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【計画実行日】(2)

早速、侵入するための準備に取り掛かる。ただのフリーターの仕事場と言えど侵入がバレたら怒られるだろうし、死ぬほど怖い蘭ちゃんのお説教が待っているに違いない。いつぞやお仕置きと称してデコピンされたときには、赤く膨れ上がるおでこを一週間冷やし続けた。竜ちゃんも私が悪いときには「お前が悪い」と一刀両断だ。バレないよう最低限の準備はしておかなければならない。まずは、服装をそれっぽくする。監視カメラに映ってもいいようにメガネ(竜ちゃんの)を、手は指紋が残らないように手袋(蘭ちゃんの)をつける。計画を立てているときは買い足そうかと思っていたが、家の中を探したらすべて揃ってしまい思わず笑ってしまった。

あとは仕事部屋のカードキー。これがないと話にならない。どこに隠してるかはほぼ検討がついているので、早速その場所に向かう。

灰谷 芹

蘭ちゃんと竜ちゃんの性格を考えると絶対ここなんだよね〜

私は迷わず玄関へ向かった。二人で使うものをどちらか個人の部屋には置かないだろうし、蘭ちゃんが面倒くさがりだからわざわざ鍵のついたところに入れておくことはないと思う。あと、二人とも身長が高いからしゃがまなきゃいけないところもないだろうな。となると腰の高さ以上でかつ私が普段見ない場所。上の空棚かな。そこは私の身長だとすぐに届かないし、空棚だとわかっているので開けることはない。私は踏み台を持ってきて棚を開く。 ぱっと見は何もなさそうだが、棚の中には底敷の板が一枚敷かれている。初めからそう言うデザインであると言われればそうとしか見えない。試しにその板を手前にスライドしてみると、裏側にスリーブケースが取りつけられていて、中にカードらしきものが見える

灰谷 芹

ビーンゴ♡

見つける自信はあったが、まさか一発で見つかるとは思わなかった。兄達の私への警戒心の薄さに少しだけ苦笑いをしてしまう。嬉しいような心配なような複雑な気持ちだ。

カードキーを手に入れたので、そのまま玄関を出て目的地に向かうことにした。靴を履き、玄関を出て、エレベーターホールに到着する。エレベーターはカードキーを差込んでから稼働する仕組みだ。差込口にカードキーを入れると扉が開くので、乗り込んで5階下のボタンを押す。

エレベーター内の監視カメラにドキドキしながらも、ものの数秒でエレベーターが仕事部屋のある階に着く。私は念のため開ボタンを押しながら、左右の廊下を確認した

エレベーターホールにはどの部屋がどちらの方向にあるのかを示す案内板があるので迷うことはない。そのまま目的地へ進んでいく。

ものの30分程度で淡々とここまで来てしまった。実際に目的地に到着するとなんとも言えない緊張感がある。私は一呼吸おいてからカードキーを差し込んだ。

ピッ

ロック解除の音がしたので、ゆっくりとドアを開けた。やはり同じマンションであるが故に部屋のレイアウトもかなり近い。これなら中も探索しやすそうだ。

んんん??????ここは、仕事部屋だよね????え、まさか女連れ込んでんの????これ、部屋の中にベッドしかなかったからどうすんの????確定でしかないね????真面目に仕事してると思ってた私の純情な感情が空回りしてしまうので、そういうのは本当に勘弁してください。

取りあえず中を見ないことには計画倒れなので、自分を奮い立たせ奥へ進むことにする。

廊下をまっすぐ進みたどり着いたリビングには大きな机が1つ、その机の長辺を挟むように並べられた4人掛けくらいの大きなソファが2つ、机の短辺…所謂お誕生日席には小さいソファが1つ置いてあった。机の上にはガラスの灰皿が4つ。全体的に黒基調で揃えられていて、白基調の上の階の部屋とは対照的だった。 ぱっと見仕事内容がわかりそうなものは何一つないが、家具がやたら大きいことと灰皿が4つあることから、ここの部屋に4人以上は集まる機会があるのだなと推測できた。

なになになになになになになになになになに!?!?今、鍵開く音したんだけど!?!?! 泥棒!???!?こんな真っ昼間に!?!?! 玄関から私がいるリビングまでは何も遮るものがない。あまりに突然の出来事で私は身を隠すことすら出来ず、ただただ扉が開くのを見つめるしかなかった。

扉が開くまで3秒程度だったと思う。しかし、私にとってはすべてがスローモーションに見えて、心臓はバクバクうるさいし、全身から汗が吹き出てきて、泥棒と鉢合わせるくらいなら蘭ちゃんと竜ちゃんであってくれと神様に都合の良いお願いをした。

無常にも扉を開けたのは蘭ちゃんでも竜ちゃんでもなく会ったことも見たこともない知らない男の人だった。私の人生は今日ここで終わるのかもしれない。

#5話へ続く

〜バレてはいけない〜

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