ともか
ねぇ、知ってる?うちの中学の言い伝え
ゆみ
知らな〜い なにそれ〜?
ともか
4時44分44秒に合わせ鏡を見ると吸い込まれるって噂〜
ゆみ
え〜!? 怖〜い!
こころ
ふふふっ… あっははははは! そんな話、ある訳ないじゃん!
ゆみ
えっ!こころちゃん…?聞いてたの…?
こころは男まさりでクラスのボス的な存在。 こころの機嫌を損ねれば、何をされるかわからないのだ。
こころ
だったらさー、本当かどうか試してみてよ〜!
まなみ
そうだね〜!大賛成!
ゆい
やろうやろう!
こころ
もちろん、ともかとゆみもね!
ゆみ
え〜…
ゆみ
っていう訳なんだけど
つばさ
はぁ?それで来いって? こころもいるのに?
ともか
お願い!つばさ!
つばさ
しょーがねぇな〜 まったく…!
放課後
こころ
みんな集まった〜?
こころ
じゃあ、合わせ鏡をのぞいてみましょう〜!
ゆみ
ほ、本当にやるの…?
ゆい
うん、そうに決まってんじゃん。
つばさ
やめとけって…
時計の秒針の音だけが教室に響く。いよいよ、4時44分44秒だ。
まなみが合わせ鏡をのぞく。 しかし、何も起こらなかった。
こころ
ほら、何も起こらないじゃん! ともかの嘘つき〜!
こころはまなみを押しのけ、自分で合わせ鏡をのぞいた。
ゆみ
ん?こころちゃん?
すると突然、こころの首だけが後ろにガクンと動いた。
と、同時に叫んだ。
こころ
ぎゃあああああああ!
こころ
あああああああ! あああああああああああ!
こころは目を剥いたまま、じりじりと鏡に顔を近づけていく。
まなみ
こころちゃん!
まなみたちが名前を呼んでも返事はなく、ただ叫んでいるだけだった。
こころ
いやあああああああ!
ともか
見て…!こころちゃんの目…! 真っ赤に充血してる…!
ゆみ
本当だ…!
ゆい
…!
その時、ゆいが鏡の一枚を叩き落とした。 鏡はピシッと音を立てて割れた。
その瞬間、こころは床に倒れた。
こころ
はあ、はあ、はあ、はあ、はあ…
まなみ
こころちゃん、大丈夫…?
そのとき、これまで無言だったつばさが薄笑いを浮かべながら言った。
つばさ
教室の時計が2分くらい進んでたみたいだな。 こころがのぞいたときが、ちょうど4時44分44秒だ。