TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

※百合

※ヤンデレ要素多め

さら

へぇー…あの時の監視カメラ、りこちゃんだったんだ

私はコップに注がれたオレンジジュースを飲んだ

オレンジの甘味と酸味が喉を通る

さら

どうりで見つからなかった訳だ

りこ

そりゃまぁ…見つかったら殺されると思ったんで、必死でしたよー

そういってりこはヘラヘラと笑った

だけど目は笑ってない

やっぱりこの子はどこか他人を見下している

さら

(過去に何かあったのか?ハッカーなんてしてるくらいだし)

さら

さら

(いや違うな、これは単に…)

りこ

…?どうしたんですか、急に黙って

りこは少し怪訝そうな顔をした

さら

…あぁ

さら

りこちゃんは純粋に笑わないなーって思って

りこの目が少し動いた

りこ

…純粋に笑ってないって、どういう意味なんですか?

りこは何とか口角を上げているようだが、あからさまに警戒していた

さら

別に喧嘩売っているつもりじゃないよ

私はそう言ってぬるくなったオレンジジュースを一気に飲み干した

さら

だってりこちゃん、性格悪いじゃん

そう彼女はただ単に性格が悪い

常に他人を見下し、利用してきたのだろう

さら

(まぁ、それに見合うだけの世渡りの上手さと能力があるからいいんだけど…)

りこ

りこは黙っていたが、しばらくするとゆっくりと顔を上げた

りこ

あはっ

りこ

それはあんたもでしょ?さらさん

さら

!…

彼女の笑みはまさに嘲笑だった

さら

…はぁ、割と度胸あるんだね

りこ

まぁ、少しは気が強くないとやってけないんでね

さら

(少しどころじゃ無いと思うけど…)

りこ

それにさらさんは私よりタチが悪いですよねー

さら

…?

さら

どういうこと?

りこ

ほら子供ってまだ倫理とか知らないから、たまに生き物に対して結構酷いことするじゃないですか

さら

?うん…

りこ

それと同じ感じがするんですよね

りこ

なんていうか…

純粋さ故の残酷さって感じ

さら

さら

つまり私が子供ってこと?

りこ

まぁそういうことですねー

りこは揶揄うように笑った

でも楽しそうだった

さら

(少し気に障るけど…まぁいいか、良好な関係を築けるなら…)

さき

ぅ…んん

目が覚めた

もう外は暗くなっている

さき

(あー…懐かしい夢だったな)

下の階から笑い声が聞こえてきた

さき

(明日も学校あるし、課題もまだ残ってる…もう帰ろう)

さき

はぁ…

りこ

さらさんって年収どんくらいなんですかー?

ドアの向こうから楽しそうな声が聞こえる

さき

(年収については少し知りたいな…全然教えてもらえないし)

さら

ん、いや、平均くらいだよ

りこ

えぇ?じゃあなんで重役に気に入られてんの?

さら

あー、運良く弱み握れたりしたんだよね

さら

…だいたいは枕だけど

りこ

あはっ、ほんと権力の為ならなんでもするんですねー

さら

だって一番手っ取り早いだもん

さき

…?

さき

(枕…枕営業??)

さき

(えぇ?!そんなことしてたの?いつから?誰と?)

さき

さき

(とりあえず直接話を聞かないと…)

私はドアを開けた

りこ

あっ、さき!

さら

…あぁ、寝てたの?

さき

うん…もう帰ろう…

りこ

いやいや、これからさきの問題について話そうと…

さき

あぁ大丈夫大丈夫!そんなのどうでも良いから!

りこ

どうでもいいの?!

さら

そうだよ、まだゆっくりして…

さき

それより重要なことがあるの!

私は姉の手を掴んで無理やり引っ張った

さら

ちょっと痛い痛い!

さき

じゃあね、りこ!今日はありがとう

りこ

あ、うん、じゃあねー

さら

力加減考えて?!

さら

ちょっと…何?急いで帰ってきて

私はコートを椅子に掛け、ソファーに座った

さき

何はこっちのセリフ、枕してるってどういうこと?

さら

(…!あっ…やば、聞かれてたのか)

さら

(どうにか誤魔化せないかな…)

さら

はぁ?なんのこと?

私はなるべく顔に出ないよう平然を装った

さき

とぼけないでよ、ちゃんと聞いてたんだから!

だがこれ以上何かいっても無駄そうだ、私は正直に話した

さら

…まぁ、うん。間違いじゃないよ

さき

ほら!やっぱり…

さら

でも!さきには関係ないでしょ?全部自分のことだし

さき

…はぁ?

さきは怒っているような呆れているような顔をした

さら

(あ…思い出した…この感じは)

昔はお姉ちゃんと言いながら、いつも私にだけニコニコしていた

そして異常なくらい過保護だった

いわゆるシスコン

さら

(はぁ…こんなに反抗期なのに…やっぱり人の本質は変わらないんだね)

さき

危ないことはしたらダメっていつも言ってるのに!

さら

(いや、全部ブーメラン…)

さら

(そういえば、LINEもなんだかんだ返ってくるし、年賀状も毎年ちゃんと来るし…)

さき

はぁ…とりあえず、これからはこういうことしないでね

さら

…でも、さきのこと守るには…

さき

…!

さき

私のことなんかより自分のこと大切にして

さき

私ならどうにかなるから

さきはそういって私の目をまっすぐみてきた

その目は慈愛の目だった

さら

さら

(自分のこと…か)

分からない

自分が何者なのか、何がしたいのか

さら

(ただ漠然と上を目指して、そこから何をするんだろう)

さら

(本能のままに動いて、私は昔から何一つ成長していない)

目的なんて無い

私にとって人生はただの遊びだ

それ以上でもそれ以下でも無い

楽しいから他人を蹴落として、騙して、滅茶苦茶にしてきた

さら

(…あーあ)

私には愛は相応しく無い

私は目線を外した

【創作百合】 ‪‪❤︎‬ ヤンデレちゃんは恋してしまう ❤︎

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

211

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚