「テヒョン!お前、まじで早く戻ってこねーと、ぶっ殺すっ!」 「テヒョン、早く戻ってきて!!!」
𝑉
𝑉
空から、また声が降ってきた。 今度は…シュガヒョンの声も…。 は、早く戻らなきゃ…ぶ、ぶっ殺される…らしい…。
「テヒョン、まじで早く帰ってこい!どんだけ、待たせる気だよ…!?」 「テヒョン…戻ってきて…」
また聞こえてくる…。 懐かしい、二人の声。 あれ程に焦がれた、メンバーの声がすぐ近くで聞こえるけど… どこにいるの…? しばらくすると、声は聞こえなくなった。 僕は、静かに青空に手を伸ばした。 すると… 「テヒョン、愛している。だから…僕は、待つよ。」 ジミナの小さな声が聞こえてきて…。 ついに、涙が溢れてしまった。 ずっと、ずっと泣かないようにしてきていたのに…。 泣いてしまったら、もう思いが溢れてきて、止まらなくなるのが 怖かった。 だから、ずっと我慢していたのに…。 この場所に来てから、経った年月の分だけ、涙が溢れて止まらない。 溢れて、溢れて、止まらない涙は、寝転がっていた勿忘草の咲き誇る 地面にしみこんでいく。 すると…!! 僕の体が急にふわりと浮いた。 僕の涙をしみ込んだ大地から、勿忘草の花の茎が伸びてきて、 僕をふわりと包み込み、空高く、天高く上がってゆく。 静かに、ゆっくりと。 上がってゆく。 気づいたら、目の前は勿忘草の青紫色の花びらで埋まっていって、 次第に目の前が白くなってゆく。 テヒョンを優しく包み込んだ勿忘草の茎は、 静かに天へと上がってゆく。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!