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それは最後の、日暮れでした。

第1話 - それは最後の、日暮れでした。

2019年07月07日

#それは最後の、日暮れでした。

すいみぃ

夕日は儚いものだ。

夕日は一回出たら、すぐ消える。

夕日が沈むと、月が登る。

毎日それの繰り返し。

そんな夕日を

日暮夕凪

…わっ、綺麗…

屋上から見るのが好きだ。

一日で嫌なことがあったら、全部忘れられる。

日暮夕凪

…かごめ、かごめ…かごのなかの鳥は

中野夕陽

…夕凪？何やってんの

日暮夕凪

…あぁ、夕陽。夕日を見てたの。

中野夕陽

綺麗だな…

日暮夕凪

うん…

中野夕陽

…かごめ、かごめかごのなかの鳥は

日暮夕凪

…いついつ出会う夜明けの番人

中野夕陽

鶴と亀が滑った…

日暮夕凪

後ろの正面誰？

中野夕陽

…この歌、昔よく歌ったな〜…

日暮夕凪

そう？…そうかも。私、いつのまにか歌ってることがあるから。

中野夕陽

…ねぇ、夕凪今日も告白されてたでしょ？

日暮夕凪

うん。…まぁ興味ないし、断ったよ。

中野夕陽

…だよな。好きなやつとかいんの？

日暮夕凪

好き？いないよ。

中野夕陽

…そう、だよな…

夕日に照らされて、夕陽に触れたらまるで

崩れ落ちてしまうような＿＿＿＿＿＿…

日暮夕凪

夕陽…？

中野夕陽

…俺、死ぬよ。

日暮夕凪

…え？

中野夕陽

…もう、無理だから。

日暮夕凪

何、言ってるの？

夕陽は困ったように笑う。

中野夕陽

…もう、嫌なんだ。…もう、…

日暮夕凪

…何があったのか、言える？

中野夕陽

…俺＿＿＿＿…

中野夕陽

…虐待と、虐め…されてるんだ。

日暮夕凪

…え？

中野夕陽

まぁ、男子からなんだけど。ね…

日暮夕凪

…なにそのショボい理由

中野夕陽

…は？

日暮夕凪

私のお兄ちゃんなんか、死んだんだよ？病気で。

日暮夕凪

生きたかったのに、死にたくなかったのに…

中野夕陽

…夕凪、

日暮夕凪

…私は…っ！そんな理由で死ぬんだったら絶対許さない！！

中野夕陽

…！…ごめん、

中野夕陽

ごめんね、

日暮夕凪

…！！夕陽…っ！！！！

ガシッ…

中野夕陽

離して…離せ…！！！

日暮夕凪

いやだ、絶対に…いやだ！！！

中野夕陽

はやく…楽になりたいんだよ…！！

日暮夕凪

後悔するだけだよ！！

中野夕陽

しない！！絶対しない！！だから離せって！！

日暮夕凪

…私が一緒にいる！苦しい時も、悲しい時も、楽しい時も…

日暮夕凪

ずっと、一緒にいるから…！

中野夕陽

…いいから、もう離して…

日暮夕凪

私は！！

日暮夕凪

夕陽が好きだよ…っ！

中野夕陽

…夕凪、…

中野夕陽

…俺も、好きだよ…

日暮夕凪

夕陽…っ！！

そこで、私達の手は＿＿＿＿＿＿…

日暮夕凪

夕陽！！夕陽ーーーーー！！！！！

離れていった。

中野夕陽

ゆう、…な…

涙がひとつ、宙に浮いていた。

日暮夕凪

夕陽、夕陽ぃ…っ

私はなんで離してしまったんだろう。

なにが、間違っていたんだろう。

救急車がくる中、先生が慰める中、私は

日暮夕凪

…夕陽…

ずっと、君を想っていた

それは、最後の日暮れでした。

君は泣きながら、去っていきました。

それを私は泣きながら、見送りすらできなく、拒むばかり。

それは、最後の日暮れでした。

私は初めて君に告白しました。

君の頬も私の頬も夕日に照らされてたのか

紅く、染まっていました。

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すいみぃ

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それは最後の、日暮れでした。

第1話 - それは最後の、日暮れでした。

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