんない

サヤ

もう大人みたいなもんだしさ

カナタ

まぁ…
確かに年の割には
はっちゃけてない
というか…

おれが言うのもおかしい話だけど…

サヤ

でしょー?

サヤ

ケンシくん来てくれたら
全然いいのにさぁ!

カナタ

そっそれは
なんとも…
俺には…

サヤ

ケンシくんって
アンタのなんなの??

カナタ

なんなのって…

カナタ

学校が同じで
たまたま生徒会の役員に
なってしまって

カナタ

んでまぁ
俺は入院することになったから

カナタ

生徒代表みたいな?

誤魔化し方100点!

サヤ

ふぅ〜ん

サヤ

ケンシくんそんな
生徒代表って感じで来てた
感じしなかったけど…

カナタ

そっ…
そう???
かな…?

サヤ

フン
まぁいいわよ!

カナタ

は、はい…

サヤ

あんたさ
好きな人居るんでしょ?

カナタ

えっ?

サヤ

わかるわよ
そのくらい!

年下にわかるって言われると すげー腑に落ちない!!!

サヤ

いいね
その人

サヤ

付き合ってるの?

カナタ

えっと…
まぁそういう感じに

カナタ

なったばっか
というか…

昨日確かめあったばかりだし!

サヤ

羨ましい
その人が

カナタ

え?なんで?

サヤ

アンタと付き合える
それが羨ましいってこと

カナタ

ええっ!?
えっとなんか

カナタ

凄い暴露!

サヤ

は?

カナタ

あっ…ごめんなさい…

なんで怒られてるのぉ〜〜〜

サヤ

ねぇ
相手はどんな人?

カナタ

そんなことに言わなきゃ
いけないの!?

サヤ

いいじゃん
減るもんじゃないし!

減る減らないじゃなくて 噂好きのオバサンみたいになってるよ!

カナタ

えっと…あの…

サヤ

いいなさいよ!

カナタ

はっ!
はい!

カナタ

んと…
すごく頭がよくて

サヤ

頭が良くて?

カナタ

背が高くてスラッ
としてて

サヤ

スラッとしてて?

カナタ

笑顔が可愛くて

サヤ

可愛くて?

カナタ

んー…何だろう…

カナタ

本当に
ひと目見てトキメイた
って感じ

サヤ

へぇ〜!

めっちゃ尋問みたい…

サヤ

私も誰かと付き合うとか
してみたいな…

カナタ

そっか 入退院と大人ばかりって

出会いがないのか…

おれは気の利いたことなど 言えるはずもなく ただ黙ってるしかなかった

サヤ

ねぇ

サヤさんがこっちを向いて 話しかけてきた

カナタ

な、なんでしょう…?

サヤ

あたしを可哀想なんて
思わなくていいから

一人称がわたしだったりあたしだったり

そんなことどうでもいいか…

カナタ

そうなの?
なんで?

カナタ

なんでっていうのも
変か…

サヤ

可哀想って思われるのが
一番哀れじゃん

カナタ

まぁ確かに

カナタ

好きな人って
いるの?

カナタ

病院で見かけて
いいなーって思う人とか

サヤ

まぁ
かっこいいなって思う人は
大体誰かのお見舞いだしね

カナタ

あ…そか…

なんつーか ほんと駄目だな おれ…

サヤ

ケンシくんもカッコイイけど
脈なしだしさー

カナタ

!?

何かおれのこと じとーっとみてますけどぉ

カナタ

会長はど、どういう人が
タイプなん…だろうね…

サヤ

さぁね〜

サヤ

あんなに顔はアヤメに勝ってる
頭は少し劣るけどスポーツ出来そうだし

サヤ

彼女いないとか
すごく謎!

会長 微妙にディスられてます

カナタ

学校だと女子が毎日
会長の周りに居るけどね

サヤ

へぇ〜まぁファンとか
たくさんいるだろうね

カナタ

そうだね
凄いよほんとに

カナタ

でも告っても断られる
って女子の中では常に
話題になってるよ

サヤ

断られるのについてく女の子って
すっごくハート強いね

カナタ

ははは
そうだね

カナタ

まぁたぶん
断られる前提だからだろうね

サヤ

あー
わかる気がする

サヤさんも同じパターンだったっけ…

カナタ

会長に対して
本気なの?

サヤ

本気かどうかって聞かれると
たぶん違う

サヤ

最初はその気だったかもしれないけど
今は

サヤ

挨拶みたいなものかな?

屈託のない笑顔で サヤさんは会長のことを 語った

でも本気じゃないって その話は本当だとわかった

カナタ

まぁ、そろそろ
その挨拶は
止めたほうが

カナタ

いいかもしれないね

サヤ

うーん…
しつこくするのも
迷惑かなぁ?

サヤ

そうだね
これからは普通にしようかな

なんだか やけに 素直ではないか!

そう この子は素直なら かわいい

この子はというか 素直な子はみんな 可愛いと思う

カナタ

そうだね
それがいい

この澄んだ空が サヤさんの心も

サヤさんに対して嫌だなと 思ってたおれの気持ちも

流されていく雲のように 流されていったような感覚になった

サヤ

なんかアヤメが
アンタをあたしの
同室にした理由が

サヤ

少しわかったきがする

カナタ

そ、そう???

カナタ

というか何で
サヤさんは俺をOKしたの?

サヤ

なんで…
うーん

サヤ

アヤメの話聞いてたから
かなぁ?

カナタ

どんな…?

サヤ

えー
何だったっけ

カナタ

ゴクッ…

サヤ

すっごく平凡な
高校生だったかなぁ?

カナタ

えぇっ!

カナタ

それだけ!?
しかもいいこと言われてない!

サヤ

あははははは

サヤ

もう忘れちゃった
人にあんまり興味が
なかったからさぁ〜

カナタ

そ、そっか…

サヤ

(本当は
他人を庇って自分を犠牲にしてまで
何かを守ろうとしたり)

サヤ

(たくさん見てきた大人たちと
違って本当に良い奴だって)

サヤ

(こんな高校生中々いないから
ちょっとだけ同室に
なってみれば?って)

サヤ

(いつもと違うアヤメに言われて
気になったんだよね)

カナタ

さん…

カナタ

サヤさーーーーーん

サヤ

あっ
なに??

カナタ

そんな忘れた理由で
俺と一緒にあの広い
病室で…

サヤ

うーん
なんだったっけ?
ほんとに忘れちゃった〜

サヤ

疲れてるのかなぁ?

カナタ

あっ!そっ…
そっか…

カナタ

普段からあんまりない
状況だから疲れちゃったよね

カナタ

そろそろ
びょ…病室に戻る?

サヤ

何いってんの?
まだ全然満喫してない!

カナタ

えぇーーーーーー

サヤ

もう少しここにいる!

カナタ

はっはいぃ…

こうしておれの最後の 入院生活は終わろうとしていた

俺と…委員長と…

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