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9 - 汚れた手と美しい人

♥

35

2023年08月08日

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ピッ、ピッ、ピピッ

「メンテナンス終了、異常無し」

ケイト

よし…

画面に表示された文字を見て背もたれにもたれかかる

右手にはタブレット端末を持って正面のMS画面と繋がっている

エマ

ケイトー!!

ケイト

!?

MSの外からエマの声が聞こえケイトは身体をビクッと跳ね上がらせた

ケイト

は…はい!!

コクピットを開くとMSの下に仁王立ちしたエマが立っていた

エマ

降りてきなさい

ケイト

わ…分かりました…

ケイトは地上に降りてエマと向き合う

ケイト

えっ…と…?

エマ

今日、私の部屋に来て

ケイト

え…えぇ?!

ケイト

ど…どどどうして…?

エマ

ウィルの戦闘映像見せてあげるから

ケイト

えっ?

ケイト

な…なんで…

エマ

アンタには絶対に勝ってもらわないといけないの!

エマ

私はあんな奴と結婚なんてごめんなんだから

ケイト

は…はぁ…

エマ

だから、アンナに外泊申請出しといて

ケイト

わ…分かりました…

急な外泊申請にアンナは笑顔で承諾した

画面の中で激しくぶつかり合う2体の機体

片方の機体が思い切り吹き飛ばされすぐに距離を詰められたと思えば頭部のアンテナが宙に舞っていた

ケイト

……

エマ

こんな感じね

エマ

私は正直MSの操縦なんてした事ないしよく分からないけど

エマ

どう?

ケイト

どう…って言われても…

ケイト

…うーん…

実際戦ってるのは自分じゃないし、だけどウィルの動きが早く、状況判断が優れていることは分かる

エマ

まぁ、この戦ってる人がアンタと同じステータスかと言われたらそうじゃないしね

エマ

とりあえずウィルのこの機体はアイツの会社が作った最新型MS

エマ

今の所1番パワーがあるMSだって言われてるわね

ケイト

なるほど…

確かに映像を見る限り1回1回の攻撃が重いように見える

エマ

…勝ってよね

ケイト

ん?

エマはボソッと呟くとケイトの膝に座った

ケイト

!え…ええエマ…さん…っ…?

エマ

……ちょっと黙ってて

エマ

最近匂いつけてないでしょ、私に

ケイト

あ…はい

ケイト

……

ケイト

(いい匂い…する…)

ギュッと彼女を抱きしめると香水…とはまた違う彼女自身の匂いが鼻を通って脳内に充満した

エマ

ん…ちょ…っと…

エマ

くるしい…っ…

ケイト

あ、…ご…ごめんなさい…っ…!

ケイト

つい…

ケイト

エマさんいい匂いするから…

エマ

なっ…

エマ

バカ!

ケイト

え…ええ!?

エマ

すけべ

ケイト

な……い…いい匂いするエマさんが悪いんです!!

エマ

はぁ?私のせいだって言うの?!

ケイト

だ…だって…

ケイトはエマの髪を撫でて先をスっと嗅ぐ

ケイト

本当に凄くいい匂いで…

ケイト

私…好きです

エマ

はっ……

エマ

〜〜……

ケイト

……?

ケイト

エマさん…?

下を向いて黙ってしまうエマを不思議に思い声をかける

エマ

うっさい、今顔見んな

ケイト

は…はい…っ…

ギュッと胸に顔を埋めたまま動かないエマを抱きしめながら暫く2人はそのままでいた

ケイト

(エマさん……可愛くて…綺麗で…強くて…)

ケイト

(こんな…汚れた私の近くにいちゃ…エマさんも汚れちゃう…)

ケイト

(でも…一緒に居たい…って思っちゃうんです…エマさん…)

ケイト

(…汚れてて…ごめんなさい)

自分の右手を見てドロっとした感覚を思い出していた

ケイト

はぁ…はぁ…はぁ…

ダニエル

ケイト!!

ケイト

お兄…ちゃん…

ダニエル

初めて人を殺したのは13歳の頃

食料調達をした帰りに襲われ護身用として持っていたナイフで

ダニエル

……仕方なかったんだ

ダニエル

自分を守ったんだよケイトは

ダニエル

大丈夫、大丈夫

ケイト

……そう…だよね…

ケイト

私…私…

血まみれのナイフをその場に落とすと兄は私を抱きしめた

ダニエル

お前が生きていて良かった

ケイト

お兄ちゃん…

ダニエル

正しい事をしたんだ

ダニエル

いいね?

ケイト

…うん、お兄ちゃん…

突然何も言わなくなったケイトに疑問を持って顔を上げる

エマ

……ケイト…?

悲しいような、申し訳なさそうな、泣きそうな顔になっている彼女を見て驚く

エマ

どうしたの…?

ケイト

ケイト

…な…なにも…ない…です…よ?

エマ

本当…?

ケイト

はい!

ニコッといつものように笑う彼女に私はこれ以上何も言わなかった

私はまだ、彼女の事を何も、何も知らないから

エマ

…そう

私は再び彼女の胸に顔を埋めて彼女の匂いを脳に回した

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