夢と悪夢と神様と

やっぱり闘うことになってしまうのか。

僕はLOXの「反逆者」。

こいつから逃げないといけない。

殺して逃げてはいけない。 だって、「現行犯」で援軍に捕まるから。

ただ逃げてはいけない。 町の人を人質にするかもしれないから。

だから僕の最適解は…

町の人を守って、 逃げること。

素早く武器を構える。 本来、この武器はLOXから支給された 武器になるが、僕はこれが使いやすい。

こいつがオレを殺しても、 増援に「現行犯」で捕まるだけだ…

こいつを挑発して、 殺されるように誘導すれば…

どうせ、何か企んでいるだろう。

援軍も来るかもしれない。

短期決戦だ。

ザッ

痛いとこついてくるな。こいつ。

実際そう。

座学に関しては自信がある。 戦闘面では、人と合わせることが苦手で なかなかうまくいかない。

本当だったら、数の暴力ですぐなのに。

それがLOXの主な戦術。 大人数なことを活かして叩き潰す。

僕はそれができない。

いった…

…………………………

戦闘が続く。 痣や傷が増えていく。

ボスは呆れ顔で僕らの仲裁に入った。

ずっとポカンとしていた。

確かに「嫌ならやめてもいい。」 とボスは言っていた。

そして反対する者もいると言っていた。 それがあの職員。許したのはボス。

「捕獲はボスが命令した時。」

つまり、僕は一時的に許されている。

いつかは許されなくなるってことか。

ボスに短く挨拶をして去っていった。

さっき怯えていた市民の女性たちに 深々とお辞儀をした。僕も真似した。

職員とは真逆の方向に走り去った。

手を前に組み、祈るように 僕に挨拶してくれた。

僕の背丈くらいの大きさの杖を どこからか取り出した。

そして僕に突きつける。

反射的にゆっくり両腕を上げる。 これは「降参」の意味。

再び杖を突きつけた後、 鋭い閃光が僕の目に飛び込んだ。

↑お前

デュエルスタンバイ！