黒霧のゲートが閉じ、暗闇の中を抜けると――そこはヴィラン連合のアジト。空気は血の匂いと鉄の錆の臭いで重く、皆傷だらけで戻ってきた。
死柄木弔
チッ……クソッ……!

死柄木弔
脳無までやられて……!
またオールマイトに!!

コンプレス
さすがの我々も、あの化け物には勝てなかったな……

トゥワイス
役立たずだ!いや違う!氷華がいなきゃもっと酷いことになってた!

スピナー
オールマイト相手に、ここまで粘れたんだ…、。

氷華
ごめんなさい……!
私もっと役に立てると思ったのにッ……!

氷華
結局オールマイトに全部やられて、脳無まで……

死柄木弔
……氷華。

死柄木弔
俺たちは捨てられた側の人間だ。だから見捨てたヤツら全部壊すんだ

荼毘
今回負けてもまた次がある

荼毘
こうして皆で戻ってこれたんだ。顔を上げろ氷華

罪悪感や不甲斐なさや悔し涙
我慢していた色々な感情が募った雫を零す。
氷華
弔くん荼毘くん…みんな、

氷華
ありがとう…ッ!!

なんであの時悩んじゃったんだろ。
私の居場所はここしかないのに。ああ、みんなごめんね
私はまだまだ役に立ててないね。
オールフォーワン
やはり苦戦したようだね。

画面越しの声が響くと、場の空気がさらに張り詰める。
死柄木も氷華も思わず顔を上げる
死柄木弔
…先生

オールフォーワン
弔、落ち込むことはない。君たちは十分に役目を果たした。

オールフォーワン
そして氷華。君は見事だったよ。

氷華
…でも私…結局…何も……

オールフォーワン
それは違うよ

オールフォーワン
君が勇敢に“本性”を明かしたことで、ヴィラン連合の存在感は揺るぎないものになった。

オールフォーワン
ヒーローたちはこれから、君を恐れ、惑わされるだろう。

氷華
……ありがとうございますッ…!!

オールフォーワン
さて、君たち。今回の敗北を“学び”に変える時だ。

オールフォーワン
オールマイトの力は想像以上に強大……だが、永遠ではない。彼の“終わり”は確実に近づいている。

氷華
今回の件でもう、雄英には私の存在がバレちゃった。

氷華
どうすればいいんですか…?

荼毘
まぁ、当然だ。あれだけ派手に力を見せつけたんだ。

コンプレス
もう“ただの転校生”じゃ誤魔化せんだろう。

トガヒミコ
でも氷華ちゃんの事を嫌いになったんじゃ無いですよね!

スピナー
だが現実問題として、雄英で潜入はもう無理だろう。

死柄木弔
……次に行くなら正面から敵としてだ。

死柄木弔
バレたならもう隠れる必要はない。

死柄木弔
お前はもう、立派にヴィラン連合の一員だろ。

氷華
…うんッ!!

ヴィラン連合の一員…!!
もう絶対に下手な真似はしない。
足を引っ張らずに次会う時までは訓練しなくちゃ