多々良 新一
…ぁ。
気が付くと、僕は自室のベットで横になっていた。
そして…。
多々良 ハナ
っ…。
多々良 ハル
…新一。
多々良 新一
…お父さん、お母さん。
多々良 ハナ
新一…ごめんね。ごめんね…。
泣きながら僕を抱きしめるお母さんと 必死に涙を堪えてこちらを見ているお父さん。
分かってる。2人がずっと、言いたかったことは。
多々良 新一
…分かってるよ。
多々良 ハナ
えっ…?
多々良 ハル
っ…。
多々良 新一
玲奈はもう、この世にはいない…そうでしょ?
多々良 新一
もう、醒めたよ。
多々良 ハナ
あぁ…!
多々良 ハル
新一…っ
今度は2人して、涙を流して僕を抱きしめる。 約2年間。迷惑をかけたなと申し訳ない気持ちになる。
多々良 新一
っ…。
いつの間にか僕の頬からも、大粒の涙が溢れてきて、 正直、まだ信じたくない。あいたいっていう気持ちの方が強くて。
多々良 新一
っ、玲奈ぁ…!
なんで、本当になんで庇ったんだよ。
多々良 ハル
…なぁ、新一。お墓参りに行かないか。
多々良 新一
えっ…。
多々良 ハナ
ちゃんと、伝えた方がいいと思うの…。
多々良 新一
…うん、行ってくる。
多々良 ハル
…男なら、ちゃんと伝えてきな。
多々良 新一
うん…。
多々良 新一
玲奈、ごめんね。約2年間、僕はずっと信じたくなくて、
ある意味ずっと、会いに来れなかった。
ある意味ずっと、会いに来れなかった。
多々良 新一
…何から言えばいいかな。
多々良 新一
玲奈、怒ってるかな?でも正直、僕だって怒ってるよ。
先にいったこと…でも、守ってくれてありがとうって、
ちゃんと伝えたいんだ。
先にいったこと…でも、守ってくれてありがとうって、
ちゃんと伝えたいんだ。
多々良 新一
ありがとう、玲奈。
あぁ、ダメだ。涙が溢れてきて、とまらない。 玲奈にはこんなカッコ悪い姿、見られたくなかったのに。
多々良 新一
っ…もっと、もっと一緒に居たかったよ。一緒に高校卒業して、
それぞれの夢見つけて追って、叶えて…ずっと一緒にいたかった。
それぞれの夢見つけて追って、叶えて…ずっと一緒にいたかった。
多々良 新一
なのに君ってば、いつも僕より先に進むよね。
昔からずっと、せっかち。
昔からずっと、せっかち。
多々良 新一
でも、いつも決して、僕をおいてはいかずに待ってくれてたよね。
今回だって、待ってほしかったのに…。
今回だって、待ってほしかったのに…。
多々良 新一
いや、違うか、今までずっと待たせてたよね。ごめんね。
何言えばいいんだろ、分からない。分からないけれど、 自然と言葉は溢れてくる。
多々良 新一
多分、今の僕、世界一かっこ悪いかも。
でも君なら、笑ってくれるかな。
でも君なら、笑ってくれるかな。
多々良 新一
この2年間、多分僕には君しか見えてなくってさ、
色んな人に迷惑かけちゃった。
色んな人に迷惑かけちゃった。
多々良 新一
あ、あとさ…これ。
プリン、いるかな。
多々良 新一
君のために買ってたんだよ。ちゃんと食べてね。
多々良 新一
…僕、なりたいもの決まったんだ。だから、
これからはそれに向けて、生きていくよ。
これからはそれに向けて、生きていくよ。
多々良 新一
今までありがとう。玲奈…。
多々良 新一
僕、頑張るからさ、ちゃんと見ててよ。
「大好きだよ」
多々良 新一
最後まで見て下さりありがとうございました。
「2年間、僕には君しか見えなかった」は、
これにて最終回となります。
「2年間、僕には君しか見えなかった」は、
これにて最終回となります。
多々良 新一
短編ストーリーにしようと決めていたので、話を長くしてあまり細かいところまで書けなかったのですが、まぁ個人的には満足。
多々良 新一
他の物語も見てくださると嬉しいです、ではまたね。







