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－9年前－
蓮
ねえねえ、さきちゃん！
咲妃
なあに？れんおにいちゃん！
蓮
ぼくらずっといっしょにいようね！
咲妃
うん！ずっといっしょにいようね！
男
君、かわいいねぇ～
咲妃
おじさんだあれ？
男
ふふふ、かわいいなぁ～
男
お菓子あげるからおいで～
咲妃
おかし？
咲妃
ほしい！
男
おいで～
蓮
まってください！
蓮
おじさんだれですか？
男
くそっっ！
男
なら、どっちも連れていけばっ！！
ガバッ
咲妃
！？
蓮
！？
咲妃
くらくらする……
咲妃
れん……おにいちゃん……。
蓮
さき……ちゃ……ん
バタンッ
蓮
うーん？
気づけば、そこは病院だった。
蓮
びょういん？
蓮母
蓮！！
蓮
おかあさん？
蓮母
よかった、あなたは無事だったのね……。
蓮
ぼくは……？
蓮
さきちゃんは？
蓮母
……。
僕らが眠らされ、連れていかれた後、 さきちゃんだけは起こされ、あの男に 腕、脚、頬など身体中を舐められていたらしい。
その状況に強い恐怖やパニックを感じたさきちゃんは気絶したらしい。 犯人の男は偶然通りかかった人に通報され、捕まった。
僕の隣に寝ているさきちゃんがいた。
蓮
さきちゃん……？
咲妃母
咲妃！！！
咲妃母
起きてよ……！！
咲妃母
咲妃ぃー！！！
頭にはたくさんのチューブがつけられていた。
咲妃
……。
そして、一年がたった。
蓮
さきちゃん……。
蓮
ぼくがあのときまもってあげられれば……
咲妃
……ﾋﾟｸｯ
蓮
？？
蓮
さきちゃん？
咲妃
うーん……。
蓮
さきちゃん！！
咲妃
……あなただあれ？
蓮
え？
咲妃
ここはどこお？
蓮
さきちゃん？
咲妃
わたし、さきちゃん？
そう、さきちゃんは記憶喪失だった。
蓮
……さきちゃん。
蓮
これからは僕が必ず守るから。
僕はこの日からそう決めたんだ。
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