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マネキン

第1話 - マネキン

2018年08月23日

#ホラー

DAMIN

愛莉

ねえ、やっぱやめない？

隼人

何だよ、今更怖いんか？w

愛莉

いや違うけど！

愛莉

こういう所って、危ないって言うじゃん！？

隼人

結局怖いんじゃんかwww

愛莉

だから違うって！！

俺たちは今、廃墟に肝試しに来ている

最初は軽いイタズラの気持ちだったのに･･･

どうしてこんな事に──

10分前

愛莉

なあなあ

隼人

お？なんや

愛莉

この前潰れた、ショッピングモールあるやん？

隼人

あるなあ

愛莉

あそこ、行ってみん！？

隼人

ええー

隼人

めんどくせーよ

愛莉

なんでよ！

愛莉

いいじゃん、そろそろ夏だし！

愛莉

肝試しで涼もうよ！

隼人

夏はクーラーと扇風機あれば十分涼めるだろうよ

愛莉

肝試しで涼む事に意義があるんでしょうよ

隼人

肝試しに意義も何もないだろ(ﾎﾞｿｯ)

愛莉

なによ

隼人

な、なんでも！

<説得中>

隼人

･･･はいはい

隼人

で、行ったらなんか得すんの

愛莉

チーズケーキおごる

隼人

槍が降っても行きますわ

こうして俺たちは荒廃したショッピングモールへと旅立ったのだった──

愛莉

うう、寒いよお

隼人

行きたいって言ったのお前だろうが･･･

愛莉

だって夏なのにこんなに寒いと思わないじゃん！

愛莉

もー、なんでこんな事に･･･

隼人

おい･･･あれ･･･

愛莉

え？

愛莉

なに？

隼人

あれ･･･？

愛莉

もお･･･脅かさないでよ！

隼人

いや、さっき

隼人

あそこのベンチに人が･･･

愛莉

大丈夫？暑さでおかしくなっちゃった？

隼人

今は肌寒いだろうが･･･

ガシャッ

愛莉

え？

隼人

え？

隼人

いま･･･あのマネキン動いて･･･

愛莉

はは･･･冗談やめてよ･･･

愛莉

全然面白くないよ･･･

隼人

いやだってさっき･･･

愛莉

やめてって言ってるでしょ！？何度言えばわかるの！！

ガシャ･･･

愛莉

─る･･･

隼人

･･･え？

愛莉

くる･･･

ガシャッ･･･

愛莉

来る･･･

愛莉

来るよ！！

愛莉

こっちに向かって！！！！

ガシャ･･･ガシャ･･･ガシャ･･ガシャ、ガシャガシャガシャ

隼人

う、

愛莉

う、

「「うわぁぁあああぁあ！！」」

隼人

はあっ･･･はあっ･･･はあっ･･･

愛莉

はっ･･･はっ･･･はっ･･･

マネキンはまだ

発砲スチロールが軋むような嫌な音をたてながら追ってくる

隼人

(とりあえず、あそこのファッションショップに逃げ込もう･･･)

隼人

愛莉、こっちだ！

愛莉

うん･･･！

ギイッ

自動ドアを無理やりこじ開けて、なんとか中に逃げ込む

隼人

はー･･･はー･･･

愛莉

はー･･･はー･･･

隼人

よし、ここまで来れば安心･･･

ぎぃぃいいいぃいっ

『イらっ死ゃ胃･･･』

愛莉

ひっ･･･

「「うわぁぁあああぁあ！！」」

隼人

うわああああ！！

がッ

隼人

(まずい、足を掴まれた･･･)

隼人

くそっ･･･離せぇッ！！

バキィ！

愛莉

よし、今のうち逃げよ！！

隼人

ああ･･･！

だだだだだだだっ･･･

隼人

はー･･･はー･･･はー･･･

愛莉

はあっ･･･はあっ･･･はあっ･･･

隼人

やった･･･これで帰れるぞっ･･･！

愛莉

うん、そうだね･･･

愛莉

でもその前に･･･

愛莉

足についてるその「手」をどうにかしないと･･･

隼人

･･･え･･･？

俺の足には

白色の塗料を帯びた右手が

"しっっかりと"、俺の足首を掴んでいた

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1件

ヤベーな

DAMIN

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