莉犬siten
莉犬
ん...ふあぁ、
あの後晩御飯を終えた俺は
"お母さん"の好意で部屋で休ませてもらっていた。
さとみ
ん、眠くなっちゃった?
莉犬
...コクコク
背後から聞こえる声に振り向くと何やらマグカップを持ったさとみくんが居た。
さとみ
ココア作ったんだけど、飲むか?
莉犬
...飲む、!
さとみ
はい、熱いから気をつけてな。
莉犬
...コク
夏、とは言えど
そろそろ肌寒い季節に近づいてきていた。
莉犬
...ゴクゴク
さとみ
どう?美味しい?
莉犬
...うん、暖かくて美味しい。
さとみ
それは良かった、w
暖かいココアは疲れ切った俺の体を癒してくれる様だった。
莉犬
...コクリ、コクリ
さとみ
...w眠たいなら、寝ていーよ。
莉犬
...うん、おやすみなさい、!
さとみ
おやすみ。
さとみくんに挨拶をした俺は
眠気に任せてそのまま寝てしまった。
莉犬
っ、いた、
お母さん
うるっさいのよ!!!
お母さん
あんたなんて..."産むんじゃなかった"
莉犬
っ、ポロポロ
さとみ
...ぬ!
さとみ
...犬!
莉犬
ん、ぁ、?
さとみ
大丈夫か?うなされてたけど...
莉犬
...うん、大丈夫、!
さとみ
...そうか。ほら、学校行こ。
莉犬
うん。
朝から最悪...
でも、薄々分かっていたのかもしれない。
お母さんが"俺の事が大嫌い"って事。
莉犬
...はぁ、"いつも通り"に行かないと。
さとみ
莉犬〜昨日の所来て、!
莉犬
はーい!
急いで準備して昨日の場所に行く。
相変わらず広くて迷子になりそうだ。
莉犬
え...と、?
お母様
あら、莉犬さん!こっちにいらっしゃい?
莉犬
は、はい!
お母様
莉犬さんは何がお好きなのかしら?
莉犬
俺...お惣菜しか食べたことなくて...
お母様
...そうだったの。じゃあ、今日は私達と同じものでもいい?
莉犬
ぁ、は、はい!
お母様
執事、莉犬さんに同じものをお出しして。
さとみ
莉犬、あーん。
莉犬
っ、!?///あ、あー...
さとみ
美味い?
莉犬
っ、!おいし、
さとみ
そりゃよかった。あ、莉犬の分来たから食べな。
莉犬
...いただきます。
初めて美味しいと感じる物を食べた。
暖かくて、心がポカポカするような、そんな味。
莉犬
ご馳走様でした!
お母様
お粗末さま。さ、2人は学校に行ってらっしゃい。
莉犬
...行ってきます!
さとみ
行ってきます。
お母様
はいはい、笑
初めて、声を返してくれた。
コツコツ
2人の足音が聞こえる。
さとみ
...なぁ、莉犬って学校から帰ってからどんな生活をしてたんだ?
莉犬
学校から帰ってから...?え、と...まずバイト5時間行って、家事全般して、ご飯を手短に済ませて、勉強...ってかんじだったよ。
さとみ
...まじ?
莉犬
...?うん。
さとみ
...いや、...?
莉犬
...?どうしたの?
さとみ
莉犬の母さんって..."仕事"してた?
莉犬
...うん。一応してた。
さとみ
そっか。どんくらい?
莉犬
...え、と...2時間くらい。
さとみ
(おかしい...たったの2時間で生活できてるなんて...)
莉犬
どうかしたの?
さとみ
いや、ちょっと気になっただけ。さ、早く行こ。
莉犬
...?うん!
♡1200〜







