あの日から私たちは何回か会っていた
障害を持っていて、車椅子だという私に会ってくれる彼に恋心が芽生えていた頃
秋也
俺、好きな人出来たんだよね
唐突にそんな話をしてきた
茉莉
へぇ〜!いいじゃん!どんな子?
正直すごく落ち込んだ
せっかく恋が出来ると思ったのに
こんなに会ってくれてこんなに優しくしてくれるのに
話を聞いていると相手は健常者らしい
茉莉
(心の声:そりゃそうだよね…)
健常者の人が健常者の人と付き合うのが一番幸せだと考えている
ならば…
茉莉
(心の声:私が諦めたらいい話だよね)
その日から、私は自分から連絡したり、会うのを誘ったりするのを控えた
あれからしばらく経っても相変わらず彼は普通に接してくれている
茉莉
(心の声:そんなのいつまでもこの気持ち忘れられないじゃん…)
そんな時、ある事件が起こった