この世界は誰もが羽を持って生まれる
だけど世界で1人だけ
黒い羽
の持ち主がいる
黒い羽は不幸の羽
これは僕達兄弟の話だ
隙だらけの背中に羽はない
仏
兄さん!
if
ん?
大きな傷が残っているだけ
仏
兄さんはなんで羽がないの?
if
訳あって無くしちゃったんだニコ
仏
へぇ〜
少し前に聞いたばかり
仏
ねぇ兄さん
if
どうした?ニコ
仏
僕達には1人に1色の羽を与えられて生きているでしょ
if
……うん
仏
兄さんの羽は何色だったの?
if
………ニコ
笑って貴方は答えない
隙だらけの背中に羽はない
大きな傷が残っているだけ
あなたが自分で切り落としたと
少し前に知った
仏
ばかり(ボソッ)
仏
僕達はなぜ1人に1色の羽が与えられて生きてるの?
if
ッ……
仏
羽のある兄さんはどんなんだったのな
仏
もう二度と浮かべたりしないよニコ
if
ッ……ポロ
仏
(僕、兄さんに隠し事をしている)
仏
(私は羽を与えることができる)
仏
(その代わり僕の羽は無くなるけど)
仏
兄さんにならあげてもいいよニコ
仏
(兄さんにはどんな色が似合うだろ)
仏
(僕の水色は兄さんに似合うかな?)
冗談めかし そんなこと言ったら貴方は見たことない顔して
if
……今すぐ失せろ
といった
仏
ッ
if
(俺は仏に隠し事をしている)
if
(俺は昔羽を与えることができた)
if
(君を彩っている水色は)
if
(本来仏の色なんかじゃない)
仏
……
if
ッ……!
初めてあった君の羽は
見たことないほど
黒い
色をしていた
if
……黒い羽は……
不幸を呼ぶ噂
if
(仏はいつも同じ顔して)
仏
「消えたいニコ」
と呟いていた
if
違うよ消えるべきは仏じゃなくて
その漆黒の羽の方だろ?
if
記憶と引き換えに……羽の色が変わるなら
if
そうしたいと思うか?
仏
え?ポロポロ
if
(仏にはどんな色が似合うだろ)
if
(ごめんな俺に選ぶ力はないよ)
if
(でも俺の水色はきっと君に似合うだろ)
if
(さようなら)
if
(また今度、「初めてあったら」)
if
(素敵な羽だと笑顔で褒めてやるよ)
仏
ポロポロ
仏
スゥスゥ
if
……
泣き疲れて眠っている君に
そっと移し変えるために
俺はとびきり大きい刃物を
if
ガクガク
震える手で背中にあて
羽を切り落とした
if
ゔぐ
if
ポタポタ
隙だらけの背中に羽はない
大きな傷が残っているだけ
if
訳あって無くしちゃったんだニコ
仏
へぇ〜
少し前に
if
仏に言ったばかりニコ(ボソッ)