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帰路 海

僕達はあの後もずっと海まで走り続けた

僕がヘトヘトになりながら追いかけると 波瑠はケラケラ笑っていた

尚大

はぁ、はぁ...

尚大

やっと、着いた...

波瑠

お疲れ様、齋藤くん

波瑠

いい運動になったでしょ?

尚大

無駄な運動だったよ

僕は息を切らしながら波瑠に聞いた

尚大

君、なんでそんなに走るの早いんだよ

尚大

陸上部か何か?

波瑠

ただの帰宅部だよ

波瑠

走るのが早いのは...いつも逃げ回っているからかなぁ...。

尚大

...何から?

波瑠

支配から?

尚大

どういうことだよ...

波瑠

まあそんなことはいいんだよ

波瑠

海だよ、海!

波瑠

遊ぼうよ!あそこに座って話すのもいいね!

尚大

いや、僕は帰る

波瑠

え〜、なんでよ

波瑠

せっかく来たのに〜

尚大

君に無理やり連れてこられただけだろ

尚大

ほら、鞄返せよ

波瑠

...やだ

尚大

なんでだよ

波瑠

取れるものなら取ってみなよ!

そういうと波瑠はまた走り始めた

僕はまた波瑠を追いかけて鞄を取り返そうと掴みかかる

はしゃぐ波瑠が鞄を頭の上にあげて大きな声で笑っていた

鞄に手を伸ばしたその時、僕は波瑠に覆い被さるような形で同時に倒れてしまった

尚大

あっ...

波瑠

わっ...

顔がものすごく近くになった

尚大

(なんだよこれ、少女漫画じゃないんだから...)

波瑠

...齋藤くん、その傷

尚大

え?

波瑠がじっと見ていたのは僕の首元にある目立つ傷跡だった

シャツで隠していたのに倒れた時に見えてしまったのだ

僕は立ち上がりとっさに傷を隠した

尚大

...見たよな?

波瑠

うん...見た

波瑠

それ、どうしたの?

尚大

別に、関係ないだろ

波瑠

その傷、どうみたって切られた跡だよね

波瑠

...何かあったの?

波瑠

もしかして、いじ...

尚大

いい加減にしろよ!

僕はとっさに大きな声を出してしまった

尚大

今日会ったばかりの相手に教える訳ないだろ

尚大

そうやって人の心に土足で入ってきて人のこと散々振り回して

尚大

君は何がしたいんだよ!

しまったと思った。言いすぎたと。

波瑠

ご、ごめんなさい...

波瑠は怯えた顔をしていた

尚大

え、あ、いや

尚大

怖がらせたかった訳じゃなくて...

波瑠は何も言わないまま走り去った

尚大

(ついカッとなってしまった...)

尚大

(あの顔...)

波瑠のあの怯えた顔はどこかで見たことがあった

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