テラーノベル
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昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴っても、 胸のざわつきは全然、収まらなかった。
…じゃあ、またね
そう言って去っていったあいつの背中を、俺は最後まで見送れなかった。
机に戻ると、隣の席はもう空いている。
さっきまでそこにいたはずなのに、 やけに距離がある気がした。
うり
理由ははっきりしてる。
昨日の廊下。
別に、大したことじゃなかった。
クラスの女子に呼び止められて、 テストの範囲の話を少ししただけ。
でも。
そのとき、ちょうどあいつが角を曲がってきた。
目が合った、と思った。
けど次の瞬間、 あいつは何も言わずに視線を逸した。
その顔が、俺の知らない表情だった。
怒ってるわけでも、悲しそうなわけでもない。
ただ⸺
距離を置くみたいな、 「見ない」って決めた顔。
うり
教室に戻ってきたあいつは、いつもより静かだった。
話しかけても、 「うん」「別に」「そうなんだ」 短い言葉だけ。
俺のほうを見ない。
それだけで、心臓がきゅっと締めつけられる。
言えばいいのに。 何もなかったって。
でも、そんなこと説明する立場でもない。
幼馴染でもない。 彼氏でもない。 ただの、隣の席。
うり
俺はシャーペンを転がしながら、 黒板を見ているふりをした。
あいつが他の誰かと話す声が、やけに遠く聞こえる。
うり
うり
自分でも驚くくらい、感情がうるさかった。
放課後。
あいつはいつもより早く席を立った。
俺に声をかけることもなく。
その背中を見て、思わず立ち上がろうとして ⸺やめた。
追いかけて、何て言う?
「誤解だよ」って? 「気にしないで」って?
どれも、今の関係には近すぎる。
結局、何も言えないまま。
教室に残った俺は、空になった隣の席を見つめた。
うり
理由は分からない。
名前をつける気もない。
ただ、 あいつに向けられたあの「知らない顔」を、 もう一度見るのが、怖かった。
コメント
2件
ほんとに発想が天才すぎます😖💞この作品みてたらニヤニヤが止まらないです😻ヤバいです😻 続き待ってます♪