お兄ちゃんの背中は
隙だらけで
羽がない
大きな傷が残っているだけ
お兄ちゃんは
サピア
訳あって無くしちゃったんだ笑
って少し前に聞いたばかり
アーク
私たちは1人に1色の
アーク
羽を与えられて生きている
アーク
お兄ちゃんの羽って何色だった?
サピア
ん〜忘れちゃった笑
アーク
いつもお兄ちゃんは笑って答えない
アーク
私実はお兄ちゃんに隠し事してたの
サピア
ん?
アーク
私は人に羽を与えることができるの!
アーク
すごいでしょ!
アーク
その代わり私の羽は無くなっちゃうけど…
アーク
お兄ちゃんにならあげてもいい!
サピア
…
アーク
お兄ちゃんにはどんな色の羽が似合うかな〜!
アーク
私のこの黄金色の羽はお兄ちゃんにも似合うかな〜?笑
アーク
私は冗談のつもりで言った
アーク
お兄ちゃんにすごいねって言って欲しくて
アーク
笑って欲しくて
アーク
だけど…
アーク
お兄ちゃんは私が今まで見た事のない顔をして…
サピア
……
サピア
今すぐ失せろ
アーク
ッ!
アーク
お兄ちゃんのあんな表情
アーク
初めて見た
アーク
怖くはなかった
アーク
ただ…
アーク
寂しかった……
サピア
隙だらけのこの背中に羽はない
サピア
大きな傷が残ってるだけ
アーク
あれ?この本
アーク
日記?
僕は今日
自分の羽を切り落とした
アーク
お兄ちゃん…
アーク
自分で切り落としたんだ…
アーク
日記を見て初めて知った…
アーク
お兄ちゃんの背中に羽がない理由
アーク
ねぇお兄ちゃん…
サピア
なんだ
アーク
昨日はごめんなさい…
サピア
いや僕こそごめんな
サピア
言いすぎた…
アーク
ねぇお兄ちゃん
アーク
どうして私達は
アーク
1人に1色の羽を与えられて生きているの?
アーク
羽があるお兄ちゃんはどんな感じだったの?
サピア
もうその話はやめてくれ
サピア
聞きたくない…
アーク
ごめん…
アーク
もう二度と聞きません…
サピア
僕はアークに
サピア
隠し事をしている…
サピア
僕は昔羽を与えることができた
サピア
あいつを彩ってる
サピア
黄金色の羽は本来
サピア
あいつの色なんかじゃない
サピア
初めてあったあいつの羽は
サピア
見たことの無いほど黒い色をしてた
サピア
黒い翼は不幸を呼ぶ噂っていう迷信を
サピア
世の中は信じてた
サピア
だからあいつは
サピア
いつもみんなと避けて暮らしてた
サピア
邪険にされ
サピア
時には暴力だって
サピア
しかもあいつは
サピア
いつも同じ顔をして
アーク
もう…
アーク
消えたいな
サピア
って呟いてた
サピア
僕は見てられなかった
サピア
違う!
サピア
消えるべきなのは君じゃない!
サピア
その漆黒の羽の方だろ
サピア
誰かわからないが
サピア
もし
サピア
記憶と引き換えに
サピア
羽の色が変わるなら
サピア
そうしたいと願うかい?
サピア
そう聞いたとき
サピア
アークの目から涙が零れたのがわかった
サピア
そこで僕は
サピア
この子がなんと言おうと
サピア
羽の色を変えてあげようと思った
サピア
僕なんかにこの羽が付いていても似合わない
サピア
この子の方がきっと似合う
サピア
だから僕は
サピア
どんな色が似合うだろ
サピア
こんなこと言ってるけど
サピア
僕に選ぶ力は無い
サピア
ごめんね
サピア
でもきっとこの黄金色の羽は
サピア
君に似合う
サピア
さよなら
サピア
名も無き子
サピア
また今度
サピア
初めてあったら
アーク
…
サピア
素敵な羽だねって
サピア
笑顔で褒めてあげるから
アーク
……、
アーク
ぁ…
サピア
泣き疲れて
サピア
あいつが寝た時に
サピア
僕は
サピア
静かに自分の羽と移し替えた
サピア
僕はとびきり大きい刃物を
サピア
震える手で背中に当てて
サピア
羽を切り落とした
アーク
(お兄ちゃんの隙だらけの背中に羽はない)
アーク
(おっきい傷が残ってるだけ)
サピア
訳あって無くしちゃったんだ笑
アーク
それ少し前にも聞いた笑






