恋のトラップ

え？嘘でしょ、そんなに翔くんの話してた僕？

呆れたように言う希菜 でも味わったことの無い胸の中の違和感に

僕は否定する事が出来なかった

まだこの気持ちには蓋をしておきたい

最後の言葉は口には出さなかった

廊下を歩いている時だった

希菜が目を向ける先には翔くんと先輩らしき女の人 これって……

冷静を装ったが、まだちょっとだけ違和感

何回目だろう 翔くんがまたお昼休みに話しかけてきた

そう言って彼がみせてきたのは

″カップル限定！スイーツ食べ放題半額!!″の文字のチラシ

今日、お金払うから！と言うと勢いよく言う彼

は？いやいやいやそう言う問題じゃ無くて

しかも今日って、と否定するけど

｢そこをなんとか！莉乃さんしか頼めないんです！｣という 彼に僕は断れずにいた

あ…しまった つい口が滑って言ってしまった…

しかもなんかこれヤキモチ妬いてるみたいじゃん 他の子女の子って…

また翔くんにからかわれるそう思って 恐る恐る顔をあげるとそこには 予想とは真反対の満更でもなさそうな彼の顔があった

この話をずっとしてるのも嫌だし…

花が咲いたように笑った

翔くんってそんな笑顔も出来るんだね… あ、勿論いい意味でたよ？

翔くんと関わって見て 彼には色々な一面がある事が分かった 例えば…

そう言いながらスイーツ屋の帰りに寄った ゲームセンターでクレーンゲームをする

彼の才能は本物のだった

僕だったらその2倍はかかるよ…

そう言ってさっきクレーンゲームで撮った 紫色のヘルメットを被ったコアラの ぬいぐるみをくれた

いや、でも耳が真っ赤ですよ？

っと口の中で言ってみた