95𝘻 𝘉𝘦𝘴𝘵 𝘧𝘳𝘪𝘦𝘯𝘥

テヒョンとジミナ。 二人に初めて会った日の事を、俺は、忘れない。 お前らは、お互いを信じあっていた。 信頼しあっていた。 心を、許しあっていた。 よく喧嘩しては仲直りするお前らを、俺は知らないうちに、 かつての自分達に重ねてみていたようだな。 今は、もう友達とは言えない、あいつ。 元気にしているだろうか…。 まぁ、こちらから気にしてやる義理も無いけどな。 やっぱ、気になるんだわ、お前の事が。 「Spring day」に、「Dear my friend」とか。 「First love」とか。 届いていると、嬉しい。 それはともかく。 かつて、俺にもいた、友達。 たった、一人の、心を許しあえる、友達。 今は、もう違うけど。 ジミナとテヒョン。 俺は、お前たちに昔の俺たちの姿を重ねていたみたいだよ。 お前たちを見ていると、 守りたい。 そう、心の底から思えるんだよ。 この二人の友情が、いつまでも続くようにと願わずには、いられない。 友情とか、絆は、作るときは凄く大量の時間を費やさなければいけない。 でも、大量の時間を費やしてできたそれらは、 壊れるのは、早い。 あっという間だ。 どれだけ、お互いを大切に思っていたとしても、 友情とか、絆は、もろくて、 あっけなく、壊れてしまうんだよ。 それを知っているから、余計に守りたいんだ、お前らの事を。 クオズは、どちらかが欠けてはいけない。 どちらかが欠けた時点で、それはもう、クオズじゃないから。 だから。 テヒョン、早く戻ってこいよ。 お前が事故で昏睡状態になったと聞かされた時の、ジミンの表情を 見せてやりたいよ。 あいつは、この世の終わりのような顔をしていた。 絶望していたんだ。 あれほど、弱弱しい顔をしたジミンを、あの時、初めて見た。 どれだけ辛くハードなレッスンとかスケジュールにも 嫌な顔を何一つ見せず、ストイックで、我慢強くて、 釜山男子前回でめったなことでは折れないジミンが、 絶望していたんだよ。 お前らは、離れ離れになっちゃいけないと、 もう一人の俺が叫んでいる。 だから、早く、戻ってこい。 お前らは、大丈夫だから。