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有栖川 蒼太
…ここ、どこ？
目を開けたら見たことない景色だった。 視界に広がるのは灰色の空、 灰色のレンガで出来た街並み。
有栖川 蒼太
ガチモンのセピアじゃん…
有栖川 蒼太
（ここでセピア色が濃い茶色だとかいうツッコミは要らないんだけど……）
有栖川 蒼太
異世界…みたいな感じ、かな？
有栖川 蒼太
（夢に見た転生モノ？！とかテンションが上がる感じじゃないな…）
有栖川 蒼太
とりあえず、帰る方法を探さなきゃ…
有栖川 蒼太
（あんな日常でも、姉さんがいるかもしれない世界といないかもしれない世界じゃ全然違うし…）
とりあえず歩くことにしてみた。
有栖川 蒼太
（って言ってもどこに行けばいいんだろう…）
有栖川 蒼太
（とりあえず、情報収集が先かな？）
ここでボクは気がつく。
有栖川 蒼太
（みんな同じ服きてる…？）
黒いローブを来ている人と白い布みたいな服を着てる人しか居ない。
有栖川 蒼太
（なんだっけあれ…ドレープ？）
有栖川 蒼太
（控えめに言って不気味すぎる…）
有栖川 蒼太
（……まぁ人(たち)を見た目で判断しちゃダメだよね）
有栖川 蒼太
あの〜
…………(ｽｯ)
有栖川 蒼太
え、あっちょっと
有栖川 蒼太
……無視された。感じ悪いなぁ
有栖川 蒼太
（いいや、次は白い服の人に声かけてみよ）
有栖川 蒼太
すみませーん！ちょっと道を訪ねたくt
ひぃっ…！ご、ごめんなさい！(ﾀﾞｯ)
有栖川 蒼太
えっ、ちょっと…！？
有栖川 蒼太
……え、ボクなんかした…？
有栖川 蒼太
いや、今の人が対人恐怖症とかだったのかもしれないしね
有栖川 蒼太
次々！
その後も全戦全敗。 声をかけても無視されるか、 逃げられるかの二択。
有栖川 蒼太
もう、なんな…！
有栖川 蒼太
…の
そしてようやく気がつく。
有栖川 蒼太
あれ…？
有栖川 蒼太
（人が、僕を怪訝の目で見てる気が…？）
有栖川 蒼太
（皆、僕を見ながら僕を避けるようにして歩いていってる）
まるで、迷惑な人を見るかのごとく。 まるで、異物を見るかのごとく。
有栖川 蒼太
（こんなの、僕の知ってるファンタジーと違う…）
有栖川 蒼太
（確かに、僕だけ服装が浮いてる…）
有栖川 蒼太
（…まずはこの世界に馴染むところからかな？）
有栖川 蒼太
どっかに服屋とかないかなぁ…
有栖川 蒼太
えっと、今見えるのは…
有栖川 蒼太
大きい時計台と、噴水、ベンチ…
有栖川 蒼太
（皆ずっと歩いて移動してるのに、ベンチとか誰のためなんだろ…）
何気なく視線をやった先、 ベンチで休む人影を見つける。
有栖川 蒼太
…！
有栖川 蒼太
（あの人だけ別の服…！）
有栖川 蒼太
（脳裏のオタクセンサーが言っている！あれはNPCじゃない！）
有栖川 蒼太
（絶対話せる人だ！）
※ゲームのやりすぎ。
有栖川 蒼太
あの！すみません…！
有栖川 蒼太
（うわっ、煙っ…）
自販機の隣のベンチに座っている その人物は、 ベンチの背もたれに 両肩を預けて足を組み、 ふんぞりかえった状態で 天を仰ぎながら 煙草の煙を吐き出していた。
有栖川 蒼太
…っげほ、あの……
あぁ、悪い
今は休憩中なんだ
有栖川 蒼太
（こっち見ないし…）
有栖川 蒼太
（刀…それに、あれは刺青…？）
有栖川 蒼太
（なんかやばそうな見た目…）
有栖川 蒼太
……休憩中のところごめんなさい
有栖川 蒼太
でも、ボク聞きたいことがあって
だからあとに…
……お前、今なんて言った？
有栖川 蒼太
聞きたいことがあって…
ちがう、その前だ
お前自身のことをなんて呼んだ？
有栖川 蒼太
…ボク、でしょうか？
！(ｶﾞﾊﾞｯ)
有栖川 蒼太
うわ？！
そうだよその一人称！
有栖川 蒼太
え？え…？
俺はノワール。この世界で町医者をやってる。ドットーレとかって呼ばれるぜ
有栖川 蒼太
…は、はぁ……
お前さん、名前は？
有栖川 蒼太
…蒼太です。有栖川、蒼太
そうか。よかったなぁお前、一番最初に会ったのが俺で
有栖川 蒼太
え…？どういう、ことですか？
有栖川 蒼太
……あと、煙いんで吸い終わるまでちょっと離れてますね
あー、悪い悪い。ちょっと待っててくれ
蒼太、第一村人発見？しました。
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