『好きな天気はなに?』
そう訊くと、大抵の人がこう答えるだろう
『んー やっぱり晴れかな』
小さい子だったらこう答えるかもしれない
『雪! 雪だるま作ったり、 雪合戦できるから!』
でも俺が好きなのは雨。
だって雨の日は______から
ピピピピッ ピピピピッ
無機質な電子音で目を覚ます。
耳を澄ますと、窓に打ち付けられる雨の音がする。
N.
暗い部屋で、俺はぽつりと呟く。
h.
後ろから、不意に懐かしい声が聞こえた。
くるりと後ろを向くと、
2年ほど前に死んでしまったはずの君がいた。
N.
君はまた、俺のもとに還って来てくれたんだね
君の体は半透明で
触れることもできない。
それでも、
N.
h.
N.
思わず涙が出そうになる。
h.
h.
N.
N.
h.
h.
h.
N.
h.
N.
N.
h.
h.
N.
N.
シーザーサラダがほとけっちの...
h.
h.
N.
N.
h.
N.
N.
h.
h.
N.
h.
h.
僕が死んで約2年。
なんでかはわからないけど、半年ぐらい前から
一日中雨が降る日だけこの家に戻ってこれるようになった。
まあ、雨が上がったらないちゃんの記憶から
僕は跡形もなく消えてるっぽいけど。
でもまた前みたいにないちゃんと 過ごせるんだからそんなのどうだっていい。
h.
N.
h.
h.
N.
h.
N.
h.
h.
N.
普通にめっちゃ怖かったよ?
N.
h.
見てみないとわかんないって~
N.
h.
N.
h.
N.
h.
そう言うと ほとけっちはボフッ、っと 音をたててソファにダイブした。
h.
と言うほとけっち。
口でこそ そう言っているものの、 サメ子を強く抱きしめている。
心なしか 手も少し震えている気がする。
N.
h.
俺はほとけっちの手を握ろうとするが、
その手は ほとけっちの手を するり、と通り抜ける。
N.
そっか、触れられないんだった.....
とてつもない孤独感が俺を襲う。
N.
N.
そう自分に言い聞かせ、テレビに向き直った。
h.
サメ子に顔を埋め、 気持ち良さそうに眠るほとけっち。
あれだけ強がっていたのに、結局 半分もいかないうちに泣き疲れて寝てしまった。
N.
N.
寝てるはずなんだけどな…)
まあ、俺とほとけっちが触れられない限りは無理か……
N.
ふと 笑みが零れる。
N.
ほとけっちの寝顔も、 ほとけっちが今 同じ空間に居ることも
全てが懐かしく、愛おしく感じる。
この時間が何時までも続けばいいのに
なんて、叶うわけのない願いが 一つ
俺の中でぐるぐると渦巻いていた。
ふと目に映った空には、一筋の光が射していた
N.
そう思いながら 俺も夢の世界に入っていった
*‥*‥ 後編に続く ‥*‥*