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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

目が覚めた。

はっきりしない頭で状況を見る。辺りはもう直ぐ暗くなる事を告げて居た。

太宰 治

ん、おはよう

中原 中也

あ…太宰…

太宰は傍の椅子に座り、本を手にして居る。

太宰 治

あんまり気持ち良さそうに寝るから起こせなかったよ

微笑み乍ら云う太宰に、中也が少しだけ安心した。

もしも寝言で暗い事を云って居たら、なんて思って居たから。そんな事したら、彼を心配させて仕舞う。

太宰 治

そろそろ帰ろうか…

ぐっと背伸びをして、太宰が本を片付ける。

中也は小さく頷き、帰り支度を始めた。

秋の日は釣瓶落とし、とは良く云ったものだ。

暗い、闇が、街を飲み込む。

家に着く頃には太陽が半分になっていて。

中原 中也

只今…?

太宰 治

うん、お帰り

同じ家に入ると言うのに、そんな会話を交わして。其れがさも当たり前の様に。

微笑む彼の姿が、やけに嬉しかった。

太宰 治

私、持って帰って来た仕事あるから好きにしてて良いよ

中原 中也

分かった…

中也自身も微笑み、自室(と云うべきかは分からないが)へ戻った。

其の時。

中原 中也

っ…!?

扉を閉めた途端に、襲ってくる吐き気。

中原 中也

(何だよ、此れ…っ)

頭痛。

視界が暗くなる。

平衡感覚が無い。

堪らず其の場に倒れ込む。

痛い。

脇腹が、痛む。 非道く、只管に、非道く。

白瀬に殴られた箇所が。

否、

其れだけじゃない。

今迄怪我をして来た処が、引き裂かれる様に痛む。

中原 中也

な…っ、で…

何故か? そんなのは分からない。

否、判っているのかもしれない。

純粋で、透明な。

中原 中也

っ…

中原 中也

…ごめ、んな…さっ…

判っている、筈だ。

汗がフローリングに落ちる。

判っている。

白瀬も。フョードルも。言っていたのだ。

『罪ヲ犯シタ者ハ罰ヲ受ケルガ然リ。』

中原 中也

(唖々、そっ、か…)

中也の目が焦点を失う。 口元が笑った様に歪んだ。

中原 中也

(俺、罰を受けなきゃ行けないんだ)

痛くて痛くて仕方ない筈なのに。

何処か、身体の奥の奥の何処かが、ぽっかりと乾風が吹いた様に冷えた気がした。

痛みが引いた後。

太宰の元へ向かった。

そして告げた。

中原 中也

…明日、学校行きたくない

太宰は少しだけ驚いた顔をした。

でも、深追いは良くないと思ったのか直ぐに「そう、分かった」と言って笑った。

太宰 治

無理しないのが一番だからね

中原 中也

…ん、ありがと…

後に太宰は後悔する。

この時、もっと気遣う言葉を掛けられていれば。

この、笑顔の微かな歪みに、気が付けていれば。

もっと、早く手を打ってあげられていたら。

彼が求める言葉を 見付けてあげられていたなら。

〝あんな事〟にはならない筈だったのに。

中学生殺し屋は養護教諭に恋をした。  太中※学スト改変

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コメント

21

ユーザー

本当に見るの遅れた…通知働けよ…。 絶対みーちゃんの事は見捨てない! 今でも十分不穏な感じなのに更に不穏にしていくみーちゃん鬼畜だぁ( ᐛ ) 今回も何処までも凝ってて最高でしたわ…。スマホ頑張って

ユーザー

待ってました!!もうありがとうっ2ヶ月経ってもクオリティ落ちないの神すぎ。ほしのっちは悪くねぇぜ!!

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